2015-08-22 13:30 | カテゴリ:インターハイ・FJ・420
※【女子FJ級総括】

女子FJ級でも、展望では、JOCで活躍した、佐藤まやの/滝下美月(高松商業)と、FJワールド上位の仲 美南/高仲みなみ(霞ヶ浦)が優勝争いの中心とお伝えした。

さて、レースはどうだったのか?早速レース推移をご覧頂くとしよう。



※【レース推移】

8/13(木) 天候・曇り 最高気温31℃

微風域の2レースでいきなりの連続トップフィニッシュを飾ったのは、優勝候補筆頭の佐藤まやの/滝下美月(高松商業)であり、初日からスタートダッシュに成功する。
続くのは、2-6の8点で2位にはこちらも優勝候補の秋吉安恵/帶刀彩衣(別府青山)、そして本来なら3-4の7点で2位スタートだった小成海舞/鈴木風香(宮古商業)が申告ミスにより+3点となり、3位スタートとなった。

一方、こちらも優勝候補、仲 美南/高仲みなみ(霞ヶ浦)は、9-3の12点と早くもカットレース対象順位を叩いてしまい、苦しいスタートとなる。

8/14(金) 天候・晴れ 最高気温32℃

この日も暫定首位の佐藤/滝下は第③レースで失敗したものの、第④レースは3回目のトップフィニッシュで圧倒的優位な状況となった。6点差の2位には仲/高仲が3-2で上がってきたものの、まだまだ苦しい状況。3位には秋吉/帶刀(別府青山)となる。

※全体的に順位の出入りが激しく、早くもこの3艇が抜け出した状況となってしまう。


8/15(土) 天候・晴れ 最高気温33℃

優勝の可能性が既に3チームしかない状況の中で、暫定首位の佐藤/滝下は3-5にまとめたものの、暫定2位の仲/高仲はそれを上回る2-1でカット後、ついに同点となる。

暫定3位の秋吉/帶刀(別府青山)は6-5と銅メダルは確定となった。


8/16(日) 天候・曇り 最高気温31℃

優勝は高松商業なのか?それとも霞ヶ浦なのか?最終決戦となった第⑦レース、リミット時刻ギリギリに予告信号が揚がる。

スタートがまずまずだった仲/高仲は1マーク3番手回航、佐藤/滝下はスタートで大きく遅れ、1マーク14番手回航と完全に勝負がついたように見えた。

しかしながら、ここから脅威の追い上げをみせる。こちらもトップに立った仲/高仲に迫る勢いであり、最後の最後までわからない緊張が続く。
しかし、佐藤艇は2番手まで上がるも勝負有り、仲/高仲のトップフォーンで逆転優勝となった。

3位には、スキッパーのみ上村真利亜に交代した別府青山が銅メダルを獲得した。


※展望通り、2強が圧倒した女子FJ級であったが、入賞校の顔ぶれを見ていくとしよう。



※逆転でインターハイ初制覇!『仲 美南/高仲みなみ』ペア(霞ヶ浦)
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我慢のレースだった・・・

オープニングレースでいきなり失敗、ライバルの高松商業がいきなり1-1で発進したことから、優勝は難しいかと思われたが、その後は全て3位以内であり、同点で迎えた最終決戦で見事逆転した「仲 美南/高仲みなみ」ペア。

今回、ボートスピードは間違いなく№1であり、それを生かしての優勝であった。しかしこれまでのレースには大きな失敗が多かった。5月東日本FJでは、優勝の可能性がありながら、強風レースでトラブルRETやFJワールドでも優勝の可能性があったものの、こちらもトラブルRETで脱落と涙を呑んでいた。

しかし今大会、クルーの高仲は「必ず優勝します!」と、力強い言葉を私に残していったのが印象的だった。

スキッパーの仲は、藤沢市青少年セーリングクラブ出身のジュニアセイラーではあったものの、主要OP世界大会に出場するほどの選手ではなかった。
本人が出場した全国中学校ヨット選手権で、たまたま(この時だけ)付属中学生を引率していた伊勢崎監督と出会う。クルーザー乗りである父・彰英氏の意向もあり、霞ヶ浦高ヨット部の門を叩くことになる。

当初、OPワールド出場した宇田川真乃に比べると、レベル的には明らかに下だったが、毎日の練習で徐々に成長していくと同時にクルー高仲とのコンビもうまくマッチングするようになった。そして江の島インターハイではデュエットメダルに貢献し、その後は前述した通りである。

入学した当初に比べ、表情が明るくなったと同時に、気持ちが表に出るようになったのは大きく変化しており、これはレースに対する自信の表れなのだと、私にはそう感じた。

クルーの高仲は、高校から始めるも、当初はマネージャー志望で入部した生徒だった。しかし監督・コーチに口説かれ、選手になった経緯がある。技術的には上達するものの、ほとんど休みがない苦しい練習には、何度も挫折しそうになったが、結果が出ると同時にそれも薄れていった。

そして420の宇田川/齊藤と併せて女子完全制覇を果たしたことを考えてみれば、彼女がいなかったら、江の島インターハイでのメダルや、今年の完全制覇もありえなかっただろう。
「良く頑張った!」と私は言いたいし、本人も選手になって良かったと心から思っているに違いない。

「優勝おめでとう!」

※霞ヶ浦高は以前男子校だったこともあり、女子FJ級では初の栄冠となった。


※敗れたものの強いレースを見せた『佐藤まやの/滝下美月』ペア(高松商業)
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最終レース、スタートで失敗してしまい、惜しくも準優勝となった「佐藤/滝下」ペア。しかし最初の勢いから見ると負けたのが信じられない位、彼女達は素晴らしいレースを展開していた。

特にフリーレグでのスピード・コース取りが天下一品であり、他とは一線を画していた。これは最終レースでの脅威の追い上げがそれを物語っているのではないだろうか?

高商についていつも思うことなのだが、毎年レースに出るのは3年生が主体であるからして、レースに出れるチャンスは一回しかないことになる。その中で毎年好成績を残していることから、これは素晴らしいことではないのだろうか?

優勝とはならなかったものの、来年以降も素晴らしい選手が続々と登場するに違いないだろう。


※九州№1がメダル獲得!『秋吉安恵/帶刀彩衣』ペア(別府青山)
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JOCで女子準優勝・九州大会では圧倒し、前評判が高かった「秋吉/帶刀」が、その期待に応え、見事銅メダルを獲得した。
今回、全体的に順位の出入りが大きかったレースながら、彼女達は堅い順位でまとめたのがメダル獲得できた要因ではないのだろうか?

また最終レースでは、切磋琢磨してきた九州大会準優勝艇の上村真利亜も出場させ、あくまでもこの種目は団体戦であることを認識させてくれたといっても良いだろう。

別府青山高は、昨年の江の島大会で、女子デュエットで優勝を成し遂げているが、今年度から3校が統合し、別府翔青と名称は変わったものの、現在の2年生までが別府青山で出場し、1年生が別府翔青として出場となる。従って、今年は実現しなかったが、来年は2つの校名でインターハイ出場もあるのかもしれない。
高校ヨット部では最大の部員数を誇る同校は、来年も活躍できる選手を輩出してくるに違いないだろう。


※22年ぶりの入賞!『立石仁美/東谷和香』ペア(大湊)
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初日は8-7と出遅れたものの、海面に慣れたのか、第③レースでトップ回航、碧南に抜かれたものの、2位フィニッシュと周囲を驚かせた立石/東谷ペア。さらには3日目・第⑤レースではトップフィニッシュと大健闘。しかも4~6位は同点ながらトップフィニッシュの数で4位入賞を果たした。

元々大湊は、スナイプ・FJ時代には優勝を含むメダル獲得常連校だったが、近年では特に岩手県勢には歯が立たない状況となっていた。
やはり本州最北端・下北半島にある同校は、特に冬は練習ができない極めて厳しい気候となるのが、大きなハンデとなってしまうのだろう。
しかし、一昨年の唐津インターハイ最終レースでも又村 優(現・明海大)がトップフィニッシュを飾るなど、見所もあり、そしてようやく22年ぶりの入賞となったのである。
トップに2回絡めたことは、大いに自信となったことであろう。来年以降も本格的な古豪復活に向け、メダル獲得を目指し、頑張って頂きたいものである。


※昨年の雪辱を晴らし、しかも5位入賞!『中崎柚香/中村直美』ペア(高松工芸)
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上位とは差があったものの、2日目の健闘もあり、5位入賞を果たした中崎/中村ペア。
このペアは昨年2年生で出場した四国大会で敗退し、インターハイには出場できなかった。しかし今年は出場を果たし、しかも5位入賞と雪辱を晴らしたことになるのではないだろうか?特に彼女達にとっては軽風域のコンディションも味方したのではないのだろうか?

※風域が味方しなかったか?『小成海舞/鈴木風香』ペア(宮古商業)
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強風域で開催された東北大会ではオールトップと快勝し、今大会でもメダル争いに加わるかと思われた「小成/鈴木」ペア。
やはり軽風域のコンディションに翻弄され、力を出し切れなかったか?しかも初日の申告ミスによる加点も影響してしまったようにも思えた。
しかしそれでも入賞できたのだから力はあったのだろう。来年は岩手国体が開催されるのもあり、同県のライバル・宮古高と切磋琢磨し、上位進出して欲しいものである。



※女子完全優勝した『霞ヶ浦』について
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【女子完全優勝を達成した「霞ヶ浦」チーム。左から宇田川・齊藤・仲・高仲】

※以上、入賞校の顔ぶれであったが、やはり女子完全優勝した霞ヶ浦高については触れなければならないだろう。

霞ヶ浦高は当ブログの「高校ヨット部探訪記」でも紹介した通り、卒業生には、アテネ五輪銅メダリスト轟 賢二郎を始め、4大会五輪出場・中村健次、田村 孝、宮井祐治と高校ヨット部では五輪代表・最大の輩出数を誇る名門ヨット部だ。

しかし1993年以降、ソロ・デュエット移行後はその初年度にデュエット初代チャンピオンになったのみで、インターハイへは出場してはいるものの、長らく優勝からは遠ざかっていた。
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【監督自ら、部旗を持ち勝利を祈る!】

長年霞ヶ浦高・いや茨城県の顔とも言うべき・根本茂喜教諭が定年退職した後を受け、2011年にレスリング出身の伊勢崎和仁教諭が監督就任し、5年目にして念願の栄冠を掴んだ。

霞ヶ浦高は今夏・硬式野球部がついに念願の「甲子園」に出場し話題となったが、元々はレスリングが強い学校として全国的に知られている。
そのレスリング部の顧問をしていた伊勢崎監督は、勝負に拘る・いわば勝負根性丸出しといった指導者なのだ。

「勝つ為にはどうすればいいのか?」

それが同監督のテーマであった。

まず着手したのは、レスリング部の教え子・またヨット部OBのご子息を入部させたことから始まる。しかし、ジュニアから親しんでいる生徒にはなかなか敵わないことから結果が出ずにいた。一般生徒もなかなか定着せず、苦労の日々が続いた。

そこで同監督は、男子では優勝を狙うのは厳しいと考え、まずは女子で全国制覇を狙おうと決断し、選手探しに奔走したのだ。その結果、齊藤由莉から始まり、宇田川真乃、仲 美南を入学させる事に成功する。さらには高校・大学で実績のある西村祐司コーチを(教員として)招聘し、現在に至るのである。

一番驚くべきことは、監督の自宅を女子寮として開放したことである。親御さんの経済的負担を抑える意味でこのようにしたのだが、なかなかできることではないだろう。自身はアパートに移り住んであるのであり、この点に関しては最も評価できる指導者だと私は思う。

今回、特に両クラスともに2年生スキッパーでの完全制覇であり、来年も連覇の期待がかかることから、まさに「霞ヶ浦の時代」が到来したといえるのではないだろうか?来年も目が離せないだろう。


※【勝手に女子総合成績】

①霞ヶ浦(茨城)
②高松商業(香川)
③別府青山(大分)
④宮古商業(岩手)
⑤高松工芸(香川)
⑥碧南(愛知)

となった。




※最終章へ続く。

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