2013-10-17 04:00 | カテゴリ:インカレ
前回、西宮での全日本インカレは5年前の「第73回大会」であったが、その時はどうだったのであろうか?やはり振り返っておく必要があるだろう。そこで、その大会を見ていた学連ご意見番「外道無量院」氏のリポートを紹介するのが一番良いだろうと思う。それでは、早速振り返ることとしよう。
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◎【470級】
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【序盤苦しみながらも、最終レースで逆転した「福岡経済大」(現・日本経済大)※この記事全ての写真は高木 克也氏より】

第1レースでいきなり3艇全艇がそろいも揃ってジュリーから、「ロッキング」の反則とみなされて、笛を吹かれた本命・福岡経済は、その影響でリズムが狂ったか、26・28・54の計108点・13位と、いきなり、いわゆる、絶望を意味する「三桁」と苦しいスタートとなった。「普段どおりのロールタック」で、判定に納得の行かない三船監督/岡村コーチが、上陸後にジュリーに対して、「どこまでが許され、どこからが反則か?」を確認に行って理論的な説明を求めたのは当然であった。しかし、その後のレースを考えると、「2回目の笛=リタイア」という恐怖との戦いが増えた感があり、いきなり得点以上に厳しい状況となった。
対する対抗格の関西学院も24・17・12の計53点・5位と本来の力が発揮出来ない。単穴評価の早稲田は、6・7・43の計56点・6位と1、2番艇は良いが3番艇が足を引っ張るという、「伝統の負けパターン」。「3強」と思われたそれぞれが、思い通りに行かないが、これがインカレか。途中で風が弱まり、2上でS旗があがったこの1レースのみで初日が終了した。暫定1位・同志社37点、同2位・明治41点、同3位・法政42点。平均40点以内/レースは、優勝パターンではある。

2日目の第2レースからも、相変わらずに不安定で弱い風ではあったが、この日の3本も1位の同志社はしぶとくまとめて4レース合計141点と踏ん張る。1レース平均で35点強なので、納得の首位キープ。一方、2位以下は、実力校がじわじわと追い上げ、関西学院、早稲田、福岡経済が4位までに名前を列ねてくる。が、2位にあがって、首位も射程圏に入れたと思われた関西学院が、夜の審問により7着(7点)がDSQ(73点)となり、3位・229点となった。(この+66点が、最後で運命を分ける事になる。)

3日目は、非常に良いコンディションの時間帯もあったのだが、この日最初のレースでゼネリコを繰り返しているうちに、やっとスタートしたらレース後半には風が落ち、また、2日目のような不安定なコンディションに戻ってしまった。そのような感じで第5・6・7レースの計3レースが行われた。早稲田は、エース村山が安定的に上位に入るも、3番艇の調子が上がらず、スキッパーの乗代わりをするくらいで苦しい展開が続く。一方、関西学院が第6レースで1・2・6の計9点と走れば、第7レースで福岡経済が1・2・9の計12点と譲らず、実力的に「2強」を証明するシーンを見せてくれた。同志社も伝統の粘りの走りを見せ、この日が終わった時点では僅かに首位をキープしたかに思えたが、夜の審問で39着(39点)がDSQ(73点)になり、第1レース以来守り続けてきたトップの位置を初めて譲る形になった。

こうして、1位・関西学院・348点、2位・同志社・357点、3位・福岡経済・389点、4位・早稲田・416点で運命の最終日を迎えた。12時以降にはスタートしないため、万事うまく行って2レース。「何としても2レースやろう」、という運営側の意思表示か、2m/secには絶対に満たない微風の中、この4日目にして初めて定刻の9:30に予告信号があがった。しかも、方向はこのシリーズで初めての陸系・北の風である。僅差でリードした関西学院がこの難しい条件下で2・5・17の計24点とまとめたのに対し、追う同志社は24・39・40の計103と三桁を叩いて脱落。代わって前日まで3位の福岡経済が3・6・7の計16点と土壇場に来て底力を見せ、ついに2位に浮上する。トップの関西学院とは33点差だ。
そして、変わらずに弱い風の中、あわててブラック旗を上げてスタートした第9レースでは、定石通りに関西学院3艇は福岡経済3艇を意識してスタートしたまでは良かったが・・・・・。結果はご存知の通りに、先頭が1上に差し掛かるあたりで風が無くなり、サイドマークでS旗が上がってフィニッシュ。福岡経済が8・10・25の43点でしのいだのに対し、関西学院が26・45・58の計129点と今シリーズ初めての三桁を叩いて何とも信じられない大逆転負け。また、前のレースの結果、3位・同志社に1点差の4位と迫っていた早稲田が、ブラックに引っ掛かった同志社が97点叩いたのに対して、9・13・16の計38点とまとめ、クラス3位を決めた。


◎【スナイプ級】
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【全日本初優勝となった「鹿屋体育大」インカレの方程式を実践した見事な勝利!】

第1レースから優勝パターンの「平均40点以下/レース」に3艇をまとめることが出来たチームがなく、これは470以上に大変な混戦となりそうだと予感が走る。
初日の暫定1位・法政45点、同2位・立命館48点、3位・日大56点と、得点もメンツも、「展望」に記した「大荒れ」のパターンか?しかし、本命に推した関大65点・4位、対抗格の早稲田66点・5位と、470以上に意外と差はない。

2日目の最初の第2レースでは何と、11艇がBFD!! この中に有力チームの早稲田、日大と昨年のクラス王者・京産大が各2艇、明治のエース・近藤艇が含まれ、BFDは避けられたもの、本命にあげた関大が50・34・32の計116点という絶望スコア!何ともいきなり大荒れどころか、激荒れの様相を呈するシリーズとなってきた。第3・第4レースも風が左右に振れたり強弱も激しく、2日目が終わってみれば、暫定1位・立命館187点、同2位・鹿屋体育197点、同3位・福大261点。関大は4位・286点、早稲田は2つのBFDが響いての8位・367点。しかし、2/12(3艇X4レース)がBFDの割りにはまだ、8位にいたのにはビックリ。だが、トップ・立命館とはダブルスコア近い点差が開いてクラス優勝には早くも赤信号が点灯。

3日目になって、ある程度良い風が入る時もあったが、途中でシフトしたり弱まったりと、相変わらずに各チームのスコアの方も荒れていた。そんな中、福大が全日本個戦チャンプのエース・川原艇を中心に良く走り、第6レースの1・7・10の計18点で一挙に上位にジャンプアップし、7レース目でOCSを叩いた鹿屋体育を抜いてついに387点でトップに立つ。関大も第5レースで5・6・30の計41点、第6レースで3・6・28の計37点、第7レースで5・9・37の計51点とこの日の3レースでは3艇中の2艇が必ずシングルに入るという力のあるところを見せて415点の2位に浮上してくる。2日目トップだった立命館はこの日の3レースを計99点、129点、69点と大たたき、7レース合計481点の4位に沈んだ。早稲田も第7レースで4・7・13の計24点でジャンプアップするが、第6レースまでの失点が大きく5位・568点どまり。

1位・福大から2位・関大までが28点差点、さらに僅かに2点の差で3位・鹿屋体育が続いて、運命の最終日を迎えた。470の欄で書いたように、北の微風という何とも難しい条件で第8レースはスタートを切った。1上で祈るように待っている「七洋会」(福大OB会)の応援艇。モヤが掛かる視界の良くない中、先頭グループに黄色のデッキ(福大スナイプ)が1艇は見えるが、なかなか2・3艇目が見えて来ない。トップの明治・近藤艇が過ぎ去った後、次に来たのは3位につける鹿屋体育の艇であったが、すぐに福大の1艇目が続く。関大はシングル目に1艇も来ないが、中盤で3艇まとめて鹿屋の2・3艇目、福大の2艇目とほとんど同時に回航していく。結局、福大の3艇目は何と、後ろからシングルの位置でやっと回航していった。何とかフィニッシュまでもった弱い風の中、福大4・32・62の計98点、鹿屋体育2・27・30の計59点、関大19・22・37の計78点となった。これで合計は、1位・鹿屋体育476点、2位・福大485点、3位・関大493点となる。順位は入れ替わったものの、点差はさらに縮まり、1~3位は17点差の中にひしめいている。この微風の中、レースをやれば無きに等しい点差だ。という状況ではあったが、470とは異なり、第9レースはダントツの先頭艇(参考までに言うと立命館)が470の下位集団を抜いて1上を回ろうかというところでN旗が上がってノーレースとなり、スナイプは第8レースまでの成績で最終となった。N旗が上がった時、上マーク付近にいたので、上位陣の形勢は分ったが、もし、470のように無理やり成立させたとしたら、最終結果はガラっと変わっていたかも知れない、とだけ言っておくが、個人的にはノーレースの判断は当然だと思う。

◎【総合】
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【総合導入後初の優勝を飾った「早稲田大」総合3連覇はこの西宮から始まった】

初日から3日目まで、クラス別の推移から分るように、海上ではほとんど何処がトップなのか全く想像もつかなかった。プロレスに例えるなら、バトルロワイヤルで皆がノックダウンし、誰が先に立ち上がれるか!?と言ったデスマッチの様相であった。3日間を終え、福大、早稲田、立命館、関大がほぼ20点内外の差でひしめき、5位の同志社でさえ、470のクラス優勝まで掴み取れれば射程圏、といった大混戦。

しかし、4日目の最初の第8レースで、前日までトップ・福大と1点差の2位だった早稲田が、両クラスを無難な順位で終えた段階で、福大、立命館、関大、オマケに同志社まで総崩れだったので、手計算せずにトップに躍り出た事が分り、混戦に断を下した。第9レースは微風の中、あわててブラックを上げてスタートさせたが、470が1上を回る前後には無風になってしまった。その証拠に5分後スタートのスナイプはノーレースになったほどなので、運の悪かった選手達、また、結果はともかく、すべての4年生にとっては現役最後のレースなので、あんなひどい形での「終わり」となり、非常に可哀想ではあった。
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※以上が外道無量院氏が「総括特別版」として希望者に送信された文章の一部である「レースダイジェスト」を抜粋した物であった。さて、この文章から私は以下の事を感じた。

①オールラウンドの風域に対応できたチームが勝利できる?

史上稀に見る大激戦だったのはお分かり頂けたと思うが、その要因としては風速の強弱が一番なのではないか?昨年の琵琶湖でも、珍しく序盤は、風速が上がっった中でのレース、終盤戦は微風で大荒れ寸前の展開になったのもこの風速の強弱が大きかったからであった。
西宮でもこの時期は、ある程度風速は上がるようである。しかし過去数年の気象庁の記録を簡単に分析した所によると、風が吹かない時もあった。従って昨年同様、オールラウンドの風域に対応できたチームが栄光を掴む可能性が高いのではないのか?と、私は感じた。

②英語をつけないことが勝利への近道

毎年同じことを誰しも言っているとは思うが、この大会でも「OCS」「BFD」のリコール関連の英語が非常に多発している。これにより大きく順位が入れ替わっている。それは73点もの得点が加算されれば当然であろう。いかにスタート時において冷静な判断ができるか?が鍵となる。昨年も英語をつけなかったチームが上位に来ているのは明らかである。こういう時はいかにチームリーダーがまとめられるかも重要だろう。

③1レース50点以内にいかに抑えられるか?

これも毎回言っていることだが、いかに1レース3艇の合計得点が50点以内に抑えれるか?が優勝する為の条件なのはもう皆さんはわかっていると思う。しかし各クラス72艇の大フリートの全日本では、なかなか難しい場面も多いだろう。悪い順位だった場合にいかに上がってくるか?など冷静に判断できる能力も必要なのではないか?



※展望と解説の最後は?そうです、外道無量院氏による「展望と解説」です。(※少々お時間を頂きます)



※web yachtingで掲載された高木克也氏のリポートも併せてどうぞ
高木克也氏の73回大会リポート


※第78回全日本インカレ特設サイト(関西学生ヨット連盟)





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