2017-08-22 20:00 | カテゴリ:インターハイ・FJ・420
インターハイが終了したのも束の間、420級戦線は来年へ向け、早くも戦いが始まった。2017~2018年シーズン最初のビッグレース第30回全日本420級選手権大会&女子選手権&第3回U-17選手権が、鳥取・境港公共マリーナで開催され、全10レースを消化し、決着した。

今年の全日本は、420級ワールド(豪・フリーマントル)最終選考を兼ねると共に、来年の2018ワールド(米・ニューポート)へ向けての最初の権利争いとしても、重要な大会となった。
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【境港にしては穏やかなシリーズだったか?】 ※鳥取県連より

レースは、7月葉山全日本FJに続き、本多佑基/上田健登(中村学園三陽)が、貫禄のレースをみせ、FJ・420全日本ダブルタイトルに輝いた。

※入賞チームは以下の通りである。



※【最終成績】 (44艇参加)
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【後続を大きく離した本多/上田ペア(中村学園三陽) 格が違った】

①本多 佑基/上田 健登   (中村学園三陽)
22点(2-6-1-5-1-(13)-1-(BFD)-1-5)
②大石 駿水/吉井 稀世輝  (霞ヶ浦)  ※U-17優勝・ワールド出場権獲得  
44点(1-2-5-4-4-2-15-(BFD)-11-(29))
③谷口 龍帆/伊藤 百矢   (津工業)  ※ワールド出場権獲得(OPEN)   
45点(6-7-2-(21)-2-3-14-(BFD)-3-8)
④玉山 義規/内貴 航路朗  (山口県連) ※U-17 2位(JOCで獲得済) 
47点(5-(15)-11-2-6-5-12-2-4-(16))
⑤長谷川 真大/石川 和歩  (香川県連) ※U-17 3位・ワールド出場権獲得  
51点(4-(18)-4-8-10-6-5-3-(16)-11)
⑥日野 ひより/福田 ゆい  (鳥取県連) ※女子優勝(ワールドは辞退)  
54点(3-3-10-(20)-(39)-18-11-5-2-2)

※本多/上田の圧勝に終わったが、FJ・420両全日本を勝った選手は他にはいないだろう。おそらく最初で最後のダブルタイトルホルダーとなったのではないのか?

しかし、今大会目立ったのはやはり下級生の活躍だろう。関東大会でも良いレースをみせた大石/吉井(霞ヶ浦)や、インターハイFJ級10位の長谷川/石川(香川県連)、既にワールド権利を獲得している玉山/内貴(山口県連)の新たな強力チームが出てきたことは非常に頼もしく、来年へ向けても活躍を期待したい。



※【最終成績表】

2017 420全日本最終成績

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2017-08-21 20:30 | カテゴリ:インターハイ・FJ・420
⑤【女子FJ級総括】
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【女子FJ級スタート風景、女子は12回大会から採用され、46年の歴史に幕を閉じた】※高体連より

最後の女子FJ級覇者はどこになるのか?展望でも述べた通り、各種大会で目立った活躍をしたチームが激突した。どのような結果になったのか?まずはレース推移をご覧頂くことにする。



※【レース推移】

※8/13(木) 天気・晴れ 最高気温33℃ 風向35~310° 風速5~7m/sec

レース初日、女子420級同様3レース成立した中で、2-1-2の5点で首位に立ったのが優勝候補筆頭の蓮 千鶴 /鈴木せいら(霞ヶ浦)であった。続いたのは、3-3-1の7点で昨年7位・稲毛ウィーク総合優勝の工藤紗弥/三浦 ありさ(宮古商業)が2位に付け、6-2-3の11点で近畿優勝の秋岡なおみ/松家瑞歩(芦屋)が3位スタート。

ところがこちらも優勝候補の一角、初日第①レースでトップフィニッシュした村川麻耶/米崎莉花(高松商業)は、第②レースで10位フィニッシュとなってしまうも、それでも1-10-4の15点で4位スタート。以下、長崎工業-海津明誠が続いた。

※予想通り、優勝候補がずらりと並んだ初日であった。


※8/14(金) 天気・晴れ 最高気温33℃ 風向285~310° 風速4~3m/sec

この日軽風域ながらも2レース成立。初日暫定首位の蓮/鈴木(霞ヶ浦)は堅調にレースを進め、2-1のトータル6点と首位をキープ。暫定2位の工藤/三浦(宮古商業)も2-6のトータル9点とまずまずのレースを見せ、首位とは3点差の2位キープ。暫定3位の秋岡/松家(芦屋)も7-4のトータル15点で3位キープとなる。

しかし暫定4位スタートの村川/米崎(高松商業)は14-1の16点と2度目の二桁順位で優勝戦線から脱落。また川口/吉田(長崎工業)はこの日3-3のトータル16点と高商と同点の4位に上がってくる。以下、海津明誠-宮古-磯辺の順になる。

※霞ヶ浦・宮古商業は安定しており、明日にも順位が決定してしまいそうな情勢。


※8/15(土) 天気・晴れ 最高気温31℃ 風向205° 風速5m/sec

この日は1レース成立。第⑥レースで優勝は決まってしまうのか?その一点に注目が集まる。その中で暫定首位の蓮/鈴木(霞ヶ浦)は宮古商業との争いを制し、3度目のトップフィニッシュで最終レースを残し、優勝確定。2位フィニッシュの宮古商業も準優勝確定となる。

焦点はメダル争いに移る。このレース高商-長崎工業-芦屋が3~5位フィニッシュとなり、トータルでは高商・長崎工業が同点、1点差で芦屋と3校の最終決戦となる。


※8/16(日) 天気・晴れ 最高気温34℃ 風向285° 風速2~3m/sec

3位メダル争いに注目が集まった最終第⑦レース。3チームの中で高松商業のスタートは優勢。長崎工業は不利サイドから出て非常に苦しい。また芦屋も高商の下で牽制されスタートは遅れるも、第①マークでは芦屋6番手、高商8番手と芦屋優勢。長崎工業は大きく遅れ、メダル争いからは脱落となる。

1下までには高商が芦屋を逆転し、そのまま守り、高商がメダル獲得、長崎工業-芦屋-海津明誠の順でレースは終了した。


※霞ヶ浦・宮古商業が安定したレースを展開し、霞ヶ浦が最後の女子覇者となったレースであったが、入賞校の顔ぶれと寸評を述べてみることにしよう。



※インターハイ優勝10回の大台に乗せる!
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【完勝!霞ヶ浦女子僅か3年で4勝目!優勝した蓮/鈴木ペア(霞ヶ浦)】

昨年、このクラスで連覇が濃厚だった同校は、新チームとなってからも勢いが続いていた。優勝した蓮 千鶴/鈴木せいらは、トップフィニッシュ4回を含む、最低順位は2位とこちらも危なげない勝利で、最後の覇者となった。

クルーの鈴木は、横浜市民ジュニアの出身。母・あづさの影響でヨットを始める。昨年も出場し、優勝に王手がかかった第⑥レースのフィニッシュ直前で、自身のパンピングでペナルティーをとられ、そこから大きく流れが変わり、準優勝と悔しい思いをした。優勝を決めた第⑥レース後に感動のあまり涙をみせていたが、昨年の失敗や、苦しい練習に耐えたからこその涙であったのではないのか?

彼女の母親・あづさは、我々の世代では有名な美人セイラー。実力はあったが、出場したくてもできなかったインターハイを娘に経験させたいと、何度も口にしていた。そして念願が叶い、さらには優勝をも手にしたことは、まさに感無量であろう。

スキッパーの蓮は2年生であり、OP時代にはヨーロッパ選手権に出場。そして同校の門を叩く。明るい性格で先輩の鈴木を牽引する存在。昨年から同クラスに乗り始めてから、好成績を連発。私が今回の優勝を確信したのは、やはり葉山全日本だった。あの強風の中で4位入賞できるのは只者ではない、そう感じたものだ。今回も得意のフリーレグで冴え渡り、圧倒した。

来年は420に乗るのか?またはシングルなのか?はまだ未定であるが、いずれにせよ注目の選手が誕生したのは間違いないだろう。

現在女子の強豪となった霞ヶ浦はこの3年間で一気に5勝を積み上げ、大台の10勝に到達した。ここ数年、他都道府県から同校の門を叩いた齊藤由莉・宇田川真乃・仲 美南、そして今年優勝した蜂須賀晋之介・鈴木せいら・蓮 千鶴全員がインターハイ優勝となった。厳しい練習を通じ、改めて凄い集団になったし、来年以降も目が離せない存在になったことは間違いない。

※優勝おめでとう!



※力は出し切った準優勝!
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【初日の3レースは霞ヶ浦と接戦を演じた準優勝の工藤/三浦ペア(宮古商業)】

2年生で出場した昨年は、トップフィニッシュがあったものの惜しくも7位、今年は稲毛ウィークで男子を蹴散らし総合優勝と今大会でも優勝候補の一角であった工藤紗弥/三浦ありさ(宮古商業)は、霞ヶ浦には及ばなかったが、競る場面も多く、最終レースを残し準優勝を確定させたことは、前評判どおりの強さではなかったのか?

一昨年は男子が3位入賞であり、女子では2013年唐津大会デュエット準優勝以来の表彰台となった。



※完全制覇は逃したが立派な3位入賞!
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【第①レーストップフィニッシュ!3位の村川/米崎ペア(高松商業)】

唐津JOCで二度の英語がありながらも6位入賞。今大会も優勝候補の一角であり、トライアルから爆走した村川麻耶/米崎莉花(高松商業)は、トップフィニッシュが2度ありながらも、二桁順位も2度叩いてしまう。しかし最終レースでメダル争いに勝利し、見事メダルを獲得した。

今年の高商女子FJは、実力がほぼ同等の島原夏音/杉山友里華もおり、四国大会では交代で出場し、2チームでオールトップで優勝した。従って、この大会ではどちらを出場させるかについて、樋上聡史監督は迷ったことだろう。しかしながら爆発力高い村川/米崎を選択し、この采配は見事的中した。島原/杉山は出場できなかったが、このメダルはいわば4人で切磋琢磨した結果なのだと私にはそう感じるのであった。



※420とダブル入賞!
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【惜しくも4位入賞の川口/吉田ペア(長崎工業)】 

強風下の九州大会で初日痛恨の沈をしてしまい、ギリギリの通過となってしまった川口莉子/吉田鈴奈(長崎工業)は、今大会最後までメダル争いを展開し、スタートから勝負したが、裏目に出てしまい惜しくも4位となってしまう。しかしこの成績は健闘だろう。葉山全日本をみてもここまで上位にくるとは私自身も思っていなかった。この後にスロベニアFJワールドに出場し、何かを得たことも大きかったのではないのか?

同校は両クラスで入賞し、完全復活まであと一歩のところまできた。特に来年は新種目コンバインド(団体総合)も狙える位置まで来ていることは間違いないだろう。



※メダルは逃すも同校女子初の入賞!
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【実力は出し切った5位入賞の秋岡/松家ペア(芦屋)】

近畿大会では男子を上回る成績で優勝し、上位候補として名乗りを挙げた秋岡なおみ/松家瑞歩(芦屋)だったが、葉山全日本でも健闘し、今大会こちらも評判通り、最後の最後までメダル争いを展開。惜しくもメダル獲得は逃したものの、5位入賞を果たした。おそらく女子では初の入賞なのではないのか?

高商と同様にこのチームにももう1チーム存在し、出場できなかった森重新那/井上笑里との熾烈なライバル争いがあったからこそ、初入賞に繋がったのではないのか?そう思えてならない。



※入賞争いを制す!
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【最後も3位フィニッシュで6位入賞!加治木/堀田ペア(海津明誠)】 

東海大会ではパーフェクト優勝し、こちらも注目だった加治木まなつ/堀田瑠央(海津明誠)は、中盤にメダル争いからは脱落してしまったが、追い上げてきた磯辺を振り切り、FJ級では2014年江の島大会以来の6位入賞を果たした。

今年は同校はこれで2種目共に入賞し、実に安定している成績である。同校は普段平日は周囲1kmのこぎろ池で練習しているのはあまりにも有名であり、この池から、今年までにインターハイ最多勝の記録を生んだ背景を私に近いOGから聞いた所、基本を徹底していることと、権利の主張を積極的に行っていることと聞いた。これを聞いた時なるほどと思った。確かに混戦になったときは、こういうことが生きてくるのである。

近年では見所ある選手が毎年活躍しており、来年以降も楽しみである。


※最後の女子FJ級は霞ヶ浦が制し、50年に亘って活躍してきたクラスが消えることは寂しいことだが、まだまだ練習艇としての役割は残っている。特にヨットを高校から始める選手の為にも、大事に乗って頂く事を願っている。



※【勝手に男子総合成績】

①中村学園三陽 (福岡)   49点
②清風     (大阪)   50点
③光      (山口)   65点
④霞ヶ浦    (茨城)   78点
⑤逗子開成   (神奈川) 122点
⑥慶應義塾   (神奈川) 131点  

※【勝手に女子総合成績】

①高松商業   (香川)   30点
②海津明誠   (岐阜)   58点
③長崎工業   (長崎)   58点
④霞ヶ浦    (茨城)   74点
⑤宮古     (岩手)   74点
⑥芦屋     (兵庫)   97点

※男女両クラス共にメダルを獲得した中村学園三陽・高松商業が今年の学校別№1であった。




※来年以降のレギュレーションについて

FJ級最後となった第58回大会は無事幕を閉じ、早くも来年へ向けての戦いが始まっている。気になるのが来年以降のレギュレーションについてである。まずは種目をご覧頂くことにする。

①種目変更について
種目

※第59回大会からは以上の競技方式に変更される。大きく変わったところは今まで団体競技扱いの種目しかなかったが、個人種目のレーザーラジアル級が導入される。さらには以前のデュエット競技に似たコンバインド競技(団体総合)も導入される。

もちろん420級・レーザーラジアル級共に普通に競技することには変わりがない。

※但し、個人競技のレーザーラジアル級の表彰は、賞状のみの授与となる。


②各水域枠数(59・60回大会)
枠数

※各校420級・レーザーラジアル級共に(予選を通過すれば)最大2艇ずつ計4艇出場することができる。


③新種目コンバインド競技(団体総合)について

以前のデュエット競技に似ている新しい種目であるが、2艇の合計得点で争われるのは以前と一緒なのだが、以下いずれかの組み合わせでも可能である。

・420級2艇
・420級1艇とレーザーラジアル級1艇
・レーザーラジアル2艇

となる。しかし得点方式が大きく変更される。デュエットはそのまま競技得点を採用してきたが、コンバインド競技は順位得点に変更される。具体的に挙げると?

・男子420級  1位47点・2位46点・3位45点・・・・・・・・47位1点
・男子L.R級  1位32点・2位31点・3位30点・・・・・・・・32位1点
・女子420級  1位32点・2位31点・3位30点・・・・・・・・32位1点
・女子L.R級  1位23点・2位22点・3位21点・・・・・・・・23位1点

となる。

【例】A校男子チームが4艇出場し、420級1位と20位、L.R級1位と10位になった場合

・420級が47点と28点、L.R級が32点と23点となり、この中で多い得点は47と32になり合計80点がA校男子の得点となる。そして大きい得点から順位が決定することになる。


④特徴

・競技得点をみれば420級2艇で勝負するのが最も有利である。
・2艇以上が有利なのは当然だが、1艇のみでも上位に絡める可能性はある。

となるが、お判り頂けただろうか?


レーザーラジアルが導入されることにより大きく変わる所は、高体連に加盟していない選手が、容易に参加できるようになることではないのか?もちろん以前からダブルハンドでも可能だったが、人数の問題、費用の問題もあり困難であったが、シングルハンドならそれほどでもないことから、新規参入の高校も大きく増えると思われる。(神奈川では既に新規2校参加表明している)

全国的にみれば関東水域が大幅に変わるだろう。当ブログでも言ってきたが、特に東京・神奈川はインターハイへ出場できないユース選手が多く、その選手たちにも門戸が開かれたことにより、様変わりするだろう。

国体の上位選手はユース選手が多く、既存のチームはまず太刀打ちできないだろう。従って既存のチームは420級2艇の通過を目指し、コンバインド競技の上位を目指すことになるのではないだろうか?


※今年も見応えがあり、素晴らしい大会となったことは間違いないだろう。来年は大幅に変わるインターハイに今から楽しみである。是非とも下級生は和歌山を目指し、一生懸命練習して欲しい。



以上

2017-08-21 13:00 | カテゴリ:インターハイ・FJ・420
④【女子420級総括】
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【女子420級リーチングの攻防】 ※BHMより

このクラスでは過去2大会共に、宇田川真乃(霞ヶ浦)がいきなり連覇を達成したが、彼女は卒業し、新女王はどのチームになるのか?に興味が集まったが、いざ始まってみれば記録にも残る、とてつもないチームが現れた。

※さっそくレース推移をご覧頂くことにする。



※【レース推移】

※8/13(木) 天気・晴れ 最高気温33℃ 風向35~310° 風速5~7m/sec

今年も女子種目からレースが始まったが、今年は過去2大会に比べ風速も申し分なく、絶好のコンディションで3レースが成立する。

いきなり3連続トップフィニッシュの滑り出しとなったのは、昨年5位であり優勝候補筆頭の長岡叶子/森 七海(高松商業)だった。2-5-2の9点で続いたのは加藤凡尋/北林風花(海津明誠)、そして6-8-3の17点の田中真琴/加藤美久(宮古)この3チームのみがオールシングルであり、以下長崎工業-羽咋工業-日南振徳が続いた。

※どちらかといえば強風が不得手の長岡/森が快走し、圧倒的優勢なのか?


※8/14(金) 天気・晴れ 最高気温33℃ 風向285~310° 風速4~3m/sec

昨日の強風から一転、予想通り軽風域となった2日目は、女子は2レース成立。カットが入る重要な局面で、暫定首位の長岡/森(高松商業)は、得意の軽風域でも実力を発揮し、第④・⑤レース共にトップフィニッシュとギャラリーを沸かせる。

初日2位スタートだった加藤/北林(海津明誠)も3-4の好レースをみせたものの、高商とは既に7点差。そして3位には初日失格してしまった中山由菜/鶴田希生(唐津西)が4-2と好走し、一気に上がってくる。以下、日南振徳-宮古-長崎工業が続いた。

※長岡/森の5連続トップフィニッシュとなり、明日にも優勝が決まりそうな情勢。2位の加藤/北林も抜けており、早くもこの二チームのメダルはほぼ確定。残る3位メダル争いは熾烈であり、そこにも注目が集まることになる。


※8/15(土) 天気・晴れ 最高気温31℃ 風向205° 風速5m/sec

この日1レース成立。ここまで5連続トップの長岡/森(高松商業)が最終レースを残し、優勝を決めるのか?その一点に注目だったが、彼女達はその期待に応え、またしてもトップフィニッシュ。2位海津明誠はカット順位となってしまい、優勝が確定する。その海津もほぼメダルは確定。昨日3位に上がってきた中山/鶴田(唐津西)は優勢と思われたが、このレース13位と3位をキープしたが、2位フィニッシュした長崎工業や3位フィニッシュの宮古も迫り、メダル争いが熾烈となる。


※8/16(日) 天気・晴れ 最高気温34℃ 風向285° 風速2~3m/sec

1・2位がほぼ決定し、注目は3位争いに絞られた最終第⑦レース。宮古・唐津西・長崎工業はそれぞれスタートでは出遅れたが、宮古がうまいコース取りで2番手回航、長崎工業が5番手回航、唐津西が8番手回航と宮古が優勢。ところが、2上で長崎工業が宮古を逆転し、2番手まで上がってくる。唐津西は大きく遅れ、メダル争いから脱落。宮古は4番手回航となり、このままいけば宮古が1点差で長崎工業を上回るも、順位を落とせば長崎工業が逆転する重要な局面で、宮古は耐える。そのままの順位でフィニッシュし、宮古が3位メダル獲得、以下-長崎工業-唐津西-日南振徳が入賞し、レースは終了した。

※予想以上の圧勝劇だった女子420級、入賞校の顔ぶれと寸評を述べてみることにしよう。



※圧巻のパーフェクト優勝!
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【420級新女王誕生!優勝した長岡/森ペア(高松商業)】 

昨年、2年生で出場し5位入賞となった長岡叶子/森 七海(高松商業)は、上記に述べた通り今大会の注目を独り占め、見事栄冠を手にした。

「インターハイヨットでパーフェクト優勝した選手は過去に存在したのか?」と話題に上るほど今大会注目の的であった。(※7レース制となってからは間違いなく初の快挙)

勝因は苦手な強風域の初日をオールトップでフィニッシュできたことではなかったのか?全く危なげないレース展開は、文句なしの強さであった。同校は近年、上位戦線には絡んでくるものの、意外にも優勝とは縁がなく、この優勝は36年ぶりとなった。

またこの勝利は香川勢にとって大きな意味のある優勝だと私は考える。というのはスキッパーの長岡は、地元ジュニアチーム・高松海洋クラブの出身であり、同クラブから初めての優勝者を輩出することになったからなのだ。元々高校生から始めても、昨年高松高が女子FJ級で優勝したように、強い選手が出てくる香川勢にあって、まさに香川王国完全復活と言っても過言でないだろう。

クルーの森は高校からヨットを始めるも、コース取りなど長岡からも絶大なる信頼を得るほどの選手であり、まさに抜群のチームワークによる勝利だったのではないのか?

続く愛媛国体ではおそらく軽風域のコンディションになることが予想され、まさに彼女達の得意風域であり、二冠達成の可能性はかなり高いのではないのか?

※見事なレースであった、優勝おめでとう!



※2015年に続く準優勝!
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【同校420級2年ぶりの入賞!加藤/北林ペア(海津明誠)】 ※BHMより

序盤から安定した順位で推移し、準優勝となった加藤凡尋/北林風花(海津明誠)だったが、高商があまりにも強すぎたため、霞んだ存在になってしまったが、3位とは大きく離し、見事な準優勝ではなかったのか?

クルーの北林は昨年のユースワールド代表、今年は加藤とコンビを組み、東海大会では準優勝と正直ここまで来るとは私は思っていなかったが、本番までにレベルアップしたのは間違いないのでは?

国体では高商を逆転できるのか?に注目が集まるだろう。注目したい。



※女子420級でもメダル獲得!
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【最終決戦でメダル獲得!田中/加藤ペア(宮古)】

昨年も2年生でインターハイに出場し10位、熾烈な3位争いを制したのは、田中真琴/加藤美久(宮古)であった。スコアは安定していたが、唐津西・長崎工業に迫られ苦しい展開だったが、最終第⑦レースで勝負強さをみせる。あわや長崎工業に逆転されそうにはなったが、見事耐え堂々たるメダル獲得ではなかったのか?

ここ10年、同校女子は強豪の九州勢の中に割ってはいるほどの成績であり、震災後も2013年ソロ3位・デュエット優勝、2014年はソロ優勝、デュエット準優勝に続く3位入賞である。同校の練習は駒井コーチの厳しい指導で有名だが、昨年から今年にかけては、高体連以外のレースは若洲全日本420のみで他は出場していない。ほぼ練習のみでもこれだけの成績を残せるのだから見事である。来年以降もどのような選手が出てくるのか?興味を抱かずにはいられない。



※復活なのか?
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【力は出し切った!4位入賞の藤尾/今村ペア(長崎工業)】 

「2013年ソロ優勝以来のメダル獲得なのか?」と思われたが、惜しくも4位入賞となった藤尾万唯華/今村瑠菜(長崎工業)ペア。メダルは獲得できなかったが、最終レースの奮闘をみれば、力は出し切れたのではないのか?

同校は以前女子では強豪校の位置づけだったが、2014年地元長崎国体以降、歯車が狂い始めていた。一昨年2015年は両クラス予選落ちと最大の屈辱を味わうも、徐々に復活。今年は420級でも初進出で4位入賞と躍進した。最近では三嶋監督のサポートにインターハイ優勝経験を始め、女子インカレでも優勝した松下 結(関西学院大OG)や山口祥世(早稲田大OG)も指導していると聞いている。その効果は現れているのではないのか?

さらにはスキッパーの藤尾は2年生であり、来年は間違いなく優勝戦線の一角として活躍するのは間違いないだろう。



※2012年以来の入賞!
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【来年こそは優勝!5位入賞の中山/鶴田ペア(唐津西)】

こちらも長崎工業と同様、九州復活の一角として注目され、九州大会優勝の中山由菜/鶴田希生(唐津西)は、前半・中盤戦共に失格こそあったものの、メダル獲得は最も近い位置にあったが、残り2レースで2度の二桁順位で5位入賞にとどまった。若干軽風域が苦手なのか?レースプランを含め、改善の余地がまだまだあるように思われる。

しかし中山は今年のユースワールド代表であり、まだ2年生。レースの経験を積み、そして成長して来年こそは優勝戦線に必ずや絡んでくるだろう。



※昨年に続き6位入賞!
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【同校2年連続入賞!門川/鈴木ペア(日南振徳)】 

中盤まではまずまずのレースをみせ、同校女子初のメダル獲得なのか?と期待させた門川亜朱茄/鈴木杏依子(日南振徳)だったが、第⑥レースで2度目の二桁順位を叩き、メダル獲得の夢は潰えた。

しかしながら2年連続の6位入賞となり、来年以降も九州勢の一角としても、無視できない存在でなくなったのは間違いあるまい。


※高商の強さが目立った女子420級であったが、長崎工業や唐津西は2年生スキッパーで入賞と、来年は九州王国復活も見えてきた今大会であったのではないのか?


※女子FJ級へ続く


2017-08-19 18:30 | カテゴリ:インターハイ・FJ・420
③【男子FJ級総括】
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【FJ級の昔はトラピーズ艇ではなく、ハイクアウトだったんですよ?】※高体連より

50年間続いたこのクラスもついに種目から外れるが、最後の優勝チームはどこになるのか?に注目されたが、予想通り力のあるチームを中心にレースが展開された。

※こちらもどのように推移したのか?早速振り返ってみることにする。



※【レース推移】

※8/13(木) 天気・晴れ 最高気温33℃ 風向330~310° 風速5~7m/sec

420級と同様、初日は良い風で3レース実施された中で、展望で述べた上位チームが順調な滑り出しを見せる。初日首位に立ったのは、3-2-2の7点で九州大会優勝の深江哲平/中村海一(日南振徳)であった。1-4-5の10点で続いたのは、420級ランキングトップの藤原達人/平井徳輝(清風)、インターハイ最多勝を狙う中村学園三陽は予想通り石川 航/倉地紘平が登場し、7-1-6の14点3位とまずまずのスタート。

以上オールシングルで発進した3チームだったが、早くも他チームは二桁順位を叩くなど苦しい状況となってしまう初日であった。


※8/14(金) 天気・晴れ 最高気温33℃ 風向280° 風速4m/sec

この日の男子は1レース成立。軽風域の難しいコンディションながら、上位3チームは無難にまとめ、清風と日南がトータル16点の同点首位。僅か1点差で三陽が続く。4位以下は逗子開成-芦屋-宮古商業と続いているものの、大きい順位が目立ち、どんどん離されていく。
また優勝候補の一角であった光・高松工芸は審問で失格し、優勝戦線からは脱落してしまった。


※8/15(土) 天気・晴れ 最高気温31℃ 風向205~210° 風速5~7m/sec

この日爆発したのが、前日失格した松本 諒/森江勇哉(高松工芸)であった。圧巻の1-1でカット後5位まで浮上、同じく失格した小泉凱皇/河村 諒(光)も4位浮上となるも、上位陣のスコアは崩さない。日南が5-2でトータル14点で暫定首位、3点差で清風、4点差で三陽が続き、最終レースを残しこの3チームのメダルは確定する。


※8/16(日) 天気・晴れ 最高気温34℃ 風向305° 風速2~3m/sec

メダルが確定した3チームだったが、優勝はどこになるのか?最終決戦となった第⑦レース。清風・三陽はまずまずのスタート、ところが首位の日南は、スタートで大きく出遅れ、厳しいレースとなってしまう。この時点で逆転の目が出てきた三陽は1マーク2番手回航、そして清風が4番手、日南は13番手とこの時点で三陽が逆転。清風は三陽を抜かない限り優勝はなく、日南は最低でも5位まで上げなくては優勝はない。

息詰まる攻防の中、三陽は2位を死守、清風は3位フィニッシュとなりトータル同点。タイを解消した結果、三陽が優勝、清風が準優勝、日南が3位となる。以下このレースでもトップフィニッシュとなった高松工芸が4位、以下光-宮古商業となり、レースは終了した。

※420級と同様、FJ級最後に相応しい熱い攻防だったが、入賞校の顔ぶれと寸評を述べるとしよう。



※FJ級最後もやはりこのチーム、インターハイ最多勝タイ記録に並ぶ!
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【FJ級17勝!接戦を制した石川/倉地ペア】 ※高体連より

2014年江の島インターハイデュエットの最後も、そして今大会FJ級のフィナーレも中村学園三陽が締めくくった。今回最多勝へ向け、託されたのが予想通り、石川 航/倉地紘平だった。しかし先日の葉山全日本とは違い、ライバルも奮闘し、苦しい立ち上がりだった。しかし420級の本多/上田同様最後まで諦めなかった。必死にレースを進め、同点ながら昨年に続き、連覇を達成した。

石川は420級覇者の蜂須賀と同じなごやヨットクラブ出身で、三陽の門を叩く。倉地は高校からヨットを始め、クルーワークも抜群である。

これでインターハイ優勝は唐津西・海津明誠の17勝に並び、タイ記録を達成。そして2003年から続いている連続3位以内の記録を15に伸ばした。本当に凄いとしか言いようがない大記録だ。

三陽の特徴はどの艇種でも、またどのペアとでも乗れるよう鍛えられている。それは先日の葉山全日本でも明らかだ。そして調子が良い選手が選ばれ、レギュラーとなるのだ。今回の石川/倉地も過去に1度しかペアを組んだことがない。そして出場できなかった選手の分まで頑張るのだ。2014年のデュエット勝利も組織力の勝利であったが、今回もそれ以上のチームワークではなかったのではないだろうか?

今年に入り、北方貴紀監督と共に長きに渡り、同校ヨット部を陰でサポートしてきた顧問の廣瀬浩人教諭がお亡くなりになられた。この最多勝タイ記録樹立は先生に捧げる勝利であるし、きっと天国で喜んでいるに違いないと思う。

※優勝おめでとう!



※乗り慣れない艇種で準優勝!
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【惜しくも準優勝!藤原/平井ペア(清風)】

420級ランキングトップの藤原達人/平井徳輝(清風)が、このクラスに回り三陽と同点準優勝となってしまったものの、自身初のメダルを獲得した。彼は兵庫ジュニア時代から420級の西村とは良いライバル関係。しかし西村の方が先にOPワールドに出場するなど、2番手のイメージが強かった。しかし翌年は西村を蹴落とし、自身もワールド代表になった努力家である。

高校に入ってからも西村が昨年インターハイチャンピオンとなったが、今年のランキングは藤原が上位と互いに切磋琢磨してきた。もちろん420ワールドにも出場が決定しており、是非とも頑張って頂きたいと思う。



※初優勝を逃すも大健闘の3位!
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【同校久しぶりのメダル獲得!深江/中村ペア(日南振徳)】

九州大会では三陽を破り優勝。今大会は終始シリーズをリードした深江哲平/中村海一(日南振徳)だったが、最終レースのスタートで大きく出遅れ、同校悲願の初優勝とはならなかったが、メダル獲得は大健闘だったのではないだろうか?

同校の監督は大学時代に国体470級で優勝経験もある平島 昇教諭であり、昨年も女子420級6位入賞と力をつけているチームなのである。同校のメダル獲得は日南工業時代、平成5年(1993)土浦大会デュエット以来24年ぶりであり、今後も期待できるのではないのか?



※第①レースの失敗が・・・
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【国体では期待!松本/森江ペア(高松工芸)】

今大会このクラスで重要な位置を占めていたのが、松本 諒 /森江勇哉(高松工芸)だった。いきなりオープニングレースでその片鱗をみせる。ところがトップ回航した最終マークで、沈してしまう痛恨のミス。さらには第④レースでも失格となってしまい、優勝戦線から脱落。しかし残り3レースは全てトップフィニッシュと4位まで浮上したのは見事だったのではないか?

第①レースがトップだったら・・・と思うと残念でならないが、愛媛国体では420級で出場予定である。得意風域が生かせる海面であることから、是非とも大暴れして欲しいと思うのである。



※失格が痛かったか?
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【ユースワールドに期待!5位入賞の小泉/河村ペア(光)】 ※BHMより

唐津JOCでは蜂須賀に続く日本勢2位であり、インターハイではFJ級に挑戦した小泉凱皇/河村 諒(光)だったが、序盤まずまずの立ち上がりだったが、第④レースでの失格が大きく響いてしまった。しかしそれでも5位入賞と力は見せつけられたのではないのか?

小泉には偉大な2人の兄(颯作・国体SS級優勝、維吹・インターハイ・国体連覇など)と比較されがちだが、彼も年末に29erクラスでユースワールドの出場が決定しており、是非とも頑張って欲しい。



※混戦の入賞争いを制す
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【入賞争いを制す!佐々木/千田ペア(宮古商業)】

5月稲毛ウィークで入賞、そして東北大会でも優勝してインターハイに臨んだ佐々木祐哉/千田直人(宮古商業)だったが、正直上位とは差があったものの、関東勢3チーム・芦屋の入賞候補争いを制し、6位入賞を果たした。しかし第①レースでの5位や、荒れた第④レースでの2位は、素晴らしいレースをみせ、力は出し切ったのではないのか?


※FJ最後の大会も優勝争いが同点と素晴らしいレースだったのではないだろうか?


※女子へと続く

2017-08-19 09:30 | カテゴリ:インターハイ・FJ・420
②【男子420級総括】
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【男子420級のスタートシーン】 ※高体連より

男子420級過去2大会を振り返って見れば、両大会共に最終レースを残し優勝が決定してしまうほどの圧勝劇だった。展望でも述べた通り、今年のメンバーはハイレベルであり、激戦どころかレースが始まってみれば、レース毎に順位が入れ替わるほど見応えある展開であった。

※どのように推移したのか?早速振り返ってみることにする。



※【レース推移】

※8/13(木) 天気・晴れ 最高気温33℃ 風向330~310° 風速8~6m/sec

レース初日、2レース予定であったが、翌日以降風予報が芳しくなかった為、前倒しで3レース実施。風速はO旗が揚がるほど申し分なかったが、風向は過去2大会とは違い、どうなるかと注目されたが、優勝候補は順当に上位を占める。

4-1-4の9点で首位に立ったのは、小木曽/兼子(慶應義塾)そして2-2-6の10点で蜂須賀/狩野(霞ヶ浦)と関東ワンツー発進。そして1-11-2の14点の3位に、尾道/三浦(光)、連覇を狙う西村/蔵田(清風)は6-5-5の14点で4位発進。昨年5位の本多/上田(中村学園三陽)が3-3-12の18点で5位、そして下石/玉村(西南学院)・谷口/伊藤(津工業)が24点の6位で続いた。

この時点で勢いがあるのは小木曽と尾道か?蜂須賀は2レース共にトップ目ながら順位を落とし、西村はトップ目に絡めなかったのが少々気になった所か?


※8/14(金) 天気・晴れ 最高気温33℃ 風向280° 風速4m/sec

予想通り2日目は穏やかな状況となり、午後1レースのみ実施される。風速が落ち、若干荒れ気味の展開となる。首位発進の慶應・霞ヶ浦は二桁順位を叩き、それぞれ順位を落としてしまう。代わって首位に立ったのは、この日4位だった尾道/三浦(光)であった。5点差の2位にはついに西村/蔵田(清風)が上がってくるも、カットが入ると順位が落ちてしまう苦しい状況。3位には霞ヶ浦とこの日2位フィニッシュした津工業が上がり、5位にはここまで安定している西南学院、そして慶應-三陽と続く。


※8/15(土) 天気・晴れ 最高気温31℃ 風向205~210° 風速5~7m/sec

勝負の3日目、男子は2レース実施。カットが入る第⑤レースでは、ついにチャンピオン西村/蔵田(清風)がトップフィニッシュを飾るも、ライバル達も順当に上位となり4位後退となってしまう。続く第⑥レースでは13位となり、4位キープも首位とは5点差となり、連覇達成に黄信号が灯ってしまう。

この日、4-8とまとめた尾道/三浦(光)と、2-7でまとめた蜂須賀/狩野(霞ヶ浦)が19点で首位タイへ躍り出る。蜂須賀と同様、カット後上がってきた小木曽/兼子(慶應義塾)が首位と1点差の3位。以下清風-西南-三陽となり、それぞれ最終レースで逆転の可能性はあるものの、優勝となると光・霞ヶ浦・慶應3校に絞られた。


※8/16(日) 天気・晴れ 最高気温34℃ 風向305° 風速2~3m/sec

勝負の最終第⑦レース。コンディションは非常に苦しいながらも、レース実施できる風域であり、スタートは切られる。霞ヶ浦・清風が良いスタートだったものの、6位三陽と5位西南が中盤に左海面で勝負し、大きく伸びてくる、福岡勢ワンツー回航。首位の霞ヶ浦はライバルを見ながら真ん中でレース展開し、4番手回航。清風は9番手回航となる。ところが首位争いの光は中途半端なコース取りで14番手、スタート失敗した慶應は21番手と優勝どころか下手するとメダル獲得も危うくなる大ピンチとなってしまう。

大過なくレースは進み、三陽-西南-霞ヶ浦の順にフィニッシュ。この時点で霞ヶ浦の優勝が確定。清風は6位、光は12位、慶應は16位となり、トータル三陽・西南が29点の同点。さらには清風と光が30点。それぞれタイを解消し、西南-三陽が逆転メダル獲得。光と清風はそれぞれ4・5位、慶應は6位でレースは終了した。

※以上大激戦の男子420級だったが、入賞校の顔ぶれと寸評を述べてみよう。



※JOCに続き、二冠達成!
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【勝負強さを発揮し、インターハイ制覇!蜂須賀/狩野ペア(霞ヶ浦)】※BHMより

ついに高校日本一も達成!激戦を制したのは5月唐津JOCで優勝を飾った蜂須賀晋之介/狩野弁慶(霞ヶ浦)だった。蜂須賀は一昨年は18位、昨年は4位入賞と着実に順位を上げるも、特に最大のライバル西村宗至朗にはなかなか勝てなかった。しかしながら厳しい練習の中で精神的にも大きく成長。特に狩野とコンビを組むようになってからは、成績も安定。JOCでは最終レースの勝負強さが特に印象に残っていた。そして今回も最終レースでの冷静なコース取りもチャンピオンらしい対応ではなかったのか?

蜂須賀はなごやジュニアクラブ出身、OPワールドへ一緒に出場した宇田川真乃の影響もあり、同校の門を叩く。狩野は高校から始め、努力しここまでの選手となった。この後も470ジュニアワールド・愛媛国体・三亞ユースワールド・豪420ワールドと世界へも挑戦。是非とも頑張って頂きたいと思う。

尚、霞ヶ浦男子の優勝は1993年(平成5年)土浦大会デュエット以来24年ぶり、ソロ種目となると1991年(平成3年)七ヶ浜大会以来26年ぶりとなった。

※優勝おめでとう!



※昨年の屈辱を晴らし、大爆発!
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【唯一のオールシングルで準優勝!下石/玉村ペア(西南学院)】 ※高体連より

今回大爆発し、周囲を驚かせたのはこのチームだったのではないか?序盤から安定したスコアでまとめていた下石 煕 /玉村賢太郎(西南学院)だったが、優勝争いを尻目にトップフィニッシュを果たすなど、準優勝を達成した。

しかし彼らにとってここまでの道のりは決して平坦ではなかった。OP時代アジア選手権出場経験がある下石は、昨年の福岡県大会で敗退してしまい、九州大会にも出場できない屈辱を味わってしまう。岩手国体ではレーザーラジアルで出場し3位と躍進するも、今年のJOCでは惨敗、そして九州大会でも失格し、ギリギリの通過であった。

今回、全チームの中でオールシングルだったのはこのチームのみであり、フロックでないことは明らかである。また特にトップフィニッシュとなった第⑥レースにはちょっとしたエピソードがある。レース前、和歌山を良く知る某T氏にコースのレクチャーを受け、それを素直に実行した結果がこれである。これで勢いづいたし、最終レースにも繋がったと言えるのではないのか?

下石は昨年同様に愛媛国体ではレーザーラジアルで出場する。是非とも頑張って頂きたい。

尚、西南学院のメダル獲得は平成6年(1994)新湊大会デュエット優勝以来23年ぶり、ソロ種目としては昭和49年(1974)年福岡大会FJ級以来43年ぶりとなった。



※昨年の5位から躍進!
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【最後にメダルを引き寄せた本多/上田ペア(中村学園三陽)】

昨年は2年生ながら中盤までメダル争いを展開しながらも、5位入賞に留まった本多佑基/上田健登(中村学園三陽)だったが、今年もチーム内のレギュラー争いに勝ち、同校420級初優勝を託された。昨年同様、序盤は好スタートだったものの、中盤に優勝戦線からは脱落してしまったが、最後まで諦めずトップフィニッシュしてメダル獲得したのは、大きく成長した証なのか?

このチームは既に420級ワールド出場が決定しており、年末へ向けまだまだ挑戦が続く。この記事が出る頃には鳥取全日本でも優勝候補として出場し、FJ・420両全日本を制覇できるのか?が楽しみである。



※悔いの残る4位入賞
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【国体では頑張れ!4位入賞の尾道/三浦ペア(光)】 ※高体連より

まさかの結末・・・。最終レースを残し首位であった尾道佳諭/三浦 匠(光)は、最終レースでまさかの失速。優勝を逃すどころか、メダルをも獲得できなくなってしまう悔しい結果となってしまった。やはり緊張してしまったのか?あのコース取りをみれば明らかであった。

しかしここで切り替えて欲しい、まだ国体がある。山口県少年男子ダブルハンド5連覇の記録や、クルーの三浦は3連覇がかかる。今回の反省を生かして是非とも有終の美を飾って欲しいと思うのである。



※連覇はならず・・・
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【連覇は逃したが5位入賞!西村/蔵田ペア(清風)】 ※高体連より

ディフェンディングチャンピオンであり、このクラス初の2連覇を懸けていた西村宗至朗/蔵田翔也(清風)は、決して悪くはなかったものの、昨年とはまるで違う展開。ようやく第⑤レースではトップフィニッシュと意地をみせたが、第⑥レースではカット順位を作ってしまい、この時点で連覇の可能性が遠のいてしまう。

昨年とは違い、ボートスピードが不足していたのか?順位からみればそんな気がしてならなかった。連覇はならなかったものの、今年の3年生世代のレベルが高いのは、西村の存在があったからなのは間違いないだろう。

彼も国体では必ずリベンジしてくることだろう。これを優勝すれば、昨年のインターハイ・全日本に続き、3冠の大記録がかかる。
是非とも期待したい。



※今年は420で挑戦し6位入賞!
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【見せ場は十分あった小木曽/兼子ペア】 ※高体連より

昨年は2年生ながらFJ級で準優勝した小木曽涼/兼子 烈(慶應義塾)は、優勝戦線に最後まで残りながらも、最終レースのスタートで痛恨のミス。尾道同様、悔しい結果となってしまった。

昨年インターハイ後420に転向し、優勝することを目標とした。この時私が思ったのは「FJで優勝目指せばいいのに・・・」と、浅はかな考えだったが、彼は、OP時代にワールド出場したライバル達に勝利してこそ価値があると考えたのだろう。特に関東では何度やっても蜂須賀とのマッチレースとなってしまうほどのハイレベル。関東選抜では蜂須賀に勝利と、平日は練習できない環境ながらここまで来たのは大したものだろう。

おそらく大学でもヨットを続けるものと思われるが、この経験は必ず生かされることだろう。是非とも期待したい。


※男子420級は、霞ヶ浦の初制覇に終わったが、2-3位・4-5位がそれぞれ同点ならびに僅か1点差と大接戦であり、稀に見る名勝負だったのでは?記憶に残るシリーズだったといえるであろう。国体でもこの争いはどうなるのか?は非常に興味深い。


※男子FJ級へ続く