2013-10-20 20:30 | カテゴリ:インカレ
さぁ~学生の皆さま、お待たせ致しました。いよいよ肝心の本題に入りたいと思います。「外道無量院」氏による展望と解説です。今回も女子インに続いて、私との対談方式で進めてまいります。さて、2人の結論はどうなったでしょうか?(文・なまちゃん)
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【ついに初公開!外道無量院氏(右)とのツーショット(笑)先日の関東インカレではどこからともなく颯爽と自艇で海面に現われ、熱心にレース見学されておりました】

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外道無量院

今年は2008年以来、5年ぶりに新西宮YHをベースに11月1日~4日に開催される。
冬本番ともなれば、同じ西宮市内にある甲子園球場を本拠地とする阪神タイガースの応援歌にもうたわれる「六甲おろし」の季節風や、春から夏にかけて行われるこの水域でのレースでは主流となる南西風が比較的安定する海面ではあったのだが、実は、この南西風の吹き出し方向に丁度あたる場所の沖に神戸空港(2006年2月開港)が出来て以降、南西系の風でも振れ回る不安定な傾向になった事は意外と他水域の学生・OB間では知られてはいない。
また、特にこの秋も本番となる11月の初頭、冬の風が吹くには少し早すぎ、南西系の風が強まるには気温が上がらない、という中途半端な時期でもある。
こういった事から、台風の接近や低気圧が日本海を通過中とか、または強力な大陸性の高気圧の発生で等圧線「縦じま」の冬型気圧配置にでもならない限り、強風が吹き荒れる場面は期待できないか?
そうは言っても、4日間もあるので1日くらいは良い風が吹くだろうし、微・軽風から中・強風までのバラエティーに富んだコンディションでの総合力を問うシリーズを期待したい。

全国9水域の各インカレを勝ち抜いて「全国」の舞台に駒を進めた参加校は、

470クラス

北海道:小樽商科大
東北:東北大
関東:日本大、早稲田大、慶應義塾大、明海大、横浜国大、法政大、中央大
中部:愛知学院大、愛知大
近北:同志社大、立命館大、金沢大
関西:関西学院大、関西大、甲南大、和歌山大
中国:岡山大、鳥取大
四国:徳島大
九州:日本経済大、九州大、鹿屋体育大

スナイプクラス

北海道:北海道大
東北:東北大
関東:日本大、明海大、慶應義塾大、明治大、早稲田大、横浜国大、法政大
中部:名古屋工業大、三重大
近北:同志社大、龍谷大、立命館大
関西:関西学院大、甲南大、関西大、大阪大
中国:広島大、岡山大
四国:香川大
九州:鹿屋体育大、九州大、福岡大

両クラス揃っての出場、すなわち「総合」を争うのは、(昨年より一校少ない)15校である。

それではクラス別に有力チームの選手を紹介しながら、クラス優勝と総合の優勝争いを展望して行こう。

女子インに続いて、今年はインターハイ・国体で解説を務めた話題の「生ちゃん」に登場して頂き、議論することとした、生ちゃんよろしく。
今年は色々と大変だったねぇ~、お疲れさんでした(笑)

なまちゃん

外道さんこんにちは~、いやぁ、今年はこんなことになるとはまったく想像もしてなかったので正直戸惑っておりましたが、なんとか任務を終えてホッとしております(笑)たくさんの方々よりお褒めの言葉を頂けて大変うれしかったです、ありがとうございました。今回もよろしくお願い致します!

◎【470級展望】

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【中・強風域なら今年も1・2・3フィニッシュを達成する場面もあるのか?「日本経済大」(※写真はバルクヘッドマガジンより)】

外道無量院

過去10回出場中で7回優勝という驚異的な勝率を誇る日本経済大が今年も本命だ。

エース・土居一斗(4年・福岡第一)は、2013年度470級ナショナルチーム選出・アビームコンサルティング所属となり、春先から大学チームを離れてヨーロッパ遠征や、4組の金メダリストを育てた名伯楽・ビクター・コバレンコの指導を仰げる立場になっただけでなく、ロンドン五輪金メダリストのマシュー・ベルチャー(豪)と一緒にトレーニングする機会を得て、他の学生セーラーとは別次元の環境にあった。秋になって帰国後は、江の島・オリンピックウィークで優勝、東京国体で準優勝した。

これをどう評価するか?

「本番のレース艇」はヨーロッパに置きっぱなしで、この国内レースでは「練習艇」での出場だったとの話も聞いたが、そもそも「学連艇」で出てる選手だって多いフリートだったのでは?

私が帰国後のこの両レースを見た印象は、「微軽風下の難しい条件下での進歩」であった。課題克服に成果はたしかにあったのだ。反面、強風域となるとSPNの2チーム(飯束/八山組、渡辺/野呂組)に走り負ける場面もあった。しかし、これまで課題とされた微・軽風域での著しい進歩は間違いない。学生相手のインカレでは、もともと吹けば次元の違う強さを見せていただけに、今年はちょろいモンだろう。

他には一昨年来のレギュラースキッパーの岩下哲也(4年・長崎鶴洋)と山本孝俊(4年・邑久)あたりの起用でくるか?これにジュニア時代以来のスキッパーに戻った磯崎哲也(3年・福岡第一)が加わってレギュラー3艇の椅子を激しく争う。岩下が伸び悩んでいる一方で、山本の進歩が著しく、本番を迎えて誰が起用されるのか?ただ、「土居復帰」なら、磯崎はクルーでの起用もありそうである。毎度、書いてきたことだが日経大470チームの強さは、そのクルー陣のスキルの高さにあった。磯崎同様に石井祐典(4年・邑久)は昨年のインカレ本番経験者だが、初舞台となる選手はどうか?

今年9月の個人戦の印象では正直、今までと違う何かピリッとしない物足りなさを感じたのは何故か?ある事実を知ったとき、納得したのではあるが・・・・。

皆も知っての通り、第一経済大~福岡経済大~日本経済大と名前は変遷したが、全日本インカレに出場するようになって11年目を迎える。他の伝統校とは違う、従来の「ヨット部」の古い余分な体質を一切そぎ落としたような独自の雰囲気のチームではあったが、選手個々のヨットに取り組む姿勢は意外にも謙虚で真摯なものであった。

若い学生の事だけに、これだけの「勝率」を誇れば、「自信」が「天狗」に変わり、指導陣が少し油断するとどこかのラグビー部などのように不祥事が発生してトップチームがあっという間に転落する危険も大きいのであるが、そういった「隙」を感じさせなかった。

それには岡村勝美コーチ(福岡大OB)の存在が大きかったと思っていたのだが、彼が今シーズンからチームを離れた、と聞いた事が不安なのだ。しかし、逆に言えば、不安材料と言えばそのくらいか?

生ちゃん、日経大に関しての評価はどうだ?

なまちゃん

はい、普通に考えたら本命なのは当然ですよね。土居君も健在なわけですしね。データーからもこの強さははっきりとしております。
やはり参考になるのは「全日本個人戦」でしょう。3艇出場のチームを単純に合計してみると?(カットなし)

①日本経済大     204点
②関西学院大     240点
③同志社大      270点
④慶応義塾大     311点
⑤早稲田大      315点

となった。土居君が不在でもトップの成績であり、DNFなどがあったこのレースは団体戦ではよく起こりうる展開だったことから、かなり参考になるだろうと思われます。

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【全日本個人戦470級で優勝した「西尾 駿作・俣江 広敬」組(関西学院)が総合優勝へ向けてチームを牽引する!(※写真はバルクヘッドマガジンより)】

外道無量院

生ちゃん、今回はデーターからきたな(笑)まぁ、確かにそうだ。しかし、2番手以下の順番付けとなるとこれがまた今年は特に難しい。

2艇までだけの評価なら、西尾駿作(4年・関学高等部)、神木聖(2年・県芦屋)のスキッパー陣に、俣江広敬(4年・関学高等部)、疋田大晟(3年・別府青山)、中川千晶(4年・長崎工)、庄野智哉(2年・関学高等部)らのクルー陣を揃える関西学院と、山口祥世(4年・長崎工)、小泉颯作(2年・光)のスキッパー陣に、石原裕太(4年・早大学院)、槌谷祥吾(3年・早実)、谷口諒介(4年・桐朋)、谷口柚香(4年・長崎工)らのクルーを揃える早稲田の2チームが他を一歩リードしている感があるものの、どちらのチームも関学・松浦朋美(2年・長崎工)、早稲田・山口優(3年・唐津西)と、女子スキッパーの起用となりそうな3番艇の評価が難しいのだ。しかし、早稲田は山口優が不調でも代わりがいないが、関西学院はここまで控えに甘んじる場面が多かった昨年のインターハイチャンプ・藤本知貴(1年・関学高等部)が、このところ成長著しいとの情報もあり、松浦不調ともなれば、切り札の「秘密兵器」として使ってきそうではある。

どちらにしても、この2チームはクルーをどのように3番艇に組み合わせてくるかに注目している。早稲田と関学については生ちゃんはどう思う?

なまちゃん

はい、関西学院は全日本個人戦チャンプの西尾君というエースもいるし、2番艇の神木君も計算できる。早稲田も関東インカレでは負けたものの、山口祥世さん、小泉君ともに好調は維持してますから・・・やはり強さも感じました。ただ両校とも外道さんのおっしゃる通り3番艇がポイントですよね。どこまで引き上げられるかはチームの
作戦にかかっていると私は思いますね。それは関西学院・早稲田以外でも言えることではないでしょうか?
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【関東インカレでの「中村 睦宏」(日本大)・「山口 祥世」・「小泉 颯作」(早稲田大)3強の攻防 (※写真は羽田 誠氏より)】

外道無量院

やはりそう思うよな。
また、3艇が揃っているという点では、同志社が最有力とも思えるのだが、オリンピックウィークの最終日に10ⅿ以上吹いた状態での彼らの「惨状」を目の当たりにするとこれもまた疑問符が付いてしまった。豊田華世(4年・別府青山)は女子インと日程が被って参加していなかったが、彼女にしてもあれだけ吹くと同じではないかと想像してしまうのは私だけではあるまい。ただ、微軽風域までの走りとなると、その豊田に加え、村田俊彦(2年・福岡第一)、奈良大樹(4年・別府青山)に徳重樹(3年・中村三陽)が控えるスキッパー陣は安定感もあり、かつ強
力ではある。

10ⅿ/sec以上の強風域のレースが無ければ2番手争いの筆頭だろう。

微風・軽風に終始した今年の関東インカレを制した日大は、エース・中村睦宏(3年・中村三陽)が欧州遠征から帰って復帰し、やっとチームに「芯」が通ったか?関東インカレ最終日のように彼がピリッとした状態で走れるようであれば、2番艇の若林友世(2年・藤嶺学園鵠沼)もシャキッとするようだ。しかし、ここも関東インカレでは最後まで調子の出なかったルーキーの玉山千登(1年・中村三陽)が心配ではある。ここでも関東インカレ同様に出足から不調のようだと、昨年のレギュラー・平松良弘(3年・碧南工)の起用もあるか?本吉剛士(3年・中村三陽)、清原遼(3年・中村三陽)、橋場一輝(3年・宮古商)のクルー陣は良く鍛えられて不安は無い。

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【昨年の全日本FJチャンプの「樋口 舵」艇(慶應義塾大)、ルーキーながら大健闘! (※写真は羽田 誠氏より)】

ここ数年、インカレ本番では期待以上に良い結果を出し続けている「試合巧者」の慶應義塾。期待のルーキー・樋口舵(1年・塾高)が、関東インカレではオールシングルの大活躍。反面、エース艇の樫本真徳(3年・塾高)が今一つだったのと、何と言っても関東インカレではどちらを使っても冴えなかった3番艇を争っている中嶋颯(1年・塾高)と長堀友香(2年・青山学院)が不安ではある。

経験豊富な森健吾(4年・渋谷教育学園渋谷)、成川健一(2年・逗子開成)らのクルー陣が、今年も上手くスキッパー陣をリード出来るか?
生ちゃん、この3校についてはどう見てるの?

なまちゃん

はい、これは春の段階でしたけど、定期戦がありましたよね?「関関同立」では、関西学院と同志社がほぼ互角、さらには八景島で開催された「早稲田と同志社」の定期戦もほぼ互角でしたよね?
そう考えれば、力的にはどこが勝ってもおかしくないと思いますけどね。

その早稲田にようやく勝った関東インカレでクラス優勝した日大も互角と見るべきでしょうね。エース中村君・若林さん両艇はクルーも変更し、先日のインカレでも結果はでました。問題は3番艇でしょうけど、全日本ではどうするんですかね?玉山君、平松君どちらを起用するか?がポイントとなるでしょう。首脳陣としても非常に迷うところでしょうね。早稲田に競り勝ったことから、関学・早稲田・同志社とほぼ互角と言っても良いのではないでしょうか?

慶應に関しては、早稲田・日大に比べたら、若干力は落ちるのは仕方ないですけど、ルーキー樋口君が成長したのは大きいですよね。樫本君・長堀さん・中嶋君、この起用をうまくやるとひょっとしたら上位進出は可能なんじゃないでしょうか?ただ、関東インカレでも安定はしていたものの、爆発力に欠けるのが気にはなりましたよね。

外道無量院

なるほど、生ちゃんは、ほぼ互角とみているんだな。
以上に挙げた「混戦の2番手争い」にも手が届きそうな可能性を持ったチームとして注目したいのが九州大だ。

エーススキッパー・田中航輝(2年・清風)に加え、2番艇スキッパー・北詰有人(3年・逗子開成)が九州インカレでは日経勢と差のない走りを見せた。まあ、しかしここの3番艇も関東・関西の私学勢以上に課題は大きいのではあるが。

その他、以上に挙げたチームで英語が続出した場合に「6位入賞圏」に飛び込んでくる可能性を秘めているところとして2チームを挙げておこう。

地元水域代表として、また「創部60周年」を飾るべく西本新監督の下、年間僅か20日間の限定ながら、ポイントポイントでプロコーチの山本悟(福岡大OB/ロス五輪470級代表)外部コーチの指導を仰いで強化してきた甲南大と、関東インカレでは今一つ期待外れだったものの、國府田由隆(磯辺高ヨット部創部監督)監督/脇永達也(山口・聖光~本田技研~ニッポンチャレンジ等所属のプロセーラー・ロス/ソウル五輪FD級代表)コーチ体制となってからメキメキと地力をつけて来た明海大の2チームだ。

どちらも、エース級のみならずスキッパー陣が女子主体であるだけに、サバイバルな強風域となるとさすがに厳しいだろうが、共に技術的にはきめ細かい指導がなされているので、経験が浅いとかえって難しい微・軽風よりも、むしろ中風域までならある程度の風が欲しいところだろう。
甲南大の学風と言えば、ミーハーな印象だが、今年は上田主将、今田副将というともに甲南高野球部出身の幹部に仕切られ、近年になく統率がとれているのが成績向上につながっているのだろう。また、明海大の選手の顔つきも年々引き締まってきてアスリート的になってきているのに感心している。

生ちゃんは他に注目しているチームはないの?

なまちゃん

いや~外道さんに全部言われてしまったからなー(笑)、やはり九大と明海大ですよね。
九大は田中君が九州個人戦で日経大各艇を抑え優勝、全日本個人戦でも活躍と2艇を引っ張るレースができれば間違いなく入賞圏内だと思います。
明海も今年は勝負の年とかなり意気込んでおり、私自身も特に期待していたのですが、470についてはどうも結果が芳しくない。3艇全てのスキッパーがおそらく女子だと思うのですが、全日本女子インカレでも、総合優勝できるチャンスを逃してしまったところから、評価は若干下げざるを得ないですよね。


外道無量院

それではお互いの意見が出揃ったところで結論に入ろう。

土居が出場となれば、何かの「事件・事故」さえなければ、日経大の連覇は濃厚。
しかし、他のチームをなめて土居を出さないでスタートするようだと逆に面白くなるカモ?である。まあ、少なくとも連れて来ていれば危なくなれば途中からでも使ってはくるだろうが・・・。

対抗以下の順番付けには悩んだが、10ⅿ以上吹くようなレースは多くても2~3本程度、12m以上吹いた場合ではやっても1レースのみと見て同志社を上位とした。

単穴は「選手層」の差で関西学院を上位にとった。次に関東インカレでは日大に敗れた早稲田の巻き返しに期待。関東覇者の日大には、逆に私への評価への奮起に期待したい。

※外道無量院の予想

◎・・・・日本経済大             
〇・・・・同志社大               
▲・・・・関西学院大
△・・・・早稲田大
△・・・・日本大
△・・・・慶應義塾大
特注・・・九州大
注・・・・甲南大
注・・・・明海大

生ちゃんも印をつけてみて。

なまちゃん

はい、私も日経大が連覇濃厚と言わざるを得ないですよね。
昨年の琵琶湖大会微風域も対応できていたのが好印象ですよね。エース土居君を中心に圧倒するのではないでしょうか?

対抗には地元関西学院大、地元開催で悲願の「総合優勝」を目指し、相当気合が入っているという情報は私にも伝わってきております。ここもエース西尾君がいるのは大きいですよね。個人戦の結果を見ても、本人達は「団体戦でも戦える!」との自信もついたことと思います。

以下、早稲田・同志社・日大と続きますが、2番手以降はほぼ力的に同じであり、各チームの長所を生かすレースをした所が上位にくるでしょうね。

入賞候補として、九州大・慶応義塾大は要注意ってところでしょうね。特に九州大はエース田中君を中心にうまくはまればさらに上位を狙えるかもしれない存在だと私は思う。

※なまちゃんの予想

◎・・・・日本経済大
〇・・・・関西学院大
▲・・・・早稲田大
△・・・・同志社大
△・・・・日本大
△・・・・九州大
注・・・・慶応義塾大



外道無量院

本命はお互い同じになったな、これは仕方ないことか?


※スナイプ級へつづく


※第78回全日本インカレ特設サイト(関西学生ヨット連盟)

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