2012-09-26 08:00 | カテゴリ:高校ヨット部はどこへ行く?
皆さんは巷で『セーリング』の宣伝は見たことがあるだろうか?少なくとも私はない。重 由美子さんや関 一人君がメダルを取った後でもどうだろうか?私は変わってないように見受けられる。

まず「セーリング競技」を世間に知らしめることを改めてしなければならないのではないか?
競技人口がジュニア~ユースクラブ・高校ヨット部合わせてもたった2000人しかいない稀有なスポーツなのだ。(陸上なら15万人の競技人口)

「アメリカズ・カップ」参戦の時も「クルー発掘プロジェクト」を実施し、各マスコミに注目を浴びたのではないのか? 若い世代でもやり方次第では集まると思われる。

①体育の教科書に「セーリング」を紹介する。

オリンピック種目なのだからこれくらいしても当然だろう。

②試乗会を積極的に実施

ヨットハーバーだけでなく、海水浴を利用。浜からでも良いし、境界線にフロートを用意しても良いので体験乗船して頂く。
東京なら、若洲だけではなく、お台場海浜公園などの人が集まる場所で実施する。

※大人でも、子供でもまずセーリング競技の認知が必要なのである。(ボート競技を混同してる人は減る)

③オリンピック選手プロジェクトの実施

『セーリングでオリンピックを目指そう!』などのフレーズでジュニアセーラーの獲得、高校生部員の確保などやり方はいくらでもある。

※先日の若洲で開催されたプレ国体で、あるヨットを知らない高校生の補助員数名が、私にヨットの質問をしてきた。その高校生達は、「こういうスポーツがあるのは知らなかったと言っていた」。それだけ宣伝は足りないし、大々的に取り組まなければ、競技人口はさらに減る⇒オリンピックで勝てない⇒予算は下りないと、悪循環になってしまうだろう。

高校ヨット部の問題から多少ずれてしまったが、その根本にはこれだけの問題があると思われるのである。

しかし高校ヨット部の部員が多い学校は実際ある。やり方次第でどうにでもなるのではないか?

JSAF・都道府県連・高体連など結束して、現状を打開してもらいたいと思う次第である。


おわり


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2012-09-19 11:30 | カテゴリ:高校ヨット部はどこへ行く?
①~④までは、「高校ヨット部の運営の在り方について考えてきた」しかし、現場サイドで一番悩ますのは、『艇購入』の問題である。

◎あまりにも高い艇購入費用

以前、高校総体特集で指摘させて頂いたが、20年前に『FJ一本化』されたのは、スナイプの購入金額が高かったことにあった。しかし学連艇(大学の470・スナイプには明確な購入金額などの規定がある)とは違い、規定が曖昧で、結果的にはスナイプの金額を上回る結果となってしまった。

フルセットで150~200万とはあまりにも酷いだろう(当初の規定は70万前後だったはず・・・)。この金額ではなかなか学校に理解を求めるのは難しい。

2015年インターハイより国際420級が導入となるが、インターハイでは仮にチャーターだったとしても、各地区大会までは自艇で戦うしかない。結局は新艇を購入せざるを得ないのである。JSAFは各県連単位で中古艇を斡旋するような対策をとるようだが、各学校はそんな余裕はない。果たしてどうなってしまうのか?予測がつかない。

◎入門艇として『スナイプ級』を復活させるべき?

今回の『420』導入は、基本的には私も賛成である。(体が大きな子はFJでは不利なため)
しかし先日も述べた通り、高校からヨットを始める子もまだまだ多い。そこでスナイプ級の出番なのである。国体種目から消滅してもう15年だが、未だに根強い人気がある。それこそ老若男女を問わず、比較的安全であり、ヨットを学ぶには最も適した艇であるからだといえる。

もちろん高体連での導入はもう難しいとは思うが、もし420級が普及すればおそらくFJは衰退していくだろう。その時はまた『スナイプ』を思い出して欲しいのである。
JSAFももちろん同様だ。底辺層が充実してなければ、いくら正しい道筋でもメダリストは生まれない。国体でもエキシビジョンでもいいから「スナイプ」を復活すべきだと私は思うわけである。


※とにかくお金がかからないような施策を取らなければ、どんどん高校ヨット部はなくなってしまうだろう。JSAF・高体連はもっと議論を交わし、改善・発展するよう祈るばかりである。


つづく

2012-09-18 17:12 | カテゴリ:高校ヨット部はどこへ行く?
前回では、高校ヨット部のメリット・デメリットについてお話したが、ではどうすればよいのでしょうか?
ユースクラブと、高校ヨット部のそれぞれ良い部分を合わせれば理想的な形になるのではないか?と思うわけである。
となると『玄海セーリングクラブ』の形態が理想ということになる。

(※あくまでも佐賀県の例)
①ジュニアから一貫して同じコーチが指導することができる。

・子供に合った艇種選定、指導方法、進路など具体的に把握することが可能である。
・高校に了解をとれば、高体連の大会にも出場できるし、幅が広がる。
・高校からヨットを始めた子でも伸びる可能性が大である(底辺層を広げられる)

②経済的にも多少は楽になる。

・県立高校なら、授業料など無料みたいな金額である。クラブに払う金額は、そちらに回すことができる。
・艇やセールなどの道具も、県から援助されるだろう。

※もちろんここまで来るには様々なご苦労があったことでしょう。これをモデルケースとして、各都道府県連は真剣に考えなくてはならない時期にきている、『まさに待ったなし』の状況なのである。


ところで先日、OPの記事で、神奈川県の事例を出した(高校ヨット部がある学校に入学できない)が、実際どうすれば良いのだろうか?

あれだけのジュニアクラブがありながら、高校ヨット部は私立しかないただ1つの県なのである。例を挙げれば、江の島(藤沢)地区、葉山地区、横浜地区の県立高校にお願いし、ヨット部を作る。
もちろんジュニア・ユースクラブで責任を持って運営するのが絶対条件だが、もし成功すれば、中学でヨットを辞めてしまう事態は防げるかもしれない。ハードルは高いかもしれないが、是非このような問題に前向きな指導者が現れることを期待したい。

つづく

2012-09-13 18:00 | カテゴリ:高校ヨット部はどこへ行く?
前回は、ヨットは特殊な競技であるからして、色々な運営形態があることをお伝えした。では高校ヨット部のメリット・デメリットとは何なのだろうか?

①メリット

(1)お金がさほどかからない。

最大のメリットは経済的な面だろう。当然、学校教育の一環から、比較的安価でヨット競技を楽しむことができる。(部費や遠征費は多少かかるだろうが・・・)

(2)身近に達成できそうな目標がある。

高校ヨット部に所属していれば、ほとんどの生徒は『インターハイ』を意識するだろう。しかしユースセーラーは出場したくてもできないのである。世界を目標にしてる気持ちが前向きな子なら良いが、そうでない子は目標を見誤る可能性がある。

(3)部活を通しての人間性の育成

各高校、人数は多少あるにせよ、さまざまなレベルの子がいる。その中で連帯感・責任感を養う効果がある。インターハイでもデュエット競技があるように、教育としての意義がそこにあるのである。

②デメリット

(1)顧問の問題

これはヨットに限ったことではないが、顧問の問題が最大のデメリットだろう。公立高校では異動で変わることもしばしば、さらに必ずしも顧問の先生がヨットの経験者とは限らない。経験者の先生なら正しい方向に生徒を導けるものと思うが、未経験者の先生では、色々考え方も違ってくるだろう。生徒側がやる気があっても指導者側がやる気がなければ、どうにもならないであろう。
実際、東京都の公立高校全般では、専門のコーチを招聘し、教師の負担を減らすような動きになっているらしい。ヨットにおいても今後の最大の課題なのである。

(2)大会出場の可否

問題は、人数が多いと大会に出れなくなってしまう子が出てくるデメリットはある。スポーツには競争という宿命があるから仕方がないのだが、ヨット人口が少ないのだからなんとかできないものか?と思ったりもするのである(教育として厳しさを教えるという良い面もあるが・・・)

(3)経済的な問題

少子化によって、公立高校は合併が相次いだり、私立高校は倒産する時代である。そんな中でお金がかかる「ヨット競技」に学校関係者は理解を示すだろうか?野球のように宣伝能力があれば別だが、ヨットにはそれがない。特に私立高校は廃部の方向性となってしまうだろう。


※高校ヨット部にもメリットはある。どの県にも最低限のジュニアの受け皿は作るべきである。そうすれば高校から始めた子と合わせて良い効果は期待できる可能性がある。また様々な理由で全員がユースクラブでできる訳ではない。その辺りをもう一度大人たちが真剣に考える必要があるのではないか?と思うのである。


つづく

※追記で実際、高校でヨット競技をやるなら自費でどれくらいかかるか勝手に計算してあります。(1艇だけ)


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2012-09-13 10:00 | カテゴリ:高校ヨット部はどこへ行く?
前回は『高校ヨット部の重要性』ということでお話しさせて頂いたが、その現状を分析したいと思います。

(1)ヨット部がある高校の区分(都道府県ごと)

・ヨット部があるのは公立高校しかない都道府県・・・25(53%)
・公立・私立両方、混在する都道府県     ・・・14(30%)
・私立しかない都道府県            ・・・1(2%)
・高体連ヨット専門部がない都道府県      ・・・8(15%)

※ヨットのような特殊なスポーツは私立に多いのが普通だが、意外や意外、公立校が多いことがわかる。おそらく、ヨット部が設立された経緯として、インターハイ・国体開催県となった場合が多いからであろう(公立高校ならバックアップしやすい)

(2) 運営形態

※本来、学校毎に単独で活動するものだが、全国的に様々な形態がある。

・学校ヨット部が地域クラブに所属する形態(主な例・玄海セーリングクラブ(佐賀)など)

佐賀県で活動する高校は3校(唐津西・唐津東・唐津工業)あるが、全ての部員は玄海セーリングクラブに所属され、指導を受ける。高体連大会は各校に分かれるが、それ以外は、全て一緒に活動との考え方である。さらにジュニアクラブも存在し、多くのメリットがある。20年以上も前から確立しており、国体の成績は他県の追随を許さない。まさに理想的なシステムである。

・OBがジュニア・ユースクラブ組織を運営する形態(主な例・KGセーリングクラブ(兵庫))

このKGセーリングクラブは関西学院大学OBが中心となっている組織。玄海セーリングは佐賀県がバックアップしているが、こちらはあくまでも私設。その違いだけである。この組織には関西学院高等部・啓明学院の生徒が対象である。(現在関西学院高等部ヨット部は実在しない)実際この組織となってから、インターハイ・インカレでも安定して好成績を治めている。

・経営母体の大学がバックアップして運営する形態(主な例・福岡第一高等学校(福岡)・慶應義塾高等学校(神奈川))

本来この形態が多いはずなのだが、意外と少ない。実際、大学ヨット部は両校とも強豪である。


あくまでも一例を挙げてみたが、これはヨット部の運営、いや「部活動自体」の今後を考える一助となるはずである。


つづく