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2018-08-19 21:00 | カテゴリ:インターハイ・FJ・420
そして今年より新種目として加わった個人種目レーザーラジアル級だ。既に国体では1994年から少年種目として採用(シーホッパーSR)されていたが、実に24年遅れでインターハイ種目に採用されたのだった。待ちに待った関係者も多かったのではないだろうか?その証拠にラジアルのみの初出場が男女合わせて14校とそれを物語っているだろう。

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【新しいレースシーン・男子レーザーラジアル級のスタート】 ※WSCより

※男女レーザーラジアル級初代チャンピオンはどの選手になったのか?男子から簡単に振り返るとする。



※【男子レーザーラジアル級レース推移】

8/13(火) 天気・快晴 気温33℃ 風向240° 風速6m/sec
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【オープニングレースより1-1と圧倒!優勝した鈴木義弘(光)】※WSCより

ラジアルのスタートは420級の後で、コースはインナーループ、初日は2レース実施。絶好のコンディションでレースは始まった。

初日2レースでトップに立ったのは、優勝候補筆頭・ユースワールド代表の鈴木義弘(光)であった。ダウンウインドのスピードが桁違いであり、1-1の好スタート。2位は3-2の水田隆文(清風)、3位は4-3の桔川翔太郎(逗子開成)のワールド出場組が続く。

しかし優勝候補の一角・西尾拓大(桐蔭)は、いきなりBFDスタートと苦しい立ち上がりとなる。

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【総合2位の水田隆文(清風) 上位選手の実力は見せつけた】※WSCより


8/14(水) 天気・快晴 気温33℃ 風向265~300° 風速4~3m/sec
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【昨年の愛媛国体に続く3位とメダルを獲得した桐井航汰(明星学園)】※WSCより

2日目も2レース実施された。しかしながら風速が弱く、若干荒れ模様となる。暫定首位の鈴木は9-1と3度目のトップで首位をキープしたが、他は軒並み二桁順位を叩き、早くも抜け出してしまう。2位は水田、3位は桐井航汰(明星学園)が上がってくる。

8/15(木) 天気・くもり 気温31℃ 風向170~190° 風速4~3m/sec
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【惜しくも4位の松原穂岳(日進西)国体に期待!】※WSCより

3日目もさらに難しいレースとなる。暫定首位の鈴木は1-3に対し、2位水田は2度目の二桁順位となり、この時点で最終レースを待たずして、鈴木の初代チャンピオンが確定する。2位は水田、以下桐井-松原-桔川-そしてBFDがカットされた西尾拓大(桐蔭)が上がってきた。

最終日第7レースも上記6人が上位を占め、順位は変化せず、勝負は決した。

※鈴木の圧勝だったが、上位入賞者の顔ぶれをご覧頂くとしよう。



※ワールドレベルの走りを披露!
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【勝利のウイニングラン、ガッツポーズで応える鈴木義弘。将来の五輪候補】

スーパースターには、難しいコンディションも関係なかった・・・。初代チャンピオンには鈴木義弘(光)が輝いた。オールトップではなかったが、最終レースを残し優勝を決めたことはさすがである。レースについては私が改めて言うまでもないが、勝因はボートスピード、特にダウンウインドの走りが桁違いだったことである。実況中継の川井淳史アナウンサーも「我々のボートも追いつけない-!」との名言も生まれるほどだった。

彼のプロフィールを紹介すると、OP時代にはワールドに出場。中学3年で迎えた和歌山国体で並みいる高校生を撃破し、ラジアル初代チャンピオンならびに中学生優勝の快挙を達成。その後光高に入学後もダブルハンドには転向せず、シングルハンドで活動してきた。その後岩手-愛媛両国体でも圧勝し三連覇達成。世界でも昨年2017レーザーラジアルユースワールドでは日本人初の入賞とまさに記録づくめの選手なのである。

ここまでの選手になったのは常に前向きな姿勢と、豊富な練習量であることは言うまでもない。

もちろんインターハイは今大会が初めてであり、最初で最後の大会を初代チャンピオンの称号まで手にしたのはさすがである。このことについて彼はインターハイに出場できたことがうれしいと語ってくれた。これほどの選手でもそう思っていたのだから、シングルハンドをインターハイで導入したことは正解だったのだと私は感じた。

あと残すは福井国体で前人未到の少年種目4連覇のみだ。もし達成できれば、まず破ることができないとてつもない大記録となるだろう。実直にセーリングへ取り組む彼なら間違いなく達成することだろう。そして是非ともオリンピックを目指して頂きたいものである。

初代チャンピオンおめでとう!



※ワールド組・国体上位選手が全て入賞!

今回入賞したのは全てジュニアから始めた選手ばかりであり、力の違いを見せつけたと言えるのではないだろうか?
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【関東優勝の桔川翔太郎(逗子開成)1年生で5位入賞は立派】※WSCより

2位 水田隆文(清風)・・・・・B&G兵庫ジュニア海洋クラブ
3位 桐井航汰(明星学園)・・・江の島ヨットクラブジュニア
4位 松原穂岳(日進西)・・・・海陽海洋クラブ
5位 桔川翔太郎(逗子開成)・・江の島ヨットクラブジュニア
6位 西尾拓大(桐蔭)・・・・・和歌山ジュニアヨットクラブ

2位水田は鈴木には及ばなかったが、2年連続国体で入賞した実力を発揮。3位桐井も中盤苦戦はしたが、昨年国体3位の実力通りの結果。4位の松原は国体入賞経験はなかったが見事入賞。5位の桔川はこの中では唯一の1年生だったが、メダル争いに加わる健闘。そして6位の西尾は優勝候補であったが、BFDを挽回しての入賞となった。

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【地元優勝はならなかったが6位入賞した西尾拓大(桐蔭)】※WSCより

この中で、水田・桐井・西尾はインターハイ後にドイツで開催されるラジアルユースワールドに出場する。是非ともゴールドフリートに残れるよう頑張って欲しい。

※尚、優勝した鈴木、水田、桔川は、コンバインド得点にも貢献しており、この辺りも注目すべき点だったのではないだろうか?



 
※【女子レーザーラジアル級レース推移】

8/13(火) 天気・快晴 気温33℃ 風向290~240° 風速4~7m/sec
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【優勝候補の三浦と須田のデッドヒート】※WSCより

女子420級と同様に、初日は3レース実施。順風域以上の風域だったことから、力の差が早速出始める。初日1-1-1で首位に立ったのは、ユースワールド代表の三浦凪砂(湖西)であった。しかし申告ミスを取られトータル5点のスタート。そして2-2-2は4.7ユースワールド代表の須田英実子(膳所)が1点差の2位と早くも2人による優勝争いの様相となる。3位には1年生の大槻多恵美(済美平成)が続いた。

8/14(水) 天気・快晴 気温33℃ 風向265° 風速3m/sec

この日は1レース、第4レースでは風速も弱かったことから難しいレースとなる。この日軽風域に強い中四国勢が躍進、石田穂乃香(高松商業)-大槻多恵美-松尾 華(鈴峯女子)の順でフィニッシュ。暫定首位の三浦は苦戦したがそれでも4位フィニッシュでトップをキープ。暫定2位の須田も苦戦し6位フィニッシュと離れ始める。

8/15(木) 天気・くもり 気温31℃ 風向170~190° 風速4~3m/sec

この日も軽風域のレース。カットが入る第5レースで、石田が連続のトップフィニッシュで3位まで浮上したにに対し、首位三浦は7位フィニッシュと苦戦、2位須田も4位フィニッシュと、優勝争いは混沌としてきた。

続く第6レースでは風速が若干上がり、三浦が意地のトップフィニッシュで2位に3点差を付け、首位をキープ。そして石田-須田が続いた。石田が須田に追いつき、同点ながらも2位浮上、3位は須田となり、優勝争いはこの3人に絞られた。

しかし最終日は女子420級同様レースは実施されず、三浦凪砂の優勝で決着した。


※以上が女子のレース推移であったが、優勝者及び入賞チームを紹介するとしよう。



※優勝候補筆頭のプレッシャーを乗り越え優勝!
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【見事初代チャンピオンとなった三浦凪砂(湖西)】

以上のように初代女子チャンピオンになったのは、ユースワールド代表の三浦凪砂(湖西)だった。軽風域ではやや苦戦したものの、ある程度の風が吹けば力の差は歴然だった。しかし彼女は3年生であり、インターハイは最初で最後だったことから優勝へのプレッシャーはあったに違いない。

三浦は浜名湖ジュニアでヨットを始め、昨年は4.7ユースワールド代表、国体は中学3年生から出場し2年連続の入賞と力をつけてきた。そしてこのインターハイ後にはラジアルユースワールドにも出場する。是非とも頑張って頂きたいと思うし、福井国体でも二冠に挑戦する。

※初代チャンピオンおめでとう!

※大健闘の準優勝!
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【このメンバーで準優勝は立派!石田穂乃香(高松商業)】※WSCより

女子420級の記事でも紹介したとおり、準優勝となったのは石田穂乃香(高松商業)だった。得意風域となってから1-1-2と、もしシリーズが全て軽風域だったならば、優勝まであったのかもしれない。しかも入賞者の中で高校から始めたのは石田だけであり、殊勲の準優勝といえるのではないだろうか?

続く福井国体では、軽風域の難しいコンディションになる可能性が高いことから、一気に注目される立場になったのは間違いないだろう。

※タイトルには届かず
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【来年はチャンス!総合3位の須田英実子(膳所)】※WSCより

こちらも優勝候補だった4.7ユースワールド代表の須田英実子(膳所)だったが、3位に終わった。中盤戦における得意風域で順位を落としたのが痛かった。優勝を狙ってただけに不本意だと思うが、それでも3位メダル獲得はさすがである。しかもまだ2年生であり、オリンピアンでもある同校OB・兵藤和行氏にも指導される彼女は、福井国体、そして来年のインターハイも優勝候補になるのは間違いない。

※中四国勢躍進!
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【来年は間違いなく注目選手!4位入賞の大槻多恵美(済美平成)】※WSCより

今大会、非常に目立っていたのは中四国勢だった。1年生ながら4位入賞した大槻多恵美(済美平成)は大健闘、昨年地元愛媛国体は怪我の影響により悔しい思いをしたが、メダルまであと一歩と迫った。

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【インターハイでも入賞!松尾 華(鈴峯女子)】※WSCより

そしてここの所元気のなかった広島勢が5・6位に入る。国体上位経験者の松尾 華(鈴峯女子)が5位、昨年の国体は420で出場した1年生の小菅 楓(広島国奉寺)が6位と躍進した。松尾は男子420級初代チャンピオン・松尾虎太郎の妹であり、最初で最後のインターハイを入賞で締めくくった。

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【総合6位の小菅 楓(広島国奉寺)来年は上位進出間違いなし!】※WSCより

また1年生の小菅は、昨年までこの和歌山インターハイで抜群の運営をみせた坂本 亘監督の指導を受けており、和歌山を知り尽くしている監督の下なら、来年は怖い存在になるのは間違いないだろう。非常に楽しみである。




※以上新種目となったレーザーラジアルだったが、今大会は特にジュニア出身の選手の活躍が目立った。しかし女子高商石田のように高校から始めても上位を目指せることもわかったのではないのだろうか?今までダブルハンドしか活動していなかった既存校も練習し、レベルを上げてもらいたい。

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【今回一人参加校の特徴としてユニフォームではなく、制服で開・閉会式に出席する選手も多かった。う~ん新鮮だ】

そして今回高体連加盟していないユースセイラーでも、学校側の協力が得られずに出場を断念せざるを得ないケースも出ていると私は耳にした。これは非常に残念な話だが、やはり今後はジュニアクラブ側もより重要になってくるのではないのか?今回優勝した鈴木も「出場できてうれしかった」と言ったように、ほぼ全員がインターハイを経験できたことは良かったと思っているに違いない。是非とも来年以降も関係者の皆さんは選手の為に奔走して頂きたいと切に願っている。



※【最終総括】

新生インターハイは成功のうちに幕を閉じた。今年は中村三陽のインターハイ新記録達成や、半田女子が創部70年目の初優勝がより大会を盛り上げたのではないのか。そしてレーザーラジアルが導入され雰囲気もガラリと変化したように思えた。またコンバインド競技もチームワークを醸成する意味でもやはり良いものだ。やはりインターハイは活気に溢れいつ観ても素晴らしい。

来年も高校生は是非ともこの大会を目指し、練習し、出場できることを願い締めさせて頂くとする。


※来年も和歌山で会おう!


以上


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2018-08-19 05:00 | カテゴリ:インターハイ・FJ・420
男子420級に続き、女子420級はどうだったのか?展望で私はどこが勝つのかわからないと結論づけた。しかし終わってみれば・・・?早速レース推移をコンバインドと併せて振り返るとしよう。
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【女子420級のレースシーン】



※【レース推移】

8/13(火) 天気・快晴 気温33℃ 風向290~240° 風速4~7m/sec

今年も女子からレースが始まる。翌日以降のコンディションを考え、いきなり3レース実施となった。例年通りのシーブリーズながら、風速は強めの中でレースは始まる。

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【快走!初日トップに立った青山/福田ペア(霞ヶ浦)】

初日3レース2-1-1の4点と圧巻の走りをみせ首位に立ったのは、昨年12位の青山瑞希/福田桃奈(霞ヶ浦)であった。4-2-2の8点で夛田晴香/林 千華(高松商業)が2位、5-6-6-の17点で山本 茜/和田桃佳(半田)が3位と続いた。

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【上位で安定し総合2位の夛田/林ペア(高松商業)】※WSCより

ところがこの3チーム以外は出入りが激しく、昨年のFJ級優勝・蓮/坂巻(霞ヶ浦)は6位スタート、愛媛国体優勝の中山/西分(唐津西)は4位スタートも早くも首位と13点差、そしてこちらも優勝候補の一角であった長崎工業2艇も凸凹順位と苦しい戦いとなってしまう。

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【実力を出し切った総合3位の山本/和田ペア(半田)】

8/14(水) 天気・快晴 気温33℃ 風向265° 風速3m/sec

前日3レース実施された為、この日の女子は1レースのみ。第4レースでは暫定1~3位は7・8・9位と若干の失敗レースになったものの総合順位は変動せず。一方、このレース3位フィニッシュとなった高商の2番艇宮本/銭谷が総合5位に順位を上げ、コンバインド順位が霞ヶ浦と同点となる。またしても因縁の対決かに思われたが・・・?

8/15(木) 天気・くもり 気温31℃ 風向170~190° 風速4~3m/sec
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【4位入賞とコンバインド優勝に大きく貢献した篠倉/井口ペア(半田)】

男子同様難しいコンディションとなった第5・6レースで、首位の青山/福田は連続のトップフィニッシュとなり、最終レースを待たずに優勝確定。暫定2位の夛田/林もほぼこの順位が確定、3位に山本/和田がキープ、一方でコンバインド戦線が熱い展開となる。

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【総合6位の宮本/銭谷ペア(高松商業)】

半田の篠倉/井口が4-7にまとめ、カット後4位まで浮上、高松商業の宮本/銭谷は6位に後退、従ってこの時点で半田が1点差の首位に躍り出る。ところが前日首位タイだった霞ヶ浦は、蓮/坂巻がリコールや二桁順位を叩き、10位となってしまい、コンバインド優勝は絶望的となる。

最終日は既にご存知の通り、雷雲の影響で出艇が遅れ、さらには最終日は男子から実施された為、時間切れとなり第6レースまでの順位で確定した。

※簡単なレース推移であったが、優勝校及び入賞校の顔ぶれを見ていくとしよう。



※女子でも2年生ペアが制覇!
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【420級4度目の開催で3勝目!優勝した青山(右)/福田ペア(霞ヶ浦)】

終わってみれば圧勝だった。優勝したのは霞ヶ浦の青山瑞希/福田桃奈の2年生ペアであった。ライバルが続々と脱落していく中で4回のトップフィニッシュを含むオールシングルの圧勝劇。勝因は課題だったコース取りに改善がみられ、レベルアップしたことであろう。

スキッパーの青山は地元茨城ジュニアの出身ではあるが、主たる成績は残していない。クルーの福田は彼女の叔母様が伊勢崎監督と知り合いだった縁でヨットを始めた。来年開催される茨城国体で優勝することを目標として結成されたチームなのだ。

中学3年から結成し、昨年の関東大会では優勝。さすがにインターハイ・国体では振るわなかったが、今年に入りJOCでは6位入賞と着々とレベルアップしていった。しかしながら今年の関東大会では自分たちのレースができずある意味惨敗。しかしその後レベルアップしたのはコース取りや福田のスピンワークをみれば一目瞭然であり、見事な勝利であった。

霞ヶ浦女子は420級4年間で3勝と全国的にみても女子の中心であることは間違いないだろう。まだこのコンビは2年生であり、来年は偉大な先輩・宇田川真乃と同様の連覇を目指す。

完璧なレースだった、優勝おめでとう!



※創部70年にして初優勝!
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【初優勝した半田女子チーム、後ろ4名がレースメンバー、中央は顧問の山本 輝監督】

女子コンバインドの結果を見て、驚いた方はたくさんいらっしゃるだろう。優勝したのは半田(愛知)であった。女子強豪の霞ヶ浦や高松商業を破ったのだからこれは殊勲の大勝利なのである。

420級で3位となった山本 茜/和田桃佳と4位の篠倉なつみ/井口七海この2チームで創部70周年の記念すべき年に初優勝を果たした。勝因は自分たちの持っている力を出し切れたからではないのか?

春先のびわこウィークでこの2チームは活躍し始めてから私も注目していた。5月の強風下の蒲郡でも男子を上回る成績、そして東海予選でも男子を退けてワンツーと荒削りながらもメダルには手が届くと私は思っていた。

インターハイ前にもJSAFシーマンシップアカデミーで中村公俊氏にコーチングを受け、さらには翌週には同校OBであり、現早稲田大ヨット部監督である関口功志氏も駆けつけた。具体的な言明は避けるが、レースの戦い方をレクチャーされたようだ。これは結構難しい内容だったはずだが、彼女達は理解し実行できたこともこの勝利に繋がったといえるのではないだろうか?

半田高校ヨット部を紹介すると昭和23年(1948)創部。主な卒業生には小説家でもあり、スナイプ西半球選手権日本人で初の優勝を果たした二宮隆雄氏を始め、現在も国体で活躍している永井久規氏、レース運営のスペシャリストIROである岡田 彰氏などである。

クラブは自主運営が基本であり、監督・コーチから指示されるのでなく、全てを自分たちで考え、話し合い、行動する。どうしても自分たちだけで結論が出なければ、監督・コーチに助言を求めるそんなスタイルなのである。

今年の3年生女子は8名であり、仲の良さもあったが、1年生の時からインターハイ優勝を目標としていた。またレギュラー2艇の他にも同等の実力だった森本遥香/林 舞子ペアもおり、戦力はもちろんのこと、チームワークの良さも勝利に繋がったのではないのか?

ノーレースが決まった時の彼女達の涙が実に印象的であり、私も感動してしまった。

本当に初優勝おめでとう!



※3種目準優勝!
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【男子コンバインドを含め、4種目で準優勝!高松商業の皆さん】

420級では昨年圧勝した高松商業から夛田晴香/林 千華が霞ヶ浦に及ばなかったが、見事準優勝を飾った。また宮本 和/銭谷明莉も6位入賞とコンバインドでも準優勝。そして後述するがレーザーラジアルでも石田穂乃香も準優勝と3つの種目全てで準優勝と今年も高商の強さをみせつけた。

5人とも高校から始めた選手ばかりであり、この成績は本当に素晴らしい。同校は和歌山開催となってから3位以内が6回と女子強豪校に復活。部員も多いこともあり、レギュラーはほぼ3年生に限定される中で毎年注目チームが出てくるのだから驚きだ。もちろん実力もあるが、和歌山の海面は香川勢にとって合っている海面なんだと改めて確信した。

樋上聡史監督はシルバーコレクターと自虐的な表現をしたが、昨年は36年ぶりの優勝を果たした訳だし、優秀な指導者であることは間違いない。来年にも期待である。


※女子コンバインドで入賞したのは4位長崎工業・5位唐津西・6位別府翔青と全て九州勢、この内唐津西だけが420とラジアルで他はすべて420二艇での入賞となった。女子でも420で2艇通過すれば上位進出は間違いないところだが、男子に比べ全体の枠数が少なく、鍵は水域予選でいかに2艇通過できるのか?ではないのか。こちらも是非とも来年へ向け参考にして欲しい。


※男女レーザーラジアル級へ続く~

2018-08-18 19:00 | カテゴリ:インターハイ・FJ・420
420級が採用されてから4度目の今大会は、過去3年とは違い、各校2艇まで出場できることや、出場艇数が増えたことだった。まず男子420はどうだったのか?重要な新種目コンバインドとも併せて簡単に振り返ってみることにする。

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【男子420級スタートシーン】



※【レース推移】

8/13(火) 天気・快晴 気温33℃ 風向240° 風速7~5m/sec
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【後続を大きく突き放す玉山/中田ペア(光)】

今年も女子からレースとなった為、男子は正午から始まる。この日2レースで首位に立ったのは玉山/中田(光)だった。トライアルから3連続トップと好調をアピールし、見事な滑り出しとなる。2-2の4点とまとめた小柳/池田(中村学園三陽)が2位、3-3の6点で大谷/山根(宮古)が3位と三者三様きれいなスコアで初日を終えた。

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【2日目2レース連続トップフィニッシュの国見/金光ペア(逗子開成)】

この日も2レースであったが、昨日とはガラリと変わり風速が落ち、振れも激しい難しいコンディションとなる。昨日の暫定1~3位チームはまずまずのレースだったものの、それを上回ったのは国見/金光(逗子開成)だった。2連続トップフィニッシュで逆転し首位に躍り出る。一点差ずつで小柳、玉山が続く。ユースワールド代表の倉橋/河津(中村三陽)は4位とまずまずだが、エンジンがかかりきらない。この日香川勢3艇が好調だったが、既にカット順位を抱えており、明日以降も失敗は許されない状況であり、上位3艇は有利な状況となる。

8/15(木) 天気・くもり 気温31℃ 風向170~190° 風速4~3m/sec
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【第6レースでついに三陽ワンツー、コンバインド優勝が確定的となる】

この日は強風予報であったが、それに反してなかなか風速が上がらない。しかも過去三大会になかった南寄りの風となる。ここでの南風は陸から吹く影響で振れも激しい中で重要な3日目になるのであった。

暫定首位の国見/金光は1-3と絶好調、優勝に王手をかける。小柳/池田は6-2とまとめたが首位と3点差に広がり、玉山は5-9と首位まで10点差となり3位キープも、優勝は大変厳しい状況となる。また暫定4位の倉橋/河津はようやく第6レースでトップをとったものの、優勝戦線から脱落となり、メダルをかけて最終レースに臨むのであった。しかし中村三陽はこの時点で初代コンバインド優勝は濃厚となる。

8/16(木) 天気・くもり時々雨 気温31℃ 風向200° 風速7m/sec
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【国見・小柳によるマッチレース、今大会このようなシーンが多かった】※WSCより

残るは一レース、この日も雷雲の影響により出艇が遅れ、なんとか時間ギリギリで男子は実施される。風速の強弱はあったが、7m前後と絶好のコンディションとなる。

暫定首位の国見/金光は下寄りのトップスタート、小柳は国見の下側と事実上のマッチレース。第①マークは国見-小柳の順で回航。一方、玉山と倉橋の3位争いは玉山が出遅れるも、中盤のコース取りで挽回し、こちらも玉山-倉橋の順で回航。大勢は変わりなく、国見がトップフィニッシュで優勝を飾る。2位は小柳、3位は玉山で決した。

※以上が簡単なレース推移であったが、優勝チームと入賞チーム寸評を簡単ではあるが述べるとしよう。



※得意風域を生かしての栄冠!
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【またしても2年生ペアが優勝!国見/金光ペア(逗子開成)】

男子420級の栄冠を掴んだのは、4回のトップを取った国見/金光の逗子開成2年生コンビであった。初日はやや出遅れたものの、得意風域となった2日目からはまさに神がかかった走りであった。最終レースでも小柳/池田をきっちりマークし、完璧な勝利だったといえるのではないのか?

国見は葉山ジュニアの出身であり、昨年も先輩を押しのけレギュラーになり、1年生ながら9位と健闘。今年の稲毛ウィークでも見事な走りで優勝、そしてインターハイへ向けても調整がうまくいったと加藤 真監督は自信をみせていた。
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【私に「絶対いけますよ~」と自信を見せていた加藤監督、右は吉田真浩コーチ】

逗子開成といえば内田伸一監督が有名だが、彼も就任20年目でようやく栄光を掴んだ。私は彼の苦労を知っている一人であるので胴上げされた時は思わず涙が出てきてしまった。1回勝てたとなれば、来年以降も期待できるのは間違いない。しかも優勝したのは2年生コンビ、今度はコンバインドも是非とも狙って欲しいものである。

※見事なレースであった、34年ぶりの優勝おめでとう!



※強いレースで初代コンバインドチャンピオン!
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【堂々たる準優勝!小柳/池田ペア(中村学園三陽)】

今回優勝候補筆頭は中村三陽勢2艇であった。ユースワールド代表の倉橋/河津とヨーロッパ選手権代表の小柳/池田はそれぞれ4位と準優勝に終わり、420級のタイトルまでは届かなかったが、新種目コンバインドは90点超えでの初代男子チャンピオンに輝いた。

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【4位に終わったが、コンバインド優勝に笑顔を見せるリーダー倉橋直暉(中村学園三陽)】

昨年の葉山全日本FJで初めて彼らの走りを観たが、基本に忠実でしかも速く、あの時から今年のコンバインド優勝を私は確信していた。それを達成し、インターハイ新記録を樹立できたことは本当に素晴らしい。

同校は1995年創部、99年宮古大会でソロ・デュエット完全優勝を皮切りに18勝ということは、ほぼ毎年のように優勝していることになるのだから凄いチームと言うのは皆さんもおわかり頂けるのではないだろうか?しかも2003年から続いてる3位以内の記録も16年連続と更新した。

この強さの要因は北方貴紀監督による指導力の賜物であることは間違いあるまい。今年はデュエット時代と同様にコンバインドで優勝することを考え、それを選手たちに徹底させていたに違いない。それは堅いレース内容をみれば一目瞭然だ。ここ7年私も選手の起用法などに触れてきたが、「チームとして勝つためにはどうしたらよいのか?」を常に考え、それを徹底していることが素晴らしいのだ。

この最多勝記録はおそらく破られることはないだろう。それだけ偉大な記録であり、敬意を表したい。


※新記録達成おめでとう!



※420級4年連続入賞!
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【オープニングより連続トップフィニッシュが決め手となった玉山/内貴ペア(光)】

男子420級で初代チャンピオンを生んだ光(山口)から、今年も3位入賞となったのは、玉山義規/中田侑成・内貴航路朗であった。初日2レースで連続トップフィニッシュと好スタートを見せた。中盤は優勝戦線からは脱落してしまいどうなるのかと思ったが、最終レースもスタートが失敗しピンチとなるも、それを凌いでのメダル獲得であった。一上での中盤のコース取りは、絶妙なタイミングでの切り替えだった。またコンバインド3位にも大きく貢献したのは見事ではなかったのか?

交代でクルーを務めた中田と内貴はまだ2年生であり、内貴はOP時代は好成績を残した逸材だ。この経験は必ず生かされることだろう。是非とも期待したい。



※健闘した香川勢
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【3艇一気にフィニッシュする香川勢】

そして5位・6位となったのが香川勢であった。メダル戦線に最後まで絡んだ鈴木 虹/小松 郁吹(高松工芸)が5位入賞、期待の2年生スキッパーであった長谷川真大/藤村龍也(高松商業)が6位入賞であった。そして2度の失格で12位に終わったが、石川和歩/白坂京輔(高松商業)と併せて高商はコンバインドで三陽に続く準優勝となった。やはり香川勢は難しいコンディションになると上位にくると共に高商は2艇とも2年生スキッパーだ。来年は間違いなく優勝候補になることは間違いないだろう。


※以上見応えのあるレースではあったが、コンバインドについて少々触れておくとしよう。優勝した三陽と準優勝の高商は420級2艇での上位進出、3位光・4位逗子開成・5位清風は420とラジアルとの合計。そして6位の膳所は420級2艇が15・16位での入賞であった。やはり420・2艇は有利であり、2艇揃えたならコンバインドの上位を目指しやすいことも来年へ向けても参考にして欲しい。


※女子420級・コンバインドへ続く~


2018-08-18 05:30 | カテゴリ:インターハイ・FJ・420
高校セイラー日本一決定戦である、平成30年度全国高等学校総合体育大会ヨット競技・第59回全国高等学校ヨット選手権大会は、今年も和歌山セーリングセンターで開催、全4種目28レース予定の中、オールラウンドのコンディションで26レースを消化しての決着となった。
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【女子420級のレースシーン】

今年より420級に加え、個人種目のレーザーラジアル級が導入、さらには4年前まで存在したデュエット競技をリニューアルしたコンバインド競技(団体総合)も復活し、熱戦が展開された。

※まずは各種目の入賞校を紹介するとしよう。



①【男子420級】  (※36校48艇)

※34年ぶりの栄冠!
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【会心の走りで逗子開成34年ぶりの優勝となった国見/金光ペア】

①国見 有 /金光 浩志  (逗子開成)  12点((10)-5-1-1-1-3-1)
※逗子開成は420級初優勝(通算回数6度目)

②小柳 倫太郎/池田 隼太 (中村学園三陽)16点(2-2-(12)-2-6-2-2)
③玉山 義規/中田 侑成  (光)     25点(1-1-6-(11)-5-9-3)
       内貴 航路朗
④倉橋 直暉/河津 優理  (中村学園三陽)31点(4-7-(17)-6-9-1-4)
⑤鈴木 虹 /小松 郁吹  (高松工芸)  48点(14-(22)-2-5-2-5-20)
⑥長谷川 真大/藤村 龍也 (高松商業)  53点(18-11-7-4-7-(DSQ)-6)



②【男子レーザーラジアル級】(※30校32艇)

※ユース界のスーパースターが圧倒!
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【ワールドレベルの走りを披露した鈴木義弘(光)、文句なしの初代チャンピオン!】

①鈴木 義弘  (光)     8点(1-1-(8)-1-1-3-1)
※光はレーザーラジアル級初優勝(通算回数13度目)

②水田 隆文  (清風)   26点(3-2-(20)-2-3-13-3)
③桐井 航汰  (明星学園) 31点(2-7-4-(17)-9-7-2)
④松原 穂岳  (日進西)  36点(6SCP-4-11-(18)-4-4-5)
⑤桔川 翔太郎 (逗子開成) 38点(4-3-(15)-8-11-6-6)
⑥西尾 拓大  (桐蔭)   42点((BFD)-6-(17)-12-2-1-4)



③【女子420級】  (※23校31艇)

※420級で早くも3勝!
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【中3からコンビを組み見事開花!青山/福田ペア(霞ヶ浦)】※WSCより

①青山 瑞希/福田 桃奈  (霞ヶ浦)    6点(2-1-1-(7)-1-1)
※霞ヶ浦は2年ぶり3度目の420級優勝(通算回数11度目)

②夛田 晴香/林 千華   (高松商業)  18点(4-2-2-8-(13)-2)
③山本 茜 /和田 桃佳  (半田)    27点(5-6-6-(9)-2-8)
④篠倉 なつみ/井口 七海 (半田)    31点((18)-7-11-2-4-7)
⑤中山 由菜/西分 美里  (唐津西)   36点(7-5-7-(20)-3-14)
⑥宮本 和 /銭谷 明莉  (高松商業)  37点(3-9-15-3-7-(26))



④【女子レーザーラジアル級】(※22校23艇)

※ユースワールド代表が初代チャンピオン!
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【優勝候補筆頭のプレッシャーに打ち勝つ!初代チャンピオンの三浦凪砂(湖西)】※WSCより

①三浦 凪砂  (湖西)   10点(1SCP-1-1-4-(7)-1)
※湖西はレーザーラジアル級初優勝(通算回数でも初)

②石田 穂乃香 (高松商業) 13点((6)-3-6-1-1-2)
③須田 英実子 (膳所)   13点(2-2-2-(6)-4-3)
④大槻 多恵美 (済美平成) 18点(4-5-4-2-3-(15))
⑤松尾 華   (鈴峯女子) 20点(5-(7)-3-3-5-4)
⑥小菅 楓   (広島国奉寺)32点((21)-6-11-8-2-5)



⑤【男子コンバインド競技】(※51校)

※インターハイヨット最多勝(18勝)樹立!
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【ついに大記録樹立!デュエット時代も8勝と団体にも滅法強かった中村学園三陽チーム】

①中村学園三陽   92点(420・47点+45点)
※中村学園三陽は初優勝(通算回数18度目※新記録)

②高松商業     80点(420・43点+37点)
③光        78点(420・46点+LR32点)
④逗子開成     76点(420・48点+LR28点)
⑤清風       70点(420・39点+LR31点)
⑥膳所       67点(420・34点+33点)



⑥【女子コンバインド競技】(※37校)

※涙の初優勝!
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【同校は今年創立100周年、そんな記念すべき年に優勝した半田女子チーム。殊勲の大勝利!左から篠倉なつみ・井口七海・山本 茜・和田桃佳】

①半田       57点(420・29点+28点)
※半田は初優勝(通算回数でも初)   

②高松商業     56点(420・30点+26点)
③霞ヶ浦      53点(420・31点+22点)
④長崎工業     45点(420・21点+24点)
⑤唐津西      44点(420・27点+LR17点)
⑥別府翔青     37点(420・19点+18点)


※優勝及び入賞されたチームの皆さん、誠におめでとうございます。続いて総括に入りたいと思います。


2018-08-01 16:00 | カテゴリ:インターハイ・FJ・420
※平成最後のインターハイ

7月下旬より、三重県を中心とする東海地区で平成30年度全国高校総体が開幕。各競技で熱戦が展開されているが、いよいよ我がヨット競技も幕を開けようとしている。第59回全国高等学校ヨット選手権大会は、今年も固定開催4年目となった和歌山セーリングセンターがその舞台である。(8/12開会式・その後トライアルレース、8/13~16の7レース制)
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【インターハイヨット競技が開催される和歌山セーリングセンター】


インターハイヨット競技の改革として3年前に420級が導入され、今年からの新種目であるレーザーラジアルが加わったことで完結することになった。さらには以前のデュエット競技に似たコンバインド競技(団体総合)も導入され、より盛り上がることは間違いあるまい。

平成最後のインターハイであり、今年の高校ヨット日本一はどのチームになるのか?既にインターハイ予選結果とその考察で大部分は述べてしまったので、重複する部分もあるが、展望してみたい。



※今年からのレース概要

過去3年間では420級・FJ級で争われたが、出場は各校1艇ずつに限られた。今年からは420級・レーザーラジアル各2艇ずつ最大4艇出場が可能となった。2艇以上出場ならば新種目コンバインド競技の上位候補となり、この辺りが過去3年間と大きく違う所なのである。


※【競技概要】
概要競技




①【男子420級展望】 (※36校48艇出場予定)

※420初制覇&単独最多勝へ王手!
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【昨年の男子420級熱戦の様子】※WSCより


3年前に導入された420級は、新レギュレーションとなっても大きな変化がないように思えるが、出場艇数が基本32から47に増え(※今年は推薦もある為48)、さらには各校2艇まで出場できることが昨年までと違う所である。

過去3年間では、松尾虎太郎(光)-西村宗至朗(清風)-蜂須賀晋之介(霞ヶ浦)がそれぞれ優勝。松尾・西村は2年生で圧勝、蜂須賀は激戦の中での制覇であった。果たして今年はどうなるのか?

昨年インターハイ終了後から今日まで、国内・海外を含め活躍しているチームを優勝候補として挙げていくのが妥当であろう。その筆頭はやはり昨年インターハイヨット最多勝タイ記録に並んだ中村学園三陽(福岡)勢となるだろう。

今年のユースワールド代表・倉橋直暉/河津優理とヨーロッパ選手権代表の小柳倫太郎/池田隼太である。両者共に昨年420ワールドの権利までは届かなかったが、今年に入り、特に倉橋ペアはJOC以外の主要大会は負けなしと非常に強い印象を受ける。インターハイ予選でも倉橋-小柳と同校ワンツーを達成、海外レースも経験し一回り成長した彼らは悲願の420級初優勝を狙うと共に同校単独最多勝の大記録もかかる。


※三陽勢を破るとしたらどのチームになるのか?


その筆頭は香川勢ではないのか?1年生ながら昨年FJ級10位・2017ワールド(U-17)出場の長谷川真大/藤村龍也(香川・高松商業)が今年は中心になるかと思われたが、石川和歩/白坂京輔(高松商業)が成長、長谷川ペアを上回る成績なのである。この高商2艇に加え、JOCでは三陽勢に続く7位と健闘した鈴木 虹/小松維吹(高松工芸)も含め、この3チームは同じ力を持っているのは間違いないだろう。

JOCの話が出てきたところで上位進出となりそうなのが九州選抜2位・九州予選3位の東 璃矩/深田 光(鹿児島・鹿児島商業)だ。JOCでは12位だったが、九州では常に三陽に続く成績と実に安定している。

また420といえばこの三年間1位-2位-4位と常に上位となっている光(山口)だ。今年は昨年420ワールド(U-17)出場、光ウィーク・中国予選優勝の玉山義規/中田侑成が上位進出を狙う。JOCでは13位だったものの、本番までに仕上げてくることだろう。

ここまで西日本勢が中心であったが、少し東に目を向けると注目したいのが東海勢である。東海予選は2位と敗れたが、びわこウィーク優勝・JOCでも9位と上位の舘 優真/森 隆仁(津工業)にも期待だ。となると東海予選優勝の山田大夢/石川魁人(愛知)も期待できることになるだろう。

びわこウィークといえば近畿勢参加が中心、この大会では清風・芦屋勢が上位だったが、近畿予選で優勝したのは小澤諒真/南野 仁(膳所)であった。和歌山開催での優勝だっただけに自信を深めたことであろう。

そして関東勢である。上位候補としては3年連続出場・昨年16位である関東大会優勝の谷 望/宮内克哉(千葉・稲毛)と昨年9位の国見 有/金光宏志(神奈川・逗子開成)に期待である。この2チームは常に関東では圧倒的上位であり、今回ワールド出場の為不出場となった大石駿水/吉井稀世輝(霞ヶ浦)に肉薄する実力。特に谷ペアは昨年の愛媛国体4位と躍進しており、こちらも注目である。


※【男子420級結論】

上記の文章を読んで頂ければお判りの通り、中村三陽勢が中心なのは言うまでもない。ワンツーが決まってもおかしくない実力であり、同校420級初の栄冠に輝くのか?ここに割って入るとしたら香川勢3チーム・関東勢2チーム・光勢となるだろう。




②【男子レーザーラジアル級展望】 (※30校32艇出場予定)

※圧倒的な強さ!

いよいよ新種目のレーザーラジアル級である。個人種目であることから420級とは違い、予備の選手は存在しない、まさに一人での戦いなのである。果たして初代チャンピオンは誰になるのか?

その筆頭は私が言うまでもないだろう。中学3年から国体三連覇中・ユースワールド2年連続代表・昨年のラジアルユースワールドで日本人史上最高位となった鈴木義弘(山口・光)である。先日のユースワールドではメダル獲得は逃したものの、8位は立派な成績だ。中国予選は軽風域ながら(女子も含め)オールトップとどの風域においても死角は見当たらなく、圧倒しての初代チャンピオンは間違いなさそうだ。

鈴木に対抗できるのはどのチームなのか?その筆頭は近畿勢2チームとなるだろう。愛媛国体2位・JOC5位・近畿予選優勝の西尾拓大(和歌山・桐蔭)と愛媛国体5位・JOC3位・近畿予選2位の水田隆文(大阪・清風)である。両者共に同等の実力なのは間違いなく、鈴木の連勝街道を阻止することが出来るのか?

国体やJOCの成績を重要視するのならば、続くのはJOC7位・愛媛国体3位の桐井航汰(東京・明星学園)となるだろう。関東予選では3位と敗れたが、国体は2年連続入賞と安定した実力であり、メダル獲得を目指す。

その関東予選では桐井を上回り優勝したのは1年生の桔川翔太郎(神奈川・逗子開成)であった。彼は今年の4.7ユースワールドに出場し見事ゴールドフリートに残る健闘、ラジアルでは新参者ながらも関東でもいきなり優勝したように、思わぬ結果をもたらす可能性のある期待の新星である。

ここまで挙げたのはラジアルユースワールドなどの大会を経験している選手ばかりであり、実力的には少し抜けている感がある。
この5人に絡める可能性があるのは、JOC11位・国体9位の松原穂岳(愛知・日進西)や、東海予選で松原を上回り優勝したJOC14位の福田 廉(三重・津工業)、7月末の江の島サマーレガッタで上位と力をつけている白石誉輝(深沢)や、九州予選優勝の御厩夏颯(福岡・中村学園三陽)辺りまでか?


※【男子レーザーラジアル級結論】

世界でも通用する鈴木義弘の初代チャンピオンは間違いないだろう。昨年の国体でもオールトップで優勝したことが実力の差を証明しているといえるのではないだろうか?彼に対し西尾・水田が阻止できるのか?が見所である。




③【女子420級】 (※23校31艇出場予定)

※混戦模様なのか?
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【昨年の女子420級レースシーン】※WSCより

そして女子420級である。過去3大会では宇田川真乃(霞ヶ浦)が二連覇、昨年は長岡叶子(高松商業)が圧勝と実力が抜けていたのが特徴であった。果たして今年はどうなるのか?
実を言うと、このクラスだけが優勝チームがどこになるのかがわからないほど実力が拮抗しており、私は悩んだ。有力チームは考察で述べた通りであるが、優勝チームを占う意味でも、昨年からの流れを振り返ってみることにする。

昨年もインターハイ・国体に出場した選手はやはりアドバンテージがあるように思える。その筆頭は最後のFJチャンピオン・JOC女子最高位の5位である蓮 千鶴/坂巻美桜(茨城・霞ヶ浦)と、愛媛国体で優勝した中山由菜/西分美里(佐賀・唐津西)である。両ペア共にユースワールド代表と実力上位なのは間違いないが、インターハイ予選では敗れているのが不安材料。しかし前年のチャンピオンだ。蓮は二種目制覇、中山はインターハイ・国体制覇の偉業もかかる。

続くは昨年インターハイ4位の長崎工業2艇である。九州選抜優勝・九州予選2位の藤尾万唯華/山添花音と九州予選3位の今村紗栄/米田真尋のツートップは藤尾・今村両スキッパーが交代で出場し、メダルまであと一歩と迫った。特に藤尾ペアは順風域までなら優勝まであると私は見ている。5年ぶりの制覇となるのか?

しかし九州予選で唐津西・長崎工業を上回り優勝したのが桑野 遥/中堀こなみ(大分・別府翔青)であった。先日ヨーロッパ420にも出場した彼女達は大会毎に成長をみせており、インターハイでも実力を発揮できるか?

冒頭に述べた霞ヶ浦勢は昨年11位・JOC6位・ユースワールド代表の青山瑞希/福田桃奈も期待のチームであるが、関東予選では蓮ペア同様に敗れてしまっているが、強風域ならJOCで圧倒したように蓮ペアと共にワンツー達成の可能性は十分にある。

その関東予選で霞ヶ浦勢を上回り優勝したのが、岩崎祐奈/和田 萌(千葉・磯辺)であった。このペアも調子に乗れば上位進出の可能性があるチームであろう。

そして今年の春から各種大会で目立っているのが半田(愛知)勢である。東海予選でもワンツーを決めた山本 茜/和田桃佳と篠倉なつみ/井口七海この2艇だ。和田・篠倉は昨年のインターハイではクルーで出場しており9位と経験もある。びわこや蒲郡の大会をみてもどの風域でも通用するのは間違いあるまい。混戦ならば一気に頂点の可能性もあるのではないだろうか?

また中四国勢も風域によっては侮れない。昨年の420ワールド出場・光ウィーク準優勝の小林愛実/黒瀬南海(岡山・倉敷鷲羽)や、同大会4位の夛田晴香/林 千華(香川・高松商業)が上位候補か?

また女子といえば岩手勢が強いが、宮古・宮古商業ともに今年は遠征しておらず実力を測りかねるが、決して侮れないのではないのか?


※【女子420級結論】

今年の女子420は力が拮抗しており、どのチームが優勝するのか?はレースをやってみないとわからないというのが私の結論だ。ポイントは各水域予選後にどこまで成長しているのか?またコンディションが大きく左右するように思われる。

水域予選では敗れたが、実力からいったら蓮、中山の力は抜けているはずである。特に中山は昨年のチャンピオン長岡を国体で破ったのであり、あとはコンビネーションの問題だけか?逆転候補は藤尾ペア、山本ペアが有力か?





④【女子レーザーラジアル級】 (※23校24艇出場予定)

※ワールド経験者による優勝争い

女子レーザーラジアル級の初代チャンピオンは誰になるのか?男子同様見極める為には重要なのがやはり国体とJOCになるだろう。出場メンバーの中で昨年の国体最高位だったのは3位の須田英実子(滋賀・膳所)である。彼女は2年連続4.7ユースワールド代表であり、今年も十分に健闘した。

そして昨年の国体では2年連続となる入賞・JOC最上位・ユースワールド代表の三浦凪沙(静岡・湖西)だ。順当ならばこの2人による優勝争いは間違いないだろう。

この二人に続く上位候補は、中学生から国体出場し一昨年の岩手国体で6位入賞した松尾 華(広島・広島修道大附鈴峯女子)や、中国予選で松尾を上回った新鋭・小菅 楓(広島・広島国奉寺)や近藤佑香(山口・聖光)、JOCでも健闘、四国予選優勝の石田穂之香(香川・高松商業)、九州予選優勝の鈴木杏依子(宮崎・日南振徳)までか?


※【女子レーザーラジアル級結論】

こちらも改めて言うまでもないが、三浦・須田の優勝争いは間違いないだろう。順風域までなら互角、強風域となった場合は三浦が圧倒すると思われる。以下は少しレベルに差があるのではないのか?メダル争いは混戦である。




⑤【男女コンバインド競技展望】

最後に今年から採用された一番の目玉であるコンバインド競技だ。男女420・ラジアル共に個人戦の性格が強いのに対し、これは団体総合であり、デュエット時代もそうだったように学校対抗としての性格が強いため、学校側からも評価されることから、上位を狙っているチームが多いに違いない。男女共に初代チャンピオンはどのチームになるのか?

※コンバインド上位候補校と順位得点一覧
コンバインド

上記の表を見ていただければお判りの通り、順位得点を比較すると420級優勝とラジアル優勝とでは16点、女子でも7点の差がある。従って420級2艇出場しているチームが有利なのは一目瞭然である。

※男女共に印をつけて解説してみたい。

※【男子コンバインド結論】

◎中村学園三陽(福岡)
○高松商業(香川)
▲逗子開成(神奈川)
△光(山口)
△津工業(三重)
△清風(大阪)

※420級で2艇参加は12校。この中で筆頭はワンツーの可能性もある中村三陽が初代チャンピオンに輝くのは濃厚であり、他チームが優勝するのはかなり苦しいように思える。逆転候補をあえて挙げていくなら、風域を味方につけた場合の高松商業や、両クラス特にラジアルの上位候補が存在する逗子開成・光・津工業・清風辺りまでのメダル争いが濃厚である。但し420の2番艇が頑張った場合(ラジアル優勝の得点より上の点数を取った場合)は、よりメダルに近づくことだろう。

※【女子コンバインド結論】

◎長崎工業(長崎)
○霞ヶ浦(茨城)
▲半田(愛知)
△高松商業(香川)
△別府翔青(大分)
△唐津西(佐賀)
注宮古商業(岩手)

※女子420級は混戦模様であるが、2艇上位を目指せるチームとなるとかなり限定される。優勝争いは長崎工業と霞ヶ浦となりそうである。キーポイントとなりそうなのはコンディションであり、順風域までなら長崎工業、強風域なら霞ヶ浦と私はみており、本番は順風域までの可能性が高いことから、長崎を本命とさせて頂いた。この2校を破るとしたら勢いのある半田が筆頭、高松商業・別府翔青は2番艇次第、唐津西はラジアルとの合計になるが入賞は堅いだろう。


※新生インターハイは新種目を含め、話題が多く興味が尽きない。今年も良き戦いになるのは間違いないだろう。全力を尽くし是非とも各自の目標を達成できるよう頑張って頂きたい。


諸君の健闘を祈る!


以上



※【関連リンク】

※インターハイヨット競技特設サイト(和歌山SC)

※インハイTV(ライブ中継)

※スマホでヨットレース(レース展開はこちらがよりお判りいただけます)