2013-10-22 12:30 | カテゴリ:インカレ
◎【スナイプ級展望】
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【関東インカレでのスタートシーン】

外道無量院

2009年の牛窓大会以来、スナイプでのクラス優勝が4年連続で総合優勝に直結している。

この事は470でのクラス優勝が「片クラス特化」の日経大にほぼ独占されているからだと思われがちだが、2011年などはその470で日経大他を破ってクラス優勝した関西学院と言えども、スナイプでクラス優勝した日大に総合の座を譲っていることから、「総合」を狙う各チームにとっては、このクラスの優勝だけでなく、470以上に重要視しなければならないクラスなのだ。

しかしこれは、「物理的」には不思議な話ではある。

2クラスが同海面を使用してレースするため、途中までの消化数が少ないからと言って、通常のスピードに劣るスナイプを470より先にスタートさせる事は難しい。結果的にレース実施数において470を上回る事はなく、上手くいって同じ数どまり。2009年の牛窓大会などは、2レースもスナイプのレースが少なかったにも係らず、スナイプクラス優勝=総合優勝という結果に終わっているのだ。

これは何故か?

私なりの解釈を記す。

日経大のように「片クラス特化」のチームを除けば、何処の大学チームもまずは「両クラスでの全日本出場」、そして「総合優勝」を目論んでチーム作り、あるいは一歩進んだ大学は計画的にリクルート段階から選手確保に取り組むため、ほんの一部のチームを除けば限られたセレク組である高校以前からの経験者を、両クラスに振り分けなければならない。一方で、細かく両クラスの出場校を見れば分かる事だが、例え優勝争いに絡めないチームであっ
ても、必然的に高校以前の経験者は少なくともクルーを含めれば470に多く配される事になる。

この事から、スナイプで「3艇が揃う絶対的に強力なチーム」を作ることが出来れば、「総合」まで含んで考えた場合には、470より確実に「点差」を広げる事が出来るからではないだろうか。かつ実戦の場においても、実は先
行する470の艇団の動きを観察出来る事から、スタート位置やコースの選択にも関しても「外す」リスクが470よりも小さくて済む。72艇/クラスでスタートしなければならない全日本インカレの場合、この「リスク軽減」の効
果も大きいのだ。

水域を限らず、学連のレースを数多く見ている方は必ず感じる事だと思うが、470と同じマークを回らねばならないため、スナイプはレース中の時間が長くなるし、必然的にインターバルの時間も短い。勿論、吹けば体力的にもきついクラスだ。

新入生に470とスナイプの両方を見せ、

「どちらに乗りたいか?」

と聞けば、経験者・未経験者を問わず、多くが

「470」

と返してくるのではないだろうか。

従って、「スナイプ」や「総合」で勝とうと思うなら、まず、艇種選びから「学生任せ」にはせず、指導陣の「意思」が必要なのである。

さらに余談だが、ラグビー/アメフトに例えれば、スナイプ=フォワード/ラインで、470=バックスといった役割分担のように感ずるのだ。素人目には目立たなく、また脇役に見えてしまう「フォワード」、「ライン」、そして「スナイプ」の役回りだが、ラグビー/アメフトにおいて強いフォワード/ライン無しには、バックスの力も絶対に生かされない。それと同じで、最終的な目標が「総合優勝」の場合、後からフィニッシュしてくるスナイプが悪い
と好調な470チームでもガックリと来るだろうし、逆に後のスナイプが良れば先にフィニッシュしている470が悪くても励まされるだろう?

さらには、ここ数年でガラっと変化したハード面についても少しだけ触れておきたい。

前回西宮大会(2008年)では久々に辻堂が出した新艇(当時)を使用した早稲田が総合優勝した事が刺激になったのか、それまでの学生のスナイプと言えば「スターンに窓付き」の圧倒的シェアから、同志社のようにピアソンの中古艇を導入したチームあり、さらに早慶や明治のように辻堂のニューデザイン艇(金井亮浩氏設計)の導入あり、また、今年になっては日大や関西学院のようにオクムラの最新型艇導入あり、と470とは異なり「ビルダー間
の競争」も激しくなったということだ。関東インカレを見た印象でも、あっと言う間に「スターンの窓」が減った感があった。今年から導入可能となったピアソンの新艇を購入した大学もあるようだが、関東インカレでは見なか
ったなぁ。

なまちゃん

全日本個選で優勝した関西学院の小栗艇は、降ろしたてのその「オクムラ最新型艇」だったようですね。また、ピアソンの新型・「DB-R1」については、母校も1艇は購入はしたようですが、何故、関東インカレで使わなかっ
たかのコメントは控えさせて頂きます。

外道無量院

さて、それではスナイプクラスの有力チームの解説をしながら展望に入るとしよう。

本命は、地元・西宮の関西学院大。9月の全日本個選を圧勝した小栗康弘(4年・中村三陽)/浅井宗一郎(3年・東大寺学園)、同4位の舟木葵(3年・中村三陽)/難波尚之(4年・市立葺合)、昨年度全日本女子チャンプ(今年度3位)で同10位の樫原梨乃(4年・啓明学院)/末繁まゆ(4年・別府青山)を擁する関西学院が、地元開催で他を一歩リードした立場で本番を迎える。
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【今年のスナイプ学生No.1「小栗 康弘・浅井 宗一郎」組(関西学院大) ※写真はバルクヘッドマガジンより】

エース・小栗は、全日本インカレに1年時からレギュラーとして出場しながら、毎年「英語」を喫して悔しい思いをしてきた。今年は春シーズンから絶好調で、順当に個選チャンプともなって総合的にも一皮剥けた感もある。過去3年間の雪辱に燃えている事だろう。2番艇の舟木も高校以来の先輩の後を追うように順調に成長を続けているようだ。全日本女子イン連覇が出来なかった樫原艇だが、元々、昨年の優勝がまれにみるハイスコアで「ラッキー」だったと考えれば、自身の「クラス連覇」とチームの「総合4連覇」という相当のプレッシャーの中での3位なら、男子含めての個選10位と合わせて、ソコソコに力はあると評価したい。

不安材料は、地元開催であるだけに、逆に各方面から掛かる余分なプレッシャーのみであろう。

関学について生ちゃんの評価はどうなの?

なまちゃん

はい、470に引き続き、スナイプでも個人戦における3艇のトータルを見てみると?(カットなし)

①関西学院大     163点
②慶應義塾大     221点
③同志社大      270点
④早稲田大      290点
⑤日本大       291点

であり、関西学院が圧倒したことがわかる。点数的にも文句なしであり、外道さんのおっしゃるとおり、優勝候補の筆頭なのは間違いないと思います。ただ、軽風域になったときがどうなのか?が疑問ではある。3番艇の樫原さんが女子インカレでの走りがいま一つに見えたからです。しかし、そこをうまく乗り越えられれば圧倒すると思いますよ。
さらに、エース小栗君はある意味、昨年優勝同志社大主将の西村君を思い出させる絶対的エースに思えます。その他の布陣も非常に似ていますよね。


外道無量院
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【関東インカレで優勝した日本大勢、チームは上昇気流に乗ってるのか?】

なるほど、生ちゃんもほぼ同意見なんだな。
対抗は、関東王者の日大とした。伊村仁志(3年・碧南)/大野雅貴(2年・別府青山)、井嶋清芳(3年・霞ヶ浦)/大井航平(1年・土浦日大)、そして今年の女子チャンプ・持田由美子(3年・磯辺)/稲垣美穂(2年・海津明誠)or 塩谷涼(3年・高松工芸)と揃える布陣だ。3艇が揃って出場した全日本個選では、意外にも伊村艇9位、井嶋艇12位、持田艇25位と全く奮わなかったが、持田艇が2週間後の全日本女子インを制し、残り2艇も関東インカレでは明海大以下の追撃を振り切って優勝したように、3艇に大きな「穴」がないのがこのチームの強みである。
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【関東インカレでは良くなかった「早稲田大」このままで終わるような実力ではない!】

単穴評価は早稲田。関東インカレでは苦手な風域のみだったのか、全くの期待外れに終わったものの、全日本個選6位の桐岡洋平(4年・早大学院)/櫛田佳祐(3年・早大学院)にジュニアワールド・準優勝の島本拓哉(2年・磯辺)/花岡航(2年・洛北)、同出場のルーキー・平川竜也(1年・逗子開成)/三ツ木駿(4年・明学東村山)と揃える布陣は見限れない。春先は不安定だった桐岡艇の夏を越した充実ぶりは目を見張るものがあると感じていたのだが、関東インカレでは彼を含めて3艇とも不調を究めたのが残念ではあった。

残り2艇は地球の裏側・ブラジル(ジュニアワールド開催地)から帰っての時差ボケでも残っていたのだろうか?

以上を「3強」と評価したが、生ちゃんは日大と早稲田についてはどう見てるの?

なまちゃん

はい、まず日大については、関東インカレで(ようやく)優勝できましたが、春の段階でも優勝できる力はあったとは思います。ただ3艇がうまく噛み合わなかっただけだと・・・
あとは持田さんが東日本スナイプで優勝したのが大きかったです。さらに全日本女子でも優勝旗を持ち帰り、男性陣に火をつけたのは間違いないですよね。チームとしても上昇気流に乗ってるような気はします。ただ、問題は強風域になるとどうなのか?が不安ですよね。ただ順風域までならかなりのチャンスはあると思います。

早稲田については評価が非常に難しいところですが、関東インカレでは序盤から上位にいればそのままキープすることができ、序盤苦しい展開だとなかなか上がってこれない、そのような印象を持ちました。実力はあるのは間違いないでしょうが、レース展開により大きく変化してしまう可能性が非常に高いですよね。

外道無量院

今年の早稲田はその辺が少し物足りないのだろう。総合三連覇したころは、1上が悪くても何とかソコソコの順番まで這い上がってくる底力というか、冷静さがあったのだが。一方で確かに日大は春に比べてかなり成長した。昨年度クラス優勝の同志社、関東インカレ準優勝の明海、同3位の慶應義塾、さらには九州王者で前回の西宮大会王者の鹿屋体育あたりまでがその次のグループ。

同志社は、昨年の優勝メンバーで今年の全日本個選8位の垣野雅人(3年・清風)/柳林俊(4年・洛南)、同15位の山田剛士(2年・中村三陽)/石川雅也(3年・三島)の2艇に同16位の藤田康明(4年・修猷館)と同17位の桂川洋介(4年・岐阜北)の両スキッパーが3番艇スキッパーの座を競う。見なければ良かったのだろうが、470チーム同様にオリンピックウィーク最終日での強風の下では、チーム全体が揃いも揃って全く走れなかった。あれを見てしまったので評価を一枚下げた。

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【6月の関東個人戦より成績が非常に安定しているルーキー「佐藤 帆海・目黒 剛志」組(慶応義塾大)】

全日本個選では、「あわや優勝か?」という快走を見せてくれた同2位の加藤賢人(4年・塾高)/松垣諭(4年・世田谷学園)、同5位のルーキー・佐藤帆海(1年・塾高)/目黒剛志(4年・淑徳)、そして昨年来のレギュラーで同13位の阿部七海(2年・酒田西)/小野木一憲(3年・塾高)。ココも早稲田と同様、関東インカレでは今一つ冴えなかったが、全日本個選での走りを再現出来れば面白い存在だ。

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【明海大のエース艇「伊東 雄基・矢萩 健生」組、同校初の入賞を狙う】

関東インカレでは一時、優勝した日大に肉薄する場面もあった明海大。全日本女子イン2位の川戸志織(4年・碧南)、同4位の田上歩(4年・東海大二)に唯一の男子レギュラースキッパーであるエース・伊東雄基(4年・別府青山)という布陣を揃える。なかなか結果が出せない470に比べ、スキッパー陣に経験豊富な4年生が揃い、かつエース艇に男子スキッパーがいる事からようやく「壁」を突き破りそうな雰囲気が出て来た。入賞の可能性が一番高いのは、このクラスだろう。

生ちゃんは同志社・慶應・明海の見解はどうなの?

なまちゃん

はい、まずは同志社ですが、昨年に比べれば戦力ダウンにみえますが、近北では圧倒したでしょう?そういう意味では決して侮れませんよね。やはり風域によって大きく変化するものと思われます。

続きまして慶應ですが、関東インカレではかなり期待していたのですが、3位という結果に終わりました。これをどう見るべきか?おそらく勢いの問題なんでしょうね。ルーキー佐藤君は頑張ってますよね、非常に安定しております。やはりリーダー艇加藤君の出来次第にかかっているとは思いますよ。

さらに明海ですが、関東インカレでは日大に最後まで喰らいついてたのが好印象でした。470とは違いリーダー艇は伊東君であり、川戸さん・田上さんを引っ張ってる印象があります。女性両艇も全日本女子インカレ、関東インカレでも健闘したが、全日本でこの実力を出し切れるのかどうか?だけではないでしょうか?

外道無量院

そうだな、特に明海はスナイプに期待したいところだ。
次に前回の2008年西宮大会でクラス初優勝を飾った九州王者の鹿屋体育。2年前の全日本個選覇者の鈴木章央(4年・碧南)、久保風太(4年・鎌倉学園)のコンビが夫々に舵を握る2艇は充分に戦えるだろうし、得意のサバイバルな強風状況にでもなれば、優勝争いにまで割って入ってくるか?

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【関東インカレ最終レース、意地のトップフィニッシュ「横田 貴大・鈴木 将平」組(明治大)】

以上に挙げたチームの一角を崩して入賞圏に入るチームの筆頭は明治だろう。エース・横田貴大(4年・藤沢西)という大黒柱がいるものの、関東インカレを見た限り、残りの2艇に不安が大きい。さらに、ここは470が落選して「片クラス」出場となったが、気をとり直して「部員一丸」となっての総力戦を挑めるか?

さらには水域インカレで関大の上位につけ、優勝した関学に迫まる場面も作った地元・甲南大、両クラスで予選を突破して意気上がる横浜国大、九州大なども得意とする条件が揃えば入賞圏に入る力を秘めるか?

生ちゃんは他に注目しているところはあるの?

なまちゃん

はい、やはり明治ですよね。思わぬ片クラスだけの出場となりましたが、やはりリーダー横田君中心に奮起を期待したいところですよね。彼らなら入賞圏内まで入れる実力はあると私は思います。

外道無量院

それでは、意見が出揃ったところでまとめに入る。

470に比較すると、すんなりと順位付けが出来た感がある。

※外道無量院の予想

◎・・・・・関西学院大
〇・・・・・日本大
▲・・・・・早稲田大
△・・・・・同志社大
△・・・・・慶應義塾大
△・・・・・明海大
△・・・・・明治大
△・・・・・鹿屋体育大
注・・・・・横浜国大
注・・・・・九州大
注・・・・・甲南大

生ちゃんもよろしく。

なまちゃん

はい、私は勢いのある母校を本命にさせて頂きます(笑)チーム内の雰囲気もだいぶ良いみたいですから・・・。こういう流れは団体戦では重要ですね。

※なまちゃんの予想

◎・・・・・日本大
〇・・・・・関西学院大
▲・・・・・同志社大
△・・・・・早稲田大
△・・・・・明海大
△・・・・・慶応義塾大
注・・・・・明治大

外道無量院

おぅ!生ちゃんが母校に本命をつけるとは珍しい!!
自信の現れか、はたまた義理か!?(笑)


※総合に続く。



※第78回全日本インカレ特設サイト(関西学生ヨット連盟)




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