2015-09-23 23:30 | カテゴリ:インカレ
※【470級レース総括】
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【470級フィニッシュ前のシーン】 ※この記事の写真は羽田 誠氏より

大会展望では、連覇を狙う松浦朋美/関友里恵(関西学院大)に対し、昨年準優勝の長堀友香/武井裕子(慶應義塾大)、そして今年実績№1の市川夏未/永松瀬羅(早稲田大)、以上三強の優勝争いが濃厚!とお伝えしたが、どうだったのだろう?

簡単に振り返ってみることにする。

9/19(土)  天候・晴れ  最高気温28℃

この日は開会式後3レースを実施、南よりの軽風域でレースが始まったものの、振れ幅が大きいのに加え、潮の流れも速く、難しいコンディションとなり、各チームスコアメイクに苦労する状況となる。

このような状況の中で三強の一角・市川/永松(早稲田大)が、16-17-2の35点12位と信じられないような順位、また長堀/武井(慶應義塾大)は4-6-5の15点の2位と好位置につけるも、これを大きく上回ったのが昨年のチャンピオン・松浦/関(関西学院大)であった。
彼女達が最も得意とする風域で3-1-1の5点とスタートダッシュに成功する。ほとんどのチームが二桁順位を叩く中で圧倒的な優位な状況となり、連覇へ向けて好発進となる。

9/20(日)  天候・晴れ  最高気温27℃

前日の沖風から一転、北東を中心とする陸風、そしてO旗も揚がるコンディションとなった2日目は4レース実施。この日爆発したのは、前日12位スタートと不本意なレースとなってしまった市川/永松(早稲田大)であった。圧倒的なボートスピードでレースを支配し、1-3-1-1にまとめ、この日5-15-5-5となった前日首位発進の松浦/関(関西学院大)に対し、4点差の2位と猛追。

前日2位発進の長堀/武井(慶應義塾大)は、4-8-17-3と平均的ではあったものの、松浦との差は初日の10点差が変わらず、優勝争いは事実上、松浦・市川との一騎打ちとなる。

9/21(月)  天候・晴れ  最高気温27℃

昨日と風向はほぼ一緒であるものの、風速は若干弱め、そして最終レースが始まった。
優勝は松浦なのか?それとも市川が逆転するのか?注目の①マークでは、松浦7番手・市川10番手回航と松浦が優位な体制となる。

ところが追い上げる市川は、ケースによりペナルティを履行することになり、大きく後退。この時点で松浦の連覇はほぼ確定となる。また3位の長堀は6番手フィニッシュとなり、市川を逆転し準優勝、市川は3位でレースは終了した。

※以上がレース推移だったが、入賞チームの顔ぶれを紹介するとしよう。



※470級4人目の連覇達成!「松浦 朋美/関 友里恵」(関西学院大)
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【両クラスとなると通算6人目の連覇達成!松浦/関ペア(関西学院大)】

今年の女子インカレで、注目点の一つであった「松浦/関ペアの連覇達成なるか?」ではあったが、昨年は堅いレースであり、決して目立つレースではなかったものの、ライバルの思わぬ脱落により勝利が転がってきたようにみえた。

しかし今大会は違った。強力なライバルチームが多かった中、初日の難しいコンディションを3-1-1と女王に相応しい走りで、大きくリードしたのが印象に残った。
2日目は追い上げられはしたものの、堅いレースでまとめられたのも昨年同様であった。やはりヨットレースでは序盤がいかに重要であるか?というのを彼女達は教えてくれたのではないだろうか?

松浦は卒業ではあるが、クルーの関はまだ3年生であり、史上2人目のクルー3連覇の期待もかかる。是非頑張って頂きたいと思うのである。

『連覇達成本当におめでとう!!!』


※2年連続準優勝!「長堀 友香/武井 裕子」(慶應義塾大)
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【総合初優勝へ大きく貢献!長堀/武井ペア(慶應義塾大k)】

昨年はあと一歩のところで優勝を逃し、非常に悔しい思いをした「長堀/武井」であったが、今年は堅いレース運びではあったものの、トップフィニッシュがなかったなど決定力を欠き、残念ながら頂点には届かなかった。

とはいうものの、今年は同校女子インカレ初優勝に大きく貢献。特に長堀は慶應女子が本格的に再始動した中で中心的な存在となり、他の女子部員を牽引してきた。その功績は大きいだろう。

またクルーの武井も大学からヨットを始め、関東個人戦を優勝するまでになり、今年女子クルーの中で最も活躍した選手なのは間違いないだろう。


※チャンスを逃すも3位入賞!「市川 夏未/永松 瀬羅」(早稲田大)
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【実力№1のスピードはみせてくれた市川/永松ペア(早稲田大)】

今シーズンは怒涛の活躍で、実績№1と優勝候補であった「市川/永松」だったが、初日の1・2レースで大きく失敗し、どうなるかと思われたが、2日目は1-3-1-1と完璧なレースをみせてくれた。圧倒的なボートスピードは間違いなく№1であり、優勝戦線まで復活したのだからさすがという他はないだろう。
優勝は逃したが、両者それぞれあと1回チャンスは残っている。来年はさらに強くなり、優勝候補筆頭の存在になることは間違いないだろう。


※初入賞!「新谷つむぎ/小松 日向」(日本大)
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【来年への足掛かりになったか?新谷/小松ペア(日本大)】

一昨年はクルーで4位入賞、昨年はスキッパーとして振るわなかったものの、今年はトップフィニッシュがあったなど4位入賞となった「新谷/小松」ではあったが、重要ポイントで笛を吹かれたり、ケースなどにより順位を落とす場面が多かったのは、少々もったいなかったか?
この数年の日大は新谷がクルーで出場したように、クルー不足が課題であったが、小松が入学し勝負はこれからだろう。来年はレベルアップし優勝戦線に絡んで欲しいものである。


※二年連続の入賞!「林 優季/木村沙耶佳」(明海大)
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【見せ場は作った?林/木村ペア(明海大)】

昨年は6位入賞、そして2年連続ジュニアワールド代表の彼女達だったが、5位入賞に留まった。きっちり入賞したことは立派だが、彼女達の力・そして経験値からみれば、不本意だったに違いないだろう。
今シリーズも苦手としている軽風域で苦戦してしまったことから、来年へ向けてこの課題をクリアすれば、優勝戦線に絡めることができるだろう。順風域以上のボートスピードは、女子トップクラスであるのは間違いないのだから・・・。


※苦しみながらも6位入賞!「松田のどか/牟田 琴美」(日本経済大)
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【女子インカレ初入賞!松田/牟田ペア(日本経済大)】

スコア的にはまずまずだったものの、6位入賞に留まった「松田/牟田」ペア。しかしながら、初日・2日目共に最初のレースでつまづいてしまったのは、コース攻略が少々甘かったのかもしれない。団体戦でレギュラーとして活躍している彼女達の力はこんなものではないだろう。来年は是非リベンジを果たして欲しい。


※以上が470級入賞チームの顔ぶれだったが、7位に中山由紀美/宮野菜々(日本大)や、9位ではあったものの、最終レースでトップフィニッシュした鄭 愛梨/後藤明希子(九州大)のルーキー勢も健闘したといえるだろう。

またベスト10を見れば下級生スキッパーが7名と来年も熱き戦いが待っていること間違いなしである。



※【スナイプ級総括】
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【スナイプ級のスタートシーン】

※470級に続いて、スナイプ級の総括に入ることにする。

大会展望では混戦模様になるのでは?とお伝えしたが、実際はどうだったのだろう?レース推移を見ていくことにしよう。

9/19(土)  天候・晴れ  最高気温28℃

470級でもお伝えした通り、難しいコンディションの中、5チームが3レースをシングルでまとめる。初日3-2-2の7点と堅いレース運びで首位に立ったのは阿部七海/窪田明莉(慶應義塾大)だった。 続くのは、6-1-1の8点ではあったが、2回のトップフィニッシュで力を見せつけた中山由佳/上田育美(日本大)、3位にはオープニングレースでトップフィニッシュを飾った笹川莉奈/桑本美紀(和歌山大)、ルーキー池田紅葉/稲垣美穂(日本大)が同点の11点で続き、実力あるチームが順当に上位へ連ねる結果となった。

9/20(日)  天候・晴れ  最高気温27℃

この日も暫定首位である阿部/窪田、2位の中山/上田は上位で安定しており、完全に抜け出す。しかしながら阿部/窪田は第7レースで沈によるRETを余儀なくされ、カットレースとはなったものの、首位を中山/上田に明け渡すことになる。しかしながら僅か1点差。優勝争いは最終レースで決まる熾烈な争いとなった。

この日9-1-4-1と2回のトップフィニッシュで一気にジャンプアップしたのは、前日5位スタートだった岸 祐花/伊藤美波(中央大)のルーキーであった。しかしながら中山がこの時点でカット対象点数が僅か6点だったことから、既に上回れないことが確定してしまう。

9/21(月)  天候・晴れ  最高気温27℃

優勝は中山なのか?それとも阿部なのか?その最終決戦では、阿部/窪田が抜群のスタートを切り、1マークをトップ回航。

一方中山は、コースミスにより9番手回航と出遅れる。この時点で中山の優勝条件は阿部を抜くことのみの状況となり、苦しくなる。
阿部はマーク毎に後続を大きく離す快走をみせ、トップフィニッシュ。見事な逆転劇であった。2位には中山、3位にはこの日も2位フィニッシュをした岸がそのまま入り、レースは終了した。

※以上がレース推移であったが、スナイプ級の入賞チームの顔ぶれを紹介するとしよう。



※逆転で同校初のクラス優勝!「阿部 七海/窪田 明莉」(慶應義塾大)
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【絶好のチャンスをモノにした阿部/窪田ペア(慶應義塾大)】

上記で述べた通り、逆転優勝を飾った「阿部/窪田」ではあったが、女子インカレでは既にこのコンビも3年目にしてついに栄冠を掴んだ。それまでも団体戦でもレギュラーとしての活躍や、スナイプ女王持田由美子を追い詰めるレースもあったが、詰めの甘さで敗れることが多かった。
しかし今年は違った。特に第7レースのRETで精神的に大きなダメージだったはずである。しかし翌日は切り替えて会心のレースをみせたことは大きく成長したことを物語っているのではないだろうか?

阿部はジュニアからヨットを始めているものの、決して目立つ存在でなく、クルーの窪田は大学からチャレンジし、このような選手でも努力すれば優勝できることを彼女達は教えてくれたのではないだろうか?

「素晴らしい逆転劇であった・優勝おめでとう!」


※惜しくも準優勝!「中山 由佳/上田 育美」(日本大)
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【完全復活!中山/上田ペア(日本大)】

同校スナイプ3連覇を託され、今大会優勝候補であった「中山/上田」だが、最終レースで逆転を許し、惜しくも準優勝となった。
今大会、クローズでのボートスピード・コース取りなどは明らかに№1であった。しかしながらこの準優勝は彼女にとって、自信を取り戻せたレースではなかったのか?
というのも、インターハイ連覇の看板を引っさげて入学したものの、好成績はなかなか残せず苦しんだことだろう。しかし今回負けはしたものの、あと1回はチャンスが残されている。本来の強さが戻った彼女なら来年は必ずやってくれることであろう。


※ルーキーで3位入賞!「岸 祐花/伊藤 未波」(中央大)
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【最優秀選手賞獲得!岸/伊藤ペア(中央大)】

今回、積極的なレースをみせ、トップフィニッシュ2回と今大会特に目立つレースをしていた「岸/伊藤」がルーキー勢最高位を獲得した。元々岸はジュニア時代にはOPワールド出場、ユース時代にもレーザーラジアルでユースワールドへ出場したこともある優秀な選手である。今大会もクローズで積極的なコース取りでトップ回航があったり、ダウンウインドの走りはさすがは元レーザー乗りであると私は感じた。

本来はスキッパーである伊藤も慣れないクルーで健闘した。このコンビネーションが最高潮に達したら間違いなく来年は優勝候補筆頭となることだろう。

尚、岸は最優秀選手賞を獲得したが、1年生での受賞はおそらく初めてである。それだけ今大会を盛り上げたのは間違いないだろう。

※関東チャンピオンは4位入賞!「根本 彩加/石川紗葉子」(法政大)
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【2回目の入賞!根本/石川ペア(法政大)】

関東チャンピオンとして優勝候補でもあった「根本/石川」であったが、初日2つのレースで二桁順位を叩き、優勝戦線から脱落したものの、2日目以降はオールシングルにまとめ、4位まで浮上した。
元々ルーキーイヤーは5位入賞したことから、実力はあるのである。団体戦でもこのコンビで出場していることから、今後も成長してくれることは間違いないだろう。


※2年連続の入賞!「高橋友海/松岡嶺実」(早稲田大)
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【今年は5位入賞!高橋/松岡ペア(早稲田大)】

昨年3回のトップフィニッシュで大いに沸かせた「高橋/松岡」であったが、5位入賞と2年連続の入賞となった。正直今年はクルーも大学から始めた松岡だったことから入賞も苦しいかと思われたが、後半戦はトップフィニッシュがあったなど大いに健闘したと思う。
高橋は最後となったが、短期間でここまで成長した松岡の存在は同校にとって大きい。来年のスキッパー次第では、久々の総合優勝も狙える戦力になったことは間違いないだろう。


※こちらもルーキーで6位入賞!「池田 紅葉/稲垣 美穂」(日本大)
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【日大は2チーム入賞!池田/稲垣ペア(日本大)】

中央の岸と同様、ルーキーらしからぬ堅いレース運びでレースを盛り上げた「池田/稲垣」は後半2レースで崩れてしまったものの、6位入賞を果たした。ライバル岸には先着されてしまったものの、この入賞は立派だ。
この選手も女子インカレだけでなく、団体戦でも十分通用する逸材である。もう少し乗り込んだならば、脅威の存在となることは間違いないだろう。是非頑張って欲しいものである。

※470と同様、10位までのスキッパーを見てみると、なんと8人が下級生であり、来年も激戦になることは間違いないだろう。



※女子インカレ総合初優勝に輝いた「慶應義塾大」について
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【総合初優勝の慶應チームのメンバー (左より窪田・阿部・長堀・武井)】

前評判通り絶好のチャンスと思われた慶應義塾大が女子インカレ初優勝に輝いたが、選手はもちろん、関係者の皆さまには心より「おめでとう」と言いたい。

特に同校の部員においては、塾高(男子校)出身が多いことから女子部員は皆無に等しかった。しかし近年ではAO入試の導入により、明らかに変化しつつあった。その最初が長堀友香・阿部七海であり、彼女達の最終学年で優勝できたのは大きいことだろう。

しかもクルーは武井裕子・窪田明莉と大学から始めたメンバーで、経験者と遜色ないレベルまで引き上げ成長したのも見事であった。

但し、ここまでの道のりは長かった・・・。OB会が中心となって「全日本を勝てるチームにする」ことを目標にし、様々な施策を実施してきたことは、私も十分承知している。

その中で一番驚いたことは、他大学OBをコーチとして招聘したことである。どの学生スポーツでもそうだが、(特に)伝統校ではなかなか他大学の血は入れたがらないだろう。五輪代表・佐竹美都子氏(同志社OG)や高校ヨット部コーチも務めたワールドチャンピオン・堤 智章氏(同志社OB)、そして現在のコーチであるスナイプチャンピオン名クルー・上田真聖(福岡大OB)と錚々たるメンバーだ。

共通点としては、近年の全日本インカレ優勝経験校出身だということだ。本人達は「大したことを教えていない」と口々におっしゃるが、そんなことはないだろう。部の体制そのものを変革したのは間違いないのだから・・・その証拠に今年の同校は負けなしに近い戦績である。

まずは女子インカレで全日本チャンピオンを手にした。次は最大目標の団体戦だ。どのような戦いを見せてくれるのかが非常に楽しみである。


※今年の同大会はエントリー数も復活、さらには470級では連覇達成、そしてスナイプ・総合では初優勝校が出るなど実り多き大会となったことは間違いないだろう。
来年は25回大会と四半世紀の節目であることから、両クラス共にフルエントリーとなるよう積極的に女子学生セイラーはこの大会出場を目標とし、精進して頂きたいと思う。


さて、今週末から「江の島全日本インカレ」の出場権を懸けて、水域代表が続々と決定する。(北海道・東北・四国・九州は既に決定)
体調に留意し、学生セイラーは頑張って頂きたいと思う。


以上









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