2014-07-07 13:00 | カテゴリ:外道無量院(インカレ)
突然、大学ヨットご意見番の「外道無量院」氏よりメールが届いた。
何かと思ったら、ユース世代にとっては重要な進路の話である。最近では少子化の流れを受け、各大学ヨット部においてもセレクションの枠が広がり、ヨットを続けられる状況になったのは誠に喜ばしいことである。
大学ヨット部の体制で昔と大きく変わったのが、「外部コーチの存在」ではないのか?今や全日本インカレで活躍している大学では、積極的に採用されている。
進路を決定する重要なポイントとして参考にされたい(なま)
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【昨年の西宮全日本インカレより】


日本経済大
470片クラスながら、創部10年余りで全日本7勝と常勝軍団となった日経大は、モスクワ五輪470級代表の三船和馬監督(福大OB)が中心の体制。大学職員扱いでフルタイムのヘッドコーチ格だった岡村勝美(福大OB)は、昨年の春に退任。

明海大
磯辺高・検見川高を指導してインターハイ制覇の実績をもつ國府田由隆が監督に就任以来、並木淳(日大OB)などの日大OBを中心に外部コーチを積極採用してきた。現在、関東では唯一のフルタイム(大学職員扱い)のプロ・コーチで、ロス・ソウル五輪FD級代表の脇永達也(山口・聖光高~ホンダ~ニッポンチャレンジ他)が担当。ついに昨年の全日本インカレでスナイプ級優勝と成果出す。

早稲田大
モントリオール五輪470級、ソウル・アトランタ・バルセロナ五輪ソリング級代表の小松一憲(日体大~ヤマハ他)。要所要所でのテンポラリーコーチは現役選手時代の30年以上前から続く長い付き合い。ロンドン五輪後の昨年夏以降、5年振りに復活した。年間50~60日程度とテンポラリーな外部コーチとしては指導日多い。また、OBだが今年からロンドン五輪470級代表の原田龍之介がコーチ陣に加わった。

慶應義塾大
2007年に両クラスが関東インカレで落選した後は、脇永達也(前述)、佐竹美都子(同志社OG・アテネ五輪女子470級代表)、など積極的に外部コーチを採用してきた。2年ほど前からは上田真聖(福大OB)が担当。スナイプ級全日本チャンプ複数回のスナイパー。年間で30~40日程度か。
なお、上田は慶應のコーチを引き受ける前までは2年ほど関西大のコーチをしていた。

立教大
甲斐幸(佐渡高OB~ホンダ~後、ウルマンセイルズ・ジャパン主宰)。1979年470級世界チャンプ。
スナイプでも1980年代に西半球2位、ワールド3位。他、レーザー、470、スナイプ、そしてA級と国内全日本主要クラスタイトルは全て保持する天才セーラー。しかし、残念ながらご本人が2014年福岡マスターズワールドに出場の為?2年前には退任した模様。他にも堤智章(同志社大OB/元監督・470級世界チャンプ)も3年ほど前までコーチしていた。2名の470級世界チャンプが揃った豪華コーチ陣の時代もあったのだが……。

京都産業大
2年ほど前から高橋洸志(早稲田大学OB~豊田自動織機)が週末にコーチをしている。

関西学院大
8年前にアテネ五輪から帰った雜賀秀夫(日大OB)がヘッドコーチに就任。理不尽にも思える独特の指導法で弱小化したチームを短期間で強豪に仕上げた。この影響なのか関西水域では以降、外部コーチ招聘のブームとなるが、残念ながら当時の河野健二監督と時を同じくして3年前に退任。以降はOB陣のみによる指導に戻ったようだ。

甲南大
ロス五輪470級代表の山本悟(福大OB~京都大丸~ベンガルベイチャレンジ~ベネッセ他)。
全くのテンポラリーで年間で10~15日程度と指導日は少ないが、激戦水域で全日本インカレに両クラスを通したり、全日本女子インカレ準優勝、全日本ジュニアスナイプ優勝など成果は多い。実は、ここに限らず、ユースから五輪選手まで世話になった選手は多く、知る人ぞ知る本格派のプロ・コーチ。

和歌山大
バルセロナ・シドニー五輪レーザー級代表の鈴木國央(三重海星OB)。頻度や内容等詳細不明も主要大会では必ず見かける。他に2年前までは河野健二(関西学院大OB/元監督)が、教え子の市野直毅(関西学院大OB)のトレーニングに一緒して1年ほど指導していた。

近畿大
ロンドン五輪予選終了後から昨年まではアテネ五輪女子470代表の吉迫由香(同志社OG)。
寿退任で今年からはアテネ五輪470級銅メダリストの轟賢二郎(京産大OB~関自工・現トヨタ自動車東日本)。就任間もないが、結構な頻度で来ている模様。

大阪府大・金沢大・新潟大・東北大
忙しすぎるプロ・コーチ、高木克也(日大OB)。全盛期、五輪キャンペーンは国内段階で早々と脱落するも、国体や全日本にはめっぽう強かった。フットワークが軽く、全国どこにでも駆けつける。物販術にも長ける営業マン。

鹿屋体育大
アトランタ五輪レーザー級、シドニー五輪49er級日本代表の佐々木共之(関東学院高校OB~横浜市消防局)。関東<->鹿屋という遠距離なのでテンポラリーで年間20日間程度ではないか。

*内部(自らの出身大)ではありますが、上に挙げたコーチに匹敵する優秀な内部コーチ陣を有するのは?

日本大
アテネ五輪470級銅メダリストの関一人(日大OB~関東自動車工業・現トヨタ自動車東日本)。2年前ほど前から年間20~30日ほど指導。年々、指導する日は増えているように聞いている。また、時々は北京・ロンドン五輪女子470級代表の吉田愛(旧姓・近藤)も指導しているようだ。

同志社大
ご存知のように「うるさ型」の熱血OB多数。その中でも代表的なのは兵藤和行(同志社大OB~アトランタ五輪ソリング級代表~ニッポンチャレンジ他)だろう。

以上、ご参考まで。

合掌

外道無量院

2014-05-27 10:45 | カテゴリ:外道無量院(インカレ)
学生セーラーの皆さまお待たせ致しました!学生ヨットレース予想屋!?もとい学連ご意見番の「外道無量院」氏より『春シーズンランキング』が届きました。
外道さんはどのような評価をされたのでしょうか?ご覧下さい。
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【関東春季インカレ470級のレースシーン】
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この春の各水域でのインカレが終了したので、既に済んでいる個別対抗戦の結果を加味して恒例の春シーズン時点での「勝手ランキング」を付けさせて頂く。

◎【470級】

関東春インカレを制した日大。4年生レギュラー選手がいなかった昨シーズンの延長戦上を考えれば、そっくりとメンバーが残って圧勝かとも思えた。しかし3年生スキッパーが一人消えてしまいがっかり。その穴を神谷圭祐(3年・碧南)、新谷つむぎ(2年・横浜創学館)が3番艇のレギュラーの座を争う構図のようだ。
エース・中村睦宏(4年・中村三陽)は、初日のBFDや微・軽風の2日目の2レースを崩したりと決勝に入って今一つであった。玉山千登(2年・中村三陽)が成長し、無難にまとめたのが勝利に貢献した。心配された3番艇は横文字もなく無難にこなしていた。初舞台だったことから及第点をあげても良いだろう。
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【早稲田・小泉、日大・中村エース同士の熾烈なトップ争い!】

決勝初日の第3レースで2艇がブラックに引っ掛かり、結果的にこれが響いて6点差で日大の後塵を拝した早稲田。新人の岡田奎樹(1年・唐津西)は、オールシングルの艇個別での最少失点で走るという期待以上の大活躍だった。エース格の小泉颯作(3年・光)は、先に述べたBFDが痛かったが、日大主力が崩した2日目・微軽風域での2本を共にトップフィニッシュするなど面目を保った。3番艇を任せれたのは(昨年)スナイプから転向の山口優(4年・唐津西)。多くの艇がブラック
でのゼネリコで排除された後のレースでトップを引きながら、これがフィニッシュ後に痛恨のリコールだったのが非常に痛かった。結果、チームで唯一の三桁失点になったのが準優勝と優勝を分けた形となった。

全艇が全レースを横文字なく走り切った明海大は、2日目の1本目を終わった時点で一度はトップにたったものの、最終レースでは3艇が揃って大叩きして3位に終わった。これを教訓に一皮剥けるか?

昨年の全日本インカレで土が付いた日経大。エース格の磯崎哲也(4年・福岡第一)が西日本インカレを圧倒的なスコアでまとめて優勝。しかし、今年は2・3番艇を女子下級生を中心とした形での3~4艇からのレギュラー争いとなりそうである。
あくまでこの春時点の比較で言えば、例年ほどの安定感は無いように感ずる。

この日経大勢に敗れたものの、僅差の健闘を見せた九州大。北詰有人(4年・逗子開成)、田中航輝(3年・清風)という実績のある二人に加え、大村聡信(4年・筑紫丘)が成長してチーム力の大幅な底上げが出来つつあるように思える。ようやく全日本でも入賞圏内の力を付けたか。

同志社ウィーク、メイレガッタ、関関同立定期戦などで圧勝した同志社。昨年の全日本インカレを制した村田俊彦(3年・福岡第一)、準レギュラー格だった徳重樹(4年・中村三陽)に加え、新人の渡辺駿(1年・中村三陽)がデビュー戦から素晴らしい走りを見せ続けている。例年、春先はイマイチでも夏合宿を経て秋になると一変する というのが同志社の印象なのだが、現時点からこの勢いなら、昨年に引き続いての2連覇も充分に可能性がありそうだ。


以上が全日本インカレでクラス優勝の可能性を持ったチームであろう。

それでは勝手に春シーズンランキングを付けさせて頂こう。

1位・・・・同志社
2位・・・・日経大
3位・・・・早稲田
4位・・・・日大
5位・・・・九大
6位・・・・関西学院

以下、入賞に可能性を残す7位~9位には明海大、中央大、慶應義塾。

関東インカレでは日大が優勝したが、現時点では内容的に早稲田の力が上とさせて頂いた。


◎【スナイプ級】
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【井嶋兄弟1・2が決まった瞬間!兄が弟に華をもたせた、美しき兄弟愛!?】

昨年のメンバーがソックリと残った上、さらに新人・井嶋博之(1年・霞ヶ浦)がバックアップに控える形となった日大。予想通りに文句なしの関東王者となった。
主将・伊村仁志(4年・碧南)が、オールシングルのエースらしい完璧な結果を残したのをはじめ、井嶋清芳(4年・霞ヶ浦)、持田由美子(4年・磯辺)も崩したのは1レースづつのみという磐石の体制と見えた。

春の関東インカレで2位と大健闘した中央大、2艇のスキッパーが代わった3位・早稲田、2・3番艇のメンバー固定が出来なかった4位・慶應義塾は、現時点では日大とは大きく水が空いている感がある。

470級同様に、春シーズンの水域内レガッタや対抗戦で隙を見せなかった同志社。垣野雅人(4年・清風)、山田剛士(3年・中村三陽)という昨年来のレギュラースキッパー陣に、中川健太(3年・延暦寺学園)が3番艇のレギュラーの座をガッチリ
とつかみつつあるようだ。

関西水域での常勝チーム・関西学院に関西インカレでは互角の走りを見せた事から、密かに楽しみにしていた関大のスナイプ陣。「関関同立」の4大学対抗戦でも同志社には敗れたものの、久々に関西学院には勝る結果を出した。部活動自粛期間以降、低迷を続けていた感はあったが、復活への兆しが感じられるのは嬉しいものだ。この勢いで頑張ってほしい。
反面、同じく自粛期間があった立命館は低迷が長引いている感がある。こちらも復活が待たれる。
一方で、昨年は両クラスの個選チャンプを生むなど、全日本インカレ直前までは随一の戦力があった関西学院がさえない。エース格の舟木葵(4年・中村三陽)の走りもイマイチなら、2・3番艇はレギュラー格が定まらないのか、とっかえひっかえの起用が続いて混乱気味。同じことはやはり春シーズン不調に終わった関東の慶應義塾にも見られたこの春の共通した戦いぶりであった。

九州王者の鹿屋体育大。部員不足から春シーズンはスナイプ特化の片クラス配艇。そうなると逆にクルーを含めた全選手が高校以前からの経験者という強みが発揮できているようだ。ここ最近の傾向から言うと、サバイバルな状況になった時の鹿屋体大スナイプ勢の強さは出色で、全日本インカレでもそういう状況があれば一気に優勝争いまで割って入ってくる可能性も感じさせる。

部員不足から西日本インカレに両クラスで3艇揃わずに「オープン参加」となった名門・福岡大。それでも、片クラスに選手を寄せたりせず、両クラスにチームを分けてエントリーして来たことに「名門の意地」を感じる。この春は、地元の名門校・中村三陽高での経験者多数を含む多くの新人が入部したと聞く。入学早々からレギュラーとしての出場機会に恵まれるというメリットを生かし、地元開催の11月の全日本インカレ、そして来年以降には「名門復活」を期待したい。

それではスナイプ級の勝手ランク付けを470級同様にさせて頂こう。

1位・・・・日大
2位・・・・同志社
3位・・・・鹿屋体
4位・・・・中央
5位・・・・早稲田
6位・・・・関大

入賞圏の可能性を残す7位~9位候補には慶應義塾、関西学院大、九州大とする。

以上の2クラスの力から、総合のランキングをこれまた勝手にさせて頂く。

◎【総合】

1位・・・・同志社
2位・・・・日大
3位・・・・早稲田

以上が「3強」だろう。

両クラスのバランスから、この「3強」は4位以下を少し引き離していると感ずる。
4位~8位は横一線の争いで、中央、慶應義塾、関西学院、明海、九大といったところか。

以上はあくまで春シーズン時点の評価であり、かつ、個人的にランキングした「勝手」なものである。名前があがらなかったり、不本意な評価だと感ずる者には、「発奮」を期待しての事として前向きに受け取って欲しい。今後の夏合宿や秋の本格的なレースシーズンに向け精進・努力し、この評価を見返して欲しいと思う。

秋に私を驚かしてくれる上昇チームが出現する事を祈念する。


合掌

外道無量院

2013-11-07 16:30 | カテゴリ:外道無量院(インカレ)
※外道無量院氏による総括(レースダイジェスト)
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【総合2連覇を達成した『同志社大学』。今年は昨年とは逆に、470がスナイプを牽引する形での勝利となった】

各種メディアで既報のとおり、第78回全日本インカレは、同志社大の総合2連覇、470級優勝と明海大のスナイプ級優勝・総合準優勝に終わった。

一言で言うと、何とも風に恵まれないシリーズであった。

レース開始日の前日の天気図を見て、これは最終日以外に吹きそうもないという前兆はあった。

さて、それではまず、振り返ってレース経過を見てみよう。
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※11月1日(レース1日目)

高気圧の中心に覆われ、最悪は1日中風待ちでレースが無いことまで考えられた予報とはうらはらに、皮肉な事に結果的にはこのシリーズ中では一番風に恵まれた日となった。470級ではところどころでO旗も上がり、両クラスとも予定された3レースを実施出来た。

スタートラインから第一マークまではたっぷりと1500~1600mほどあり、BHMに書かれたように「ショートコース」という印象は無い。但し、600~700m以上は楽にあるように見えたスタートラインが長すぎたのではないか?

◎【470級】

この初日を終えてトップにたったのは関東王者の日大であった。

エース・中村睦艇が、2・4.1着とほぼパーフェクトに走ったのをはじめ、若林艇も9・14・13着。2番艇のスコアとしてなら合格点だ。心配された玉山艇も25・9・19着でまとめて96点/3レース・32点/レースなら文句のない「クラス優勝」以上のペースだ。

2位につけたのは地元の関西学院大。3艇がそれぞれシングルを1回づつとり、133点/3レース・44・3点/レースならまずまずのクラス優勝ペースとも考えられるが、第1レースのスタート時にいきなり神木艇がジュリーから笛を吹かれ、その後の動きがめっきり悪くなった事を考えると、スコアよりこれが痛かった印象を受けた。

3位は昨年の王者・日本経済大で146点。エース・土居艇が7・5・17と、条件を考えると二つのシングルで順調な出足にも思えたが、三番艇(この初日から早くも乗り替わり)が第2・第3レースで39・31と叩いたのが響いた形。

以下、4位・同志社大169点、5位・明海大200点、6位・九州大・206点、7位・早稲田大・228点と続く。早稲田は第2レースで山口優艇の49着がDSQとなって+24点が多少響いた形だ。昨年、このクラス準優勝の慶應義塾大は全く精彩なく297点・12位と早くも暗雲が漂う。長堀友香艇が第3レースで3着となったのが唯一の見どころで、あとは全く艇団に沈んだ印象であった。

他のトピックスとしては、立命館大が出艇申告を忘れて3艇X3レースの着順に、14点×3艇×3レースの126点のペナルティーを食らって381点・16位と撃沈。

「監督不在」が、初日からこういう形で悲劇を生んだのか?


◎【スナイプ級】

初日の3レースを終えてトップにたったのは関東で準優勝した明海大であった。

伊東艇・川戸艇が第2レースまでともに2・4着と9・2着というオールシングルでまとめる。第3レースでその2艇が42、25着と崩れると、それまで36・12着だった田上艇が8着となって140点/3レース・46.7点/レースならまずまずの初日スタートダッシュだ。

2位は昨年のこのクラス王者である同志社大。第一レースで2・3番艇が6、4着と走ると、第二レースではエース・山田艇がトップを引いた。第三レースでは63点/レースを叩いたが、150点/3レースなら「総合優勝」への及第点だ。

3位は早稲田大・156点、4位・明治大・165点、5位・関西学院大・200点、6位・立命館大・203点、7位・日本大・215点と続く。

有力と見られていた地元の関西学院は、心配された樫原艇は第二レースでシングルをとるなど64点/3レースと3番艇としてなら及第点。しかし、エース・小栗艇は38点と何とか粘ったが、2番艇の舟木艇が98点と評判倒れの印象であった。

早稲田はエース・桐岡艇が2回のシングルをとって36点/3レースと関東インカレでの不振を脱した印象で健闘し、島本艇も目立たないながらも43点/3レースなら及第点。明治は3番艇のスキッパーに落選した470級チームから成田有沙を抜擢して起用していたのが印象的であった。日大は無難に走った印象も、第一レースでの井嶋艇23着がDSQとなった+50点が響いた形。慶應義塾大は、ルーキー・佐藤帆艇が14・5・7と気を吐いたが、全日本個選で準優勝した加藤賢艇が3レースとも全く冴えず艇団に沈みっぱなし。223点・9位と470チーム同様に苦しい初日となった。

◎【総合】

1位・日大・・・・・・311点
2位・同志社大・・・・319点
3位・関西学院大・・・333点
4位・明海大・・・・・340点
5位・早稲田大・・・・384点

と、1位・日大から4位・明海大までが僅か29点差、5位・早稲田まででも73点差という僅差に5つの大学がひしめく大接戦。

一方では、

6位・九州大・・・・・518点
7位・慶應義塾大・・・520点
8位・鹿屋体育大・・・536点
9位・関西大・・・・・549点

と「入賞」の最後の椅子である「6位」を巡っては4つの大学が激しく争うという構図になった。

それでは、「勝負」というか、「明暗」を分けた2日目に続く!

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※11月2日(レース二日目)

初日に引き続き、本日も岸から吹く微・軽風であった。

スタートラインは長すぎた初日から修正されて500~600mほどか。

◎【470級】

この日の最初の第四レースで爆発したのは初日7位と出遅れた早稲田だった。

2・7・10着と3艇が見事にまとめ(後の審問でに4着の艇がDSQとなり、2・6・9の)17点で、一挙に優勝争いに割り込んでくる。

初日トップの日大も5・8・38着(同様に4・7・37の)48点で、首位の座は譲らない。

前日2位の関西学院は4・20・28着・52点と何とか追随したかに思えたが、後にエース艇が審問の末にDSQとなって73・19・27で119点となり、ここで脱落。4着が73点(+69点)とはこのシリーズ中の他の
DSQと比較しても何とも痛い失点だった。

同3位の日経大は12・14・17着(同様に11・13・16で)40点と上位との差を着実に詰め、同4位の同志社大は1・9・18(同様に1・8・17で)26点と早稲田に次ぐ快走を見せて首位を射程圏に入れてくる。

同5位の明海大が13・16・21着(同様に12・15・20で)47点と粘れば、同6位の九州大も3・15・19着(同様に3・14・18で)35点と追撃態勢を緩めない。

第四レース終了時の上位陣の累計では、

1日大   144点
2日経大  186点
3同志社  195点
4九州大  241点
5早稲田  245点
6明海大  247点
7関西学院 252点

となった。

そして、今シリーズの勝負を決した第五レースがさらに弱まる風の中でスタートした。
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【唯一の3艇フィニッシュで断然優位に立った『同志社大』】

上位艇が上マークを回る頃に風はさらに弱まるとともに東よりにシフトし、上マークを回った艇団がサイドマークを目指すレグはランニングになった。

このレースを中止するなら唯一のチャンスだったろうが、どこの誰がきめたか

「上マークを先頭艇が回ったら中止しない」

というRRSの何処を読んでも見つからない「インカレ不文律の掟」?が、今年もまだまだ生き続けているようだ。

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【トップフィニッシュ後、祈るようにチームメイトを見守る「山口祥・谷口柚」組(早稲田大)あまりにも後続と離れていた為、フィニッシュするかしないかの判断は難しかったようだ】

第二上マークを回る頃からさらに刻々と弱まる風の中、先頭でフィニッシュライン手前に来た早稲田の山口祥艇は味方の位置を眺め、スピンを降ろして止まって待つというこれもインカレならではのシーンを見せた。しかし、後続艇も追いついて来ていたのでそれは時間にして2分は無かっただろう。結果的にはその「待ち時間」のおかげで助かったのは他大のみで、早稲田にもDNF艇が出るという何とも皮肉な結果となった。

ここで各チームにDNFが続出する中、3艇すべてがフィニッシュ出来た唯一のチームとなったのが同志社。それも、5・6・7着の18点でまとめて文句なく首位に躍り出る。

前レースまでトップだった日大は2艇がDNFで痛恨の165点。同2位の日経大も1艇がDNFで101点、同4位九州大も1艇DNFで107点。同5位早稲田もトップを含む2艇がシングルながら残る1艇がDNFで83点、同6位の明海、同7位の関西学院も1艇はDNFとなり、それぞれ104点、93点となり、ここで同志社だけが飛び出す形となった。

結局、このレースのあと2時間ほど海上で風待ちとなったが、レース二日目はこれで終了となった。下はここまでの二日間・5レースが終了した時点でのクラス順位。

1位・同志社大・・・213点
2位・日経大・・・・279点
3位・日大・・・・・309点
4位・早稲田大・・・328点
5位・関西学院大・・345点
6位・九州大・・・・348点
7位・明海大・・・・351点

片クラス特化の日経大を除くと、総合優勝争いでも一挙に同志社大が優位に立った。


◎【スナイプ級】
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【前半戦を首位でターンした『明海スナイプ』。優勝旗も視野に入ってきた。写真はMVPの「川戸・花田」組】

初日に首位に立った明海大は、二日目に入っても変わらずに好調であった。

第四レースを女子スキッパー2艇がシングルで揃え、3・5・30着の38点とまとめて引き続き首位をキープ。前日まで2位の同志社は15・19・28着の62点で幾分、差を広がられる。同3位の早稲田も21・22・32着の75点を叩いて同様に差を広げられた。一方では同4位の明治が10・18・23着の51点と粘りをみせれば、同5位の関西学院も2・13・26着の41点と踏みとどまる。同6位の立命館は80点を叩いて一歩後退したが、初日にDSQが付いて7位と出遅れた日大が6・8・20着の34点とこのレースの最少失点チームとなって一挙に上位陣との差を詰める。

他では、初日9位・10位と大きく出遅れた慶應義塾がトップフィニッシュを含んでの48点、鹿屋体大が59点と順位を上げて来る。

第四レース終了時点でのスナイプのクラス順位。

1位・明海大・・・・・178点
2位・同志社大・・・・212点
3位・明治大・・・・・216点
4位・早稲田大・・・・231点
5位・関西学院・・・・241点
6位・日大・・・・・・249点
7位・慶應義塾大・・・271点
8位・鹿屋体大・・・・300点

となった。

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【さすがは関東チャンピオンの『日本大』。追撃体制は整ったと思われたが・・・?】

そして、470級の第五レース同様に、明暗を分けたスナイプ級の第五レースが行われた。

風の弱まる中で470の後にスタートしただけに、470以上に無風に状態になるのが早く、同じ大量DNFが出たレースとは言っても、かろうじてフルレグを走り切った470のようには行かず、第2上マークでショートニングとなった。

このレースで3艇フィニッシュ出来たのは首位を突っ走る明海大、前レースまで6位の日大、そして同8位だった鹿屋体大の3チームのみであった。

明海大は7・16・34着の57点、日大は8・10・24着の42点、そして鹿屋体大は1・4・15着の20点と快心のレースとなって一挙に入賞圏内にジャンプアップした。

前のレースまで2位の同志社、4位の早稲田、5位の関西学院はどこも1艇がDNFとなってそれぞれ108点、96点、99点を叩いて苦しくなったが、これはマシなほうで、同3位だった明治や同7位だった慶應義塾は痛恨の3艇DNFの219点となり、一挙に入賞圏外まで脱落した。

第五レース終了(レース二日目)時の順位

1位・明海大・・・・・235点
2位・日大・・・・・・291点
3位・同志社大・・・・320点
4位・鹿屋体大・・・・320点
5位・早稲田大・・・・327点
6位・関西学院大・・・340点
7位・立命館大・・・・420点
8位・大阪大・・・・・433点

となった。

◎【総合】

ここまで読んでお気づきだろうが、この日の2レースの内、第四レースまでは大混戦だった後の第五レースで各クラスの明暗が大きく分かれ、一挙に差が出た形となった。

特に、470で「唯一の3艇フィニッシュ」チームとなった同志社が、そのスコアもオールシングルという事で、混戦を抜け出して一挙に首位の座を固めた感があった。スナイプでも、あと少しでDNFという同志社の2艇目と明海の3艇目が残り1分以内でフィニッシュ出来て救われた事も大きい。

第四レース終了時と第五レース終了時を両方記す。

※第四レース終了時の総合

1位・日大・・・・・393点(144点+249点)
2位・同志社大・・・407点(195点+212点)
3位・明海大・・・・425点(247点+178点)
4位・早稲田大・・・476点(245点+231点)
5位・関西学院大・・493点(252点+241点)
6位・九州大・・・・625点(241点+385点)

※第五レース終了(二日目)時の総合

1位・同志社大・・・533点(213点+320点)
2位・明海大・・・・586点(351点+235点)
3位・日大・・・・・600点(309点+291点)
4位・早稲田大・・・655点(328点+327点)
5位・関西学院大・・685点(345点+340点)
6位・鹿屋体大・・・861点(541点+320点)

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※11月3日

2日目の第五レースで大きく明暗が分かれたが、まだ予定されている11レースのうちの半分も消化していない、と考えられれば、実力があるなら挽回も可能、と思えたのだが・・・・。

しかし、この日(11月3日)は所謂、「雨ベタ」予報であった。

◎【470級】

出艇時に雨は降っておらず、北東系の微風でゼネリコ数回のあと、ブラック旗が掲揚されて第六レースがスタートした。

昨日首位に立った同志社はこの日も13・16・26着の55点と堅実な走りでガッチリと首位をキープ。追いかける日経大は、9・14・23着の46点で若干差を詰める。3位につける日大は、3番艇のスキッパーを平松に代えてきたが、それまで好調だった若林艇が不調で、19・24・41着の84点を叩いてしまう。4位につけていた早稲田も17・21・37着の75点、5位につけていた地元の関西学院も11・21・42着の73点と今一つ調子が冴えない出来であった。

一方、好調なスナイプチームの勢いを貰ったのか、関東インカレでは不調だった明海大が2・8・39着の49点と走って4位にまで上がってくる。

6位につけていた九州大は、トップでフィニッシュしたと思われた北詰艇が痛恨のBFDで7・36・BFDの116点を叩いて7位に脱落。

2番手でフィニッシュラインを通過した東北大の1番艇がトップフォーンを鳴らすという場面が見られた。

このレースは、第1上マークで上がった上位陣のスピンが今までと異なるものが多かったが、さすがにフィニッシュまでには有力チームがかなり入れ替わってはいた。しかし、この東北大の1番艇は見事にその位置をキープして立派であった。この艇は第一レースでも5着、最終日の第七レースでも9着と、シングルを3回も取っているので、実力もあるのだろう。

前述の九州大、上位を走っていた関大の2艇、2艇が上位で入った残りの金沢大の1艇などの6艇のBFDに加えて、途中から風が落ちて来たために8艇のDNFが出たレースであった。

このレース終了後、前日のように海上待機はせず、すぐにAP&Hが上がってハーバーバックとなった。その後に再び海上に出る事もなく、13時30分には陸上でAP&A旗が上がってこの日のレースはこの1本のみで終了した。

※11月3日・第六レース終了時点での順位

1位・同志社大・・・・・268点
2位・日本経済大・・・・325点
3位・日本大・・・・・・393点
4位・明海大・・・・・・400点
5位・早稲田大・・・・・403点
6位・関西学院大・・・・418点
7位・九州大・・・・・・464点


◎【スナイプ級】

スナイプは先頭艇が第3マークにたどり着くころには風が落ち、2上でのショートニングとなった。その後にすぐハーバーバックになったのは470と同様。

トップに立つ明海大は、8・9・15着の32点と絶好調で、ガッチリと首位をキープ。2位につける日大も11・16・27着の54点と粘るが、首位との差は広がった。3位につける同志社も好調で3・13・14着の30点と2位の日大に肉薄してくる。第五レースで4位にジャンプアップしてきた鹿屋体大は18・34・54着の106点を叩いて6位に後退。5位につけていた早稲田が10・37・40着の87点、6位につけていた関西学院が7・30・35着の72点と今ひとつの出来ではあったが、鹿屋体大の大叩きによって、4位に僅差で関西学院が上がった。

その他では、第五レースの3艇DNFで撃沈した明治が64点で7位に再浮上。
地元の関大が2・6・28着の36点で走ったのが目立った。

この日は法政スナイプチームが出艇申告を忘れたようだが、実施が1レースのみで14点×3艇の42点のペナルティーで済んでいた。しかし、3日目にもなってなんでだ?

3日目終了時の順位

1位・明海大・・・・・267点
2位・日大・・・・・・345点
3位・同志社大・・・・350点
4位・関西学院大・・・412点
5位・早稲田大・・・・414点
6位・鹿屋体大・・・・426点
7位・明治大・・・・・499点
8位・立命館大・・・・519点


◎【総合】

それぞれのクラス首位で、総合でも1、2位を争う同志社大と明海大がともに両クラスのトップをガッチリとキープするとともに、勢いをもらった反対側のクラスも好調に推移した。ゆえに、残り1日、出来ても各2レースと考えると、常識的にはほぼこの2チームに絞られたか?

1位・同志社大・・・・・618点(268点+350点)
2位・明海大・・・・・・667点(400点+267点)
3位・日大・・・・・・・738点(393点+345点)
4位・早稲田大・・・・・817点(403点+414点)
5位・関西学院大・・・・830点(418点+412点)
6位・鹿屋体大・・・・・1047点(621点+426点)
7位・九州大・・・・・・1124点(464点+660点)
8位・関西大・・・・・・1220点(682点+538点)


※最終日(11月4日)

前日の予報では、前線が去って一時的に冬型の気圧配置となり、北系ではあるが、ソコソコの良い風が期待された。ところが・・・・。

◎【470級】

予報というか、願望に近い風はまたしても吹かず。スタート直前に一瞬だけ良い風が入った時もあったが、ゼネリコを繰り返す間にそれも落ちて3mほどか?

このレースも先頭集団が第1上マークを回る頃には大きく右にシフトし、上~サイドのレグがランニングになった。さらには、艇団の中盤集団が第3マークを回航する頃には風が落ち、2上でショートニングとなった。

首位の同志社はこのトリッキーな条件でも全く隙を見せずに3・8・15着の26点と完璧な出来であった。2位につけ追いすがる日経大は1・16・40着の57点で粘りをみせるが、逆に差がさらに広がった形。3位につける日大は20・27・33着の
80点、4位の明海大も5・37・44着の86点、5位早稲田が26・28・31着の85点、6位関西学院が11・25・53着の89点、と他の全てのチームは今一つの出来に終わる。

同志社大の優勝が決定した。

◎【スナイプ級】

ゼネリコを繰り返し、ブラック掲揚。そのスタートでもゼネリコとなって排除艇が多数発生した。その後の再スタート時には、第3マーク回航中の470艇団に向かってはチャーリー信号の発声中でもあり、おまけにそのシフトした風もスタートして5分もすると止んでしまい、なんだかわからない状況であった。先頭を走る同志社艇が第1マークまで迫った場面でN旗が上がってノーレースとなった。

以後、海風が入りかけては消えるような海面でスタートリミットの12時近くまで待機していたが、11:50過ぎにAP&A旗が上がって今年のインカレが終わった。

明海大の初優勝が決定した。


◎【総合】

470の1レースのみの加算で、昨日とほとんど変わらず。同志社大の2連覇となった。

成績表を添付する。

生ちゃんブログやBHMが炎上すると迷惑をかけるので、本来の「総括」は「特別版」にて希望者のみに配信することとした。

希望者は、11月10日24:00までに、QZT00265@nifty.ne.jp までメールにて要求してくる事。11月11日以降、順次返信の形で送付する。


合掌

外道無量院



2013-09-14 20:30 | カテゴリ:外道無量院(インカレ)
なまちゃん

「全日本インカレシリーズ」第2弾は、『全日本女子インカレ』だ、先週開催された全日本個人戦に引き続き、4年ぶりに「愛知・海陽ヨットハーバー」に於いて、9/21~23の日程で開催される。
個人戦に引き続き、学生ヨットレースのご意見番「外道無量院」氏に登場して頂き、解説して頂くこととしよう。
今回は私も参加させて頂いた。今年の女子学生日本一は如何に?
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【昨年第21回大会470級スタートシーン※この記事全ての写真は羽田 誠氏撮影】
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外道無量院

今年で22回目を迎える全日本女子インカレ。多くは葉山で開催されてきたが、今年は蒲郡で行われる。第1回大会以来、20年以上に渡ってスポンサーをしていただいている日建・レンタコムグループには女子学生セイラーは、感謝してもしきれないだろう。

さて、それでは優勝大学持ち回りの優勝旗・優勝杯(関山杯)と、選手個人取り切りの優勝者・入賞者に贈られるダイヤモンドのネックレス他を争奪する「女子イン」をクラス別に有力選手を紹介しながら、展望と解説をしていこう。
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【すっかりお馴染みになった、各優勝チームに贈られる「ダイヤモンドネックレス」】


◎【470級】
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【4人目の連覇を狙う、「絶対女王」・山口 祥世/谷口 柚香組(早稲田大)】

外道無量院

昨年を1艇上回る33艇のエントリーがある。昨年、3回目の出場で初めて女子王座に輝いた山口祥世(長崎工4年)/谷口柚香(長崎工4年)組(早稲田大)は、4年前のインターハイ・ソロ優勝のコンビ。今年は女子インカレ史上4度目の2連覇が掛かる。過去にこのクラスで2連覇を達成したスキッパーは山下美香(法政大・第2~3回大会)、近藤愛(日本大・第10~11回大会)、岩崎めぐみ(第一経済大・第14~15回大会)と3名いるが、岩﨑を除く2名はクルーも同じ「同一コンビ」であったのも心強いデータだ。今年は、誰もが一目置く断然の大本命。微・軽風域なら男子のトップクラスも脅かすスピードとボートコントロール術は、女子選手間であれば群を抜いているのではないだろうか。
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【高校時代の雪辱に燃える「豊田 華世/原 あやみ」組(同志社大)】

2番手以下は混戦模様だが、スキッパーだけの「格」から言えば、1年生の時から同志社大のレギュラースキッパーを不動のものとしてきた豊田華世(別府青山4年)/原あやみ(同志社女子3年)組(同志社大学)が上位。
昨年、同一コンビで7位。今年の全日本個選では女子スキッパーとしては唯一の入賞者となる5位。当然、今回はクルーが男子から女子の原に代わるが、彼女がこの1年でどこまで成長しているか?

ただ、過去の歴史において、同志社大はあまり女子インカレに熱心で無かったのが気になる材料。全日本インカレを前提にチーム作りを考えた場合、この女子インでネックになるのはどうしても「470の女子クルー」という事になる。歴史が証明しているように、スナイプではクルーが代わってもスキッパーの力で押し切れる場合もあるが、470の場合はそう簡単には行かないからだ。

生ちゃんの見解はどうだ?

なまちゃん

外道さん、お久しぶりです。対談は昨年の全日本インカレ以来ですね。どうぞよろしくお願い致します。
えっと、私の考えも外道さんと変わらないですよね。祥世さんと華世さんの首位争いは仕方ないですよね。どちらが上位かといえば、祥世さんの連覇は揺るがない。高校時代からの柚香さんとのコンビネーションを考えたら、圧倒的に上ですよね。
個人戦は残念な結果に終わってしまったけど、2日目の連続トップフィニッシュはさすがです。
しかも今回の女子インより6レース以上1カットが導入されたでしょう?昨年までのシステムよりはスタートでのプレッシャーから解放されますからね~。このようなことからも断然有利だと思われます。

この2艇を破る可能性があるのは、波田地、長堀くらいじゃないですかね?特に波田地は注目したほうが良いでしょう、関東秋インで優勝できたのだから・・・。しかし課題はいつも最初のレースが良くないことでしょうね。そこをうまく乗り切れれば優勝できる可能性はあるんですが・・・
長堀も全日本女子関東予選で祥世さんと遜色ない走りはしてましたからね。優勝できる可能性は大いにありえますよね。

順風域までなら若林ははずせないよね。あ、若林も名前が友世だわ~。キーワードは世界の「世」なのかなぁ~~?(笑)2020年オリンピックも東京に決まったことだし、なんとなく縁起がいいかな?

あと鹿屋勢は注目したほうがいいかも?昨年6位の平野真未(邑久3年)は上位進出ができるのでは?クルーは、ルーキーでインターハイ準優勝クルー仲山 景(光1年)だが、軽量なので強風域になったら少々苦しいか?

さらにルーキー勢スキッパーも注目ですね。昨年七尾インターハイソロ1~3位が勢ぞろいですから・・・連覇した日本大の中山由佳(唐津西1年)、準優勝した鹿屋体育大の仲山好(光1年)、3位入賞した明海大の林優季(1年羽咋工業)、FJ世界選手権で3位入賞した中央大の平原みちる(別府青山1年)この4艇もどこまで進出できるか注目だね。それぞれ、総合的に見たらほぼ互角だと思います。

外道無量院

しかし、男子選手を退けて有力正規チームのレギュラーを張る女子スキッパー/クルーは他にもたくさんいる。

終わったばかりの全日本個人選手権で、両クラスに優勝者を出し、秋の全日本インカレでも本命視されそうな立場になった関西学院大で、スキッパー/クルー共に堂々のレギュラーを張る松浦朋美(長崎工2年)/中川千晶(長崎工4年)組(関西学院大)。昨年の女子インは、それぞれ別の相手と組んで松浦17位、中川は3位。特に中川は昨年、2連覇を狙った松下結のクルーとして出場し、最終の第8レース直前まで優勝した早稲田ペアとは2点差の大接戦を演じた。最終レースで高校時代の同級生コンビに突き放されたリベンジに燃えている事だろう。全日本個選でも全レース女子コンビで戦った中では最上位の13位は進歩している証拠。中川のクルーワークは男子選手比べても遜色ないレベルにあるのも強みだ。チーム全体のとしての「勢い」も加味すれば、争覇圏内か?

他にも長堀友香(青山学院2年)/玉田玲奈(慶應湘南藤沢3年)組(慶應義塾大)、若林友世(藤嶺鵠沼2年)/新谷つむぎ(横浜創学館1年)組(日本大)、波田地由佳(碧南4年)/澤田しおり(大島海洋国際2年)組(明海
大)、成田有沙(捜真女4年)/井上真梨子(成城学園2年)組(明治大学)、加瀬澤千帆里(磯辺2年)/安部美希(別府青山4年)組(法政大学)、平原みちる(別府青山1年)/松本遥香(唐津西2年)組(中央大)、向山千尋(高岡4年)/横山友美(清水東3年)組(金沢大学)、後藤沙織(別府青山4年)/岡崎文音(四天王寺4年)組(関西大)、神木蘭(県芦屋4年)/奥田菜月(雲雀丘学園2年)(甲南大)らは、少なくともスキッパーは全日本インカレに出てきそうな正規チームのレギュラーだ。

一方で今年、評価が非常に難しいのが日本経済大勢と鹿屋体大勢。

九州水域は女子インとしての予選もなく、ジュニア・高校時代や男子混合の場合を含めて私が実際にセーリングシーンを見た事があるのは山本佑莉(邑久1年)/畑山絵里(星林3年)組の畑山だけだ。松田のどか(本荘1年)/牟田琴美(唐津西1年)組は全くの未知数。力のある選手が揃ったチーム内で普段の練習では鍛えられているだろうから、そこそこには走ってくるだろうが「レース経験」という事でハンデがあるのも事実。同じ九州勢の鹿屋体大勢については、平野真末(邑久3年)/仲山景(光1年)組、仲山好(光1年)/牟田絢美(唐津西4年)組という組合わせに疑問がある。「勝負」をかけるなら何故、昨年6位のコンビを解消し、エース格スキッパー平野のクルーをエース格クルーの牟田からルーキーにわざわざ乗せ代えてきたのだろう?

それでは、まとめにはいる。

山口祥/谷口柚組の2連覇濃厚。対抗と単穴の評価は、近北と関西の水域女王の4年生スキッパーの「意地」に期待した。実力未知数・組合せ変更理由不明の九州勢含め、他のチームが何処まで肉薄出来るか?

※「外道無量院」の予想

◎・・・・・山口祥/谷口柚組(早稲田大)
〇・・・・・豊田華/原組(同志社大)
▲・・・・・神木蘭/奥田組(甲南大)
△・・・・・松浦/中川組(関西学院大)
△・・・・・波田地/澤田組(明海大)
△・・・・・長堀/玉田組(慶應義塾大)
△・・・・・後藤/岡崎組(関西大)
△・・・・・若林/新谷組(日本大)
△・・・・・鹿屋体大勢

※「なまちゃん」の予想

◎・・・・・・・・・山口祥/谷口柚組 (早稲田大) 
○・・・・・・・・・豊田華/原組 (同志社大)
▲・・・・・・・・・波田地/澤田組(明海大)
△・・・・・・・・・長堀/玉田組 (慶應義塾大)
△・・・・・・・・・若林/新谷組 (日本大)
△・・・・・・・・・平原/松本組 (中央大) 
△・・・・・・・・・平野/仲山景組 (鹿屋体育大)
注・・・・・・・・・仲山好/牟田組(鹿屋体育大)




◎【スナイプ級】
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【昨年、総合3連覇に貢献!優勝した「樫原 梨乃/末繁 まゆ」組(関西学院大)】

外道無量院

昨年は470級の32艇を上回る35艇ものエントリーを見たスナイプ級だが、今年は29艇にとどまった。女子インカレ史上、スナイプ級唯一の連覇は、関西学院大の増川美帆(第16~17回大会・第19回大会も優勝して計3回優勝)だけ。他に計2回優勝しているのも鹿屋体大の原田小夜子(第15回大会と第18回大会)のみである。面白いのは470級とは対照的に、こちらは増川の3回、原田の2回とも全て異なるクルー乗せての優勝であった。

樫原梨乃(啓明学院4年)/末繁まゆ(別府青山4年)組(関西学院大)は、昨年、全8レース合計53点(捨てレース無し)というハイスコアながら、混戦を制して初の女子王座に輝き、「総合3連覇」という偉業に貢献した。
今年はスナイプ級史上初の「同一コンビ連覇」に挑む。昨年、末繁はレギュラークルーの座を獲得したものの、樫原は男子を含む正規チームレギュラー3艇には漏れる存在であった。しかし、今年は全日本インカレ本番でクラス優勝候補として最有力視されるほどに強化されたスナイプチームの堂々たるレギュラー格に成長。全日本個選でも、女子スキッパーとしては最上位の10位。僚艇の三好紀子(県芦屋3年)/山口茜(啓明学院3年)も水域予選を突破して全日本個選には出場(28位)しており、チーム内での激しいレギュラー争いによる競争が上手く機能しているようだ。
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【東日本スナイプにおいて女子ペアで社会人を破る大金星を挙げた「持田 由美子/稲垣 美穂」組(日本大)】

持田由美子(磯辺3年)/稲垣美穂(海津明誠2年)組(日本大)は、全日本個選に臨むまで関東で、男子を含んでもトップクラスの走りを見せていた。持田は昨年のこの大会5位だが、優勝した樫原艇とは21点の差があった。さらにこちらのペアは今年の全日本個選に唯一の女子コンビとして出場して19位。微・軽風域で強みを発揮したものの、最も良い風が吹いた3日目の二つのレースでは樫原艇に完全に走り負けていたのがクルーの性差と体重差だけではないように思えたのが気がかりではある。

生ちゃんの見解を聞こう。


なまちゃん

はい、カッシーVSモッチーの優勝争いが濃厚というか間違いないでしょう。総合的にはカッシーが上、但しボートスピードに関してはモッチーが上じゃないですかね?前回の蒲郡全日本個人戦では、かなり難しい風が吹いてたようで・・・つまりコース取りが良くなかったことになる。その辺がポイントとなるでしょう。


外道無量院

クルーの経験では日大・2年生の稲垣に比べて関学・4年生の末繁が上だろうからな。だいたい、持田はコースも自分で引きたがるタイプではないのか?逆に、稲垣にコース引きを任せられれば一皮剥ける可能性もある。他には?


なまちゃん

それに続く勢力は慶應の阿部、明海の川戸、立教の村山くらいしかいないですよね。しかし数段2強とは実力がかけ離れている。それは関東での大会を観ていれば一目瞭然ですよね。


外道無量院

慶應からは、阿部七海(酒田西2年)がクルーに窪田明莉(横浜国際2年)を乗せて全日本女子インカレに初登場。昨年の春に入学した時にはそれほどの期待が掛からなかった存在が、秋には堂々と先々週の全日本個選で「あわや優勝か?」と自分でも驚いたという快走を見せた男子スキッパーのカトケンを押しのけてレギュラーの座を獲得。全日本インカレでもその起用に応えた。
ただ、470級の長堀艇同様、スキッパーの力はある程度認めるのだが、クルーの経験が関学や日大勢と比べてかなり劣る事と、チームとして「女子イン初登場」となる事から、同志社と同様にこの大会にどの程度のプライオリティーがあるのか疑問がつく。

反対に、ここでの「全日本タイトル」獲得を真剣に狙い、国府田監督/脇永コーチの下、万全のサポート体制を引いてメイチの勝負を挑んできそうなのが明海大勢だ。今年は秋の関東女子インカレとは別に、この全日本女子インカレの予選レースが事前に開催された関係から、秋季関東女子インカレには有力選手の欠場が目立ったとはいえ、470級1位/スナイプ級2位/総合1位という創部史上初の「関東タイトル」を獲得。チームが盛り上がっているのは間違いない。
川戸志織(碧南4年)/千葉真由子(気仙沼2年)組と田上歩(東海大第二4年)/有銘一子(沖縄尚学4年)組の2艇が創部史上初の「全日本タイトル」獲得に向けて挑む。

明海勢に関しての生ちゃんの見解をもう少し詳しく教えてくれないか?


なまちゃん

はい、コンビネーションという点では、4年生同士で乗っている田上艇の方が上だけど、実績では川戸艇の方が上なんですよね。全日本個人戦も出場しているしね・・・ただ、総合的には同じ位の力とみて良いでしょう。
ただ、今回は特に國府田監督の気合の入れようはすごいでしょうね、かなり練習もしたようです。
クラス優勝はむずかしいけど、なるべく失点を少なくすれば総合を獲れる可能性が出てきますからね。


外道無量院

その他では、高橋友海(桐蔭学園2年)/溝口芽(Paul Laurence Dunber3年)組(早稲田大)、村山仁美(東海大高輪台1年)/高橋明子(?3年)組(立教大)、吉泉葵(県芦屋3年)/森千佳(雲雀丘学園2年)組(甲南大)あたりが上位進出圏内の可能性を持つか?

さらに昨年は国公立勢として7位と健闘した舩原桃子(東京海洋大)がいたが、今年、彼女のような存在は出るのであろうか?

一艇だけ挙げておこう。

女子ながら、堂々と部全体の主将を務める田中綾子(三重大)艇。練習場所の津ヨットハーバーでは、かつての名セーラー・佐藤三郎(本田技研)に指導を仰ぎ、その向上心たるや男子選手も見習うべき点が多くある。部員も15名ながら、沈滞している中部水域では最大規模となり、OB会の援助も少しだけ増えつつあるようだ。予算、時間、道具に合宿所まで、「無い無い尽くし」の活動環境ではあるが、恵まれた条件の整う私学上位校を相手にどこまで戦えるかに注目したい。

それでは、まとめに入る。

カッシー(関学・樫原)VSモッチー(日大・持田)の優勝争いに阿部七海艇(慶應)も絡んで三つ巴まであるか?


※「外道無量院」の予想

◎・・・・・樫原/末繁組(関西学院大)
〇・・・・・持田/稲垣組(日本大)
▲・・・・・阿部/窪田組(慶應義塾大)
△・・・・・川戸/千葉組(明海大)
△・・・・・田上/有銘組(明海大)
△・・・・・高橋/溝口組(早稲田大)
△・・・・・三好/山口組(関西学院大)
△・・・・・村山/高橋組(立教大)
△・・・・・吉泉/森組(甲南大)
特注・・・・田中/北原組(三重大)

※「なまちゃん」の予想

◎・・・・・・・・もっちー/みほ組(日本大)
○・・・・・・・・カッシー/末繁組(関西学院大)
▲・・・・・・・・川戸/千葉組(明海大)
△・・・・・・・・村山/高橋組(立教大)
△・・・・・・・・阿部/窪田組(慶應義塾大)
△・・・・・・・・田上/有銘組(明海大)


◎【総合】
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【スナイプ最多優勝を誇る「増川 美帆」さんが選手達に激励を送る。関西学院大総合3連覇の足がかりは彼女が4年生の時から始まった。】

外道無量院

第19回大会(平成22年/2010年)に、両クラス揃えて初めてのエントリーをして優勝して以来、関西学院大は無傷の総合3連覇を継続中である。

今年は自らの記録更新となる「4連覇」を目指し、470級に松浦/中川組と相澤/関組、スナイプ級に樫原/末繁組と三好/山口茜組という2艇づつを送り込んできた。

470級で優勝候補筆頭の山口祥/谷口柚組を擁する早稲田大は、一言で言えばスナイプ級の高橋友/溝口組が何処まで上位に食い込めるか、上位艇に対して差を少なく走れるかに掛かる。

日大は、スナイプ級で持田/稲垣組が優勝し、470級の若林/新谷組が実力的には関学の松浦艇とはそれほどの差はないとも思えるので、充分に優勝争いが可能だ。

慶應義塾も両クラスのスキッパーについてはレギュラー選手なので、クルー陣の頑張り次第では優勝争いに割って入る可能性は持っている。

創部史上初の「全日本タイトル」奪取に燃える明海大は、両クラスでのクラス優勝は厳しいだろうが、この総合が一番近いのではないだろうか。今回は4連覇を狙う関学を上まわる両クラスで5艇がエントリー。前述したようにサポート体制は確りとしているので、各々に上手くいけばそれほど差のない2~5位には食い込む力はありそうなので、総合のダークホースとして面白い存在と言えるだろう。

その他では、神木/奥田組が優勝争いまでするような走りをした場合には、スナイプ勢の頑張り次第では甲南大にもチャンスがあるかもしれない。実は甲南スナイプの吉泉は、正規470チームのレギュラースキッパー。470に乗ればエース神木と遜色ない腕前だ。甲南大・外部コーチの山本悟氏の持論、「速いヤツは何に乗っても速い」を実証できるか?同様に、470級の豊田/原組は計算が立つ同志社大も、スナイプ級の北野/近藤組が何処まで走れるかに総合の結果がかかる。

以上、総合の優勝争いに関しては、関学、早稲田、日大が3強で、それを僅差で追う明海大、慶應義塾大。大穴でも甲南大、同志社大までの争いに絞られるだろう。「監督不在」の状態と聞く立命館大と関西大については、全日本個選の結果も全く冴えなかった事から今年は厳しいと判断した。

生ちゃんの見解はどうだ?

なまちゃん

はい、やはり関西学院が圧倒的に優位ですよね。両クラス共に揃っています。470クラス優勝濃厚な祥世さん率いる早稲田はスナイプ次第、スナイプクラス優勝濃厚なもっちー率いる日大は470次第だが、両校とも低失点で抑えられれば、総合優勝できる可能性が出てくる。
それに続くのは明海・慶應だろう。クラス優勝は厳しいだろうが、両クラスとも上位進出すれば、総合は狙えるかもしれない。


しかし関西学院が苦戦した場合限定となるが・・・


総合のまとめ

※「外道無量院」の予想

◎・・・・・関西学院大
〇・・・・・日本大
▲・・・・・早稲田大
△・・・・・明海大
△・・・・・慶應義塾大
△・・・・・甲南大
△・・・・・同志社大

※「なまちゃん」の予想

◎・・・・・・・・・関西学院大
○・・・・・・・・・明海大
▲・・・・・・・・・日本大
△・・・・・・・・・早稲田大
△・・・・・・・・・慶應義塾大
△・・・・・・・・・同志社大


それでは、参加各位の健闘と幸運を祈る。

合掌

外道無量院/なまちゃん


※愛知県ヨット連盟

http://www.ayf.jp/race/4804.html



2013-08-28 18:00 | カテゴリ:外道無量院(インカレ)
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【昨年の470級スタートシーン、日本経済大の強さが際立っていた】

今年の日本列島の夏は酷暑に見舞われ、いつ終わるのかがわからない今日この頃であるが、いよいよ学生ヨットの本格的なシーズンに突入する。全日本学生3大タイトルの一つである「全日本インカレ個人戦」が9/5(木)~9/8(日)の日程で、愛知・海陽ヨットハーバーで開催される。11月の西宮全日本インカレに向けての前哨戦ともいえるこの大会、今年も熱戦が期待される。

皆さん、お待たせ致しました。学生ヨットの展望には欠かせない「外道無量院」氏にご登場いただき、恒例の展望をお願いした。今回も対談形式で展望をしようと考えていたのであったが、私自身がインターハイの熱き戦いに魅了され、興奮し燃え尽きてしまった・・・(笑)従って私は今回遠慮させて頂く。

というわけで外道無量院さんの展望と解説です。(※写真下のコメントについてはなまちゃんです)

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諸君、

長いご無沙汰であった。

最近は、高校生のデータ集めから展望、総括、そしてインターハイや国体の実況中継まで幅広く活躍する生ちゃんにすっかりとお株を奪われている状態だ。立派な後継ぎが出来て嬉しい限りなので、そろそろ私は引退を決め込んでいたのだが・・・。それでも各方面からの要望も多いので、気を取り直して蒲郡で行われる2013年度の全日本個選の展望を記すことにした。

◎【470級】

昨年・一昨年と連覇中の土居一斗(福岡第一~日本経済大4年)は、ナショナルチーム選出となり、今シーズン当初から海外遠征続きで予選にも参加していないので、同一スキッパー3連覇は開催前段階でなくなった。また、1年生時より名門・日大のエースを張り続ける中村睦宏(中村三陽・3年)も、ジュニア世界選手権出場で日程が被り、同様に欠場が決定しているのが残念ではある。

さて、それでは有力どころを紹介して、展望してみよう。
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【昨年3位入賞の岩下・磯崎組(日本経済大)今年は分かれての勝負!】

土居を欠くとはいえ、今年も強力な布陣が揃う日本経済大勢。土居に代わってエース格になるのは磯崎哲也(福岡第一・3年)か岩下哲也(長崎鶴洋・4年)の「W・TETSUYA」だろう。山本孝俊(邑久・4年)も伸びており、九州個選では主将の岩下に先着。
しかし、そうした日経大勢を蹴散らして九州王者となったのは、田中航輝(清風・2年)だ。高校時代はインターハイ制覇寸前までいきながら最終日の逆転で涙を呑んだ。その後に一浪しながら「旧帝大」の難関・九州大に入学。ジュニア~高校時代の実績からすぐにレギュラーの座を掴んだのは当然として、チームを全日本インカレ出場に導いたのは立派。しかし、インカレ終了後に脱臼癖克服のための大手術をしたため、冬シーズンは全く練習出来なかった。そうしたハンディキャップを克服しての快挙だけに全日本の舞台での活躍を期待したい。

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【ルーキーイヤーの昨年は5位入賞、村田 俊彦艇(同志社大)】

昨年の全日本インカレ総合優勝(470クラスは3位)の同志社大勢は、今年に限り日経大に勝るとも劣らないほどに部内でのレギュラー争いが過酷だ。
昨年のレギュラースキッパー全員が残る状況に加え、徳重樹(中村三陽・3年)が順調に成長を続けて、1年時からレギュラーを張り続ける奈良大樹(別府青山・4年)、豊田華世(別府青山・4年)といえども、いつ降ろされるか油断できない激しさだ。その中でもエースの座を確固たるものにしつつあるのは村田俊彦(福岡第一・2年)。昨年の全日本インカレ総合優勝は、エース・西村秀樹を擁するスナイプチームが引っ張った印象が強かったが、今年は全く逆で、今年はともに僅差で敗れた関西学院や早稲田との定期戦で、470チームとしてはどちらもアウェイで相手に勝る成績を収めた。クルーに北川英幸(土佐塾・4年)、二井俊二(豊中・3年)、山下剛(清風・2年)などの長身選手を揃えるのも強みになるか?
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【470女子スキッパーとしては2人目の全日本個人戦制覇となるのか?「山口 祥世」艇(早稲田大)】

関東勢では、女子スキッパーながら早稲田のエース格となる山口祥世(長崎工・4年)/石原裕太(早大学院・4年)組と小泉颯作(光・2年)/槌谷祥吾(早実・3年)組は全日本の舞台でも戦えそうだ。

樫本真徳(塾高・3年)/成川健一(逗子開成・2年)、樋口舵(塾高・2年)/森健吾(渋谷教育学園渋谷・4年)組、中嶋颯(塾高・1年)/冨田弘之(塾高・3年)という若手スキッパー&ベテランクルーという組み合わせ中心の慶應勢もどこまで戦えるか?

日大勢も今年は玉山千登(中村三陽・1年)、若林友世(藤嶺学園鵠沼・2年)という若手スキッパー中心の布陣だ。

一昨年の全日本インカレ・470クラス優勝の関西学院勢は、西尾駿作(関学高等部・4年)/俣江広敬(関学高等部・4年)という高校時代以来の息の合ったコンビネーションを発揮して全日本タイトルに挑む。
ここも部内競争が激しい中、成長した神木聖(県芦屋・2年)や松浦朋美(長崎工・2年)が、ベテランクルーの疋田大晟(別府青山・3年)や中川千晶(長崎工・4年)を乗せて「全国」の舞台でどこまで戦えるか?


※まとめ

九州勢対同志社勢の争いに、関東、関西水域の上位どころが何処まで戦えるかに注目だ。

◎・・・・・村田/二井組(同志社大)
○・・・・・田中/宗村組(九州大)
▲・・・・・磯崎/津留組(日経大)
△・・・・・岩下/石井組(日経大)
△・・・・・山本/高瀬組(日経大)
△・・・・・山口祥/石原組(早稲田大)
△・・・・・西尾/俣江組(関西学院大)
△・・・・・樫本/成川組(慶應義塾大)
△・・・・・小泉/槌谷組(早稲田大)
△・・・・・神木/疋田組(関西学院大)
△・・・・・豊田/北川組(同志社大)
△・・・・・玉山/本吉組(日本大)


◎【スナイプ級】

ここはあくまで「個人戦」ではあるが、学生ヨットの集大成である全日本インカレの総合優勝を考えると、このスナイプでのクラス優勝が大きな決め手となるのは歴史が教えている。470と同じく、有力チームを紹介して展望してみる。

470での日経大の5艇/6枠中に匹敵する「水域寡占」状態が、近北水域の同志社と関西水域の関西学院だ。どちらも6艇の出場枠中に5艇を入れてきた。しかも、関西学院は水域予選の1~5位にずらりと名を連ねた。

エース艇は、1年時から出場する小栗康弘(中村三陽・4年)。今シーズンは水域内の学生相手には無敵の強さを誇るだけでなく、関西選手権では社会人を相手に互角の走りを見せた。クルーの浅原宗一郎(東大寺学園・3年)が頭脳派なので、上手くスキッパーの弱点を補っているようだ。舟木葵(中村三陽・3年)、昨年の全日本女子イン・チャンプの樫原梨乃(啓明学院・4年)、三好紀子(県芦屋・3年)、西原成駿(1年・関学高等部)らは2番艇以下も熾烈なレギュラー争いで一時も気が抜けない部内競争で鍛えられている。

同志社勢では山田剛(中村三陽・2年)、垣野雅人(清風・3年)が全日本タイトル射程圏内か?部内事情で言えば、今年はどちらかというと、ここまで470チームの足を引っ張っている状況だが、全日本インカレ総合連覇に向けて、ここらで巻き返しをしておきたいところだ。
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【昨年3位の「横田 貴大」艇(明治大)今年はまさに優勝候補筆頭!】

関西の小栗に匹敵する立場を関東で築きつつあるのが、横田貴大(藤沢西・4年)だ。ほぼ関東の学生相手では無敵状態ではあるが、層の厚い社会人にはも度々挑戦しては跳ね返される場面が繰り返されている。この夏、葉山に完成した鉄筋コンクリート3階建ての実に立派な新・合宿所に明治大としては久々となる全日本タイトルをもたらし、優勝旗を飾る絶好のチャンスだろう。

以上が総合的に見て絞った場合の優勝候補ではあるが、その他の有力ところも挙げておこう。

サバイバルな状況となると頭角を現す鹿屋体大からは鈴木章央(碧南・4年)、久保風太(鎌倉学園・4年)という一昨年のチャンピオンコンビが各自スキッパーとなって出場してくる。またまた偶然にもサバイバルな状況にでもなれば、優勝争いに割って入ってくる事も充分に考えられる。

その他、集大成である全日本インカレは団体戦であるので、チームとしては力が足りないにので、文字通り「個人」としてこの一戦に全力投球してくる艇も侮れないところだ。

その筆頭格としては九州水域を制した村上広司(修猷館・3年)/出口裕也(近大附東広島・4年)組(九州大)が不気味な存在。鹿屋体や福岡大勢の経験者を相手に互角以上に走れたのは大いに自信を持った事だろう。全日本の舞台でどこまで戦えるか楽しみだ。

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【東日本スナイプで社会人を破り優勝した「持田 由美子」(日本大)が絶好調!】

さらには、冬以来、度々蒲郡に遠征して社会人相手に合宿を重ねてきた井嶋清芳(3年・霞ヶ浦)や持田由美子(3年・磯辺)の日大勢と島本拓哉(2年・磯辺)、平川竜也(1年・逗子開成)の早稲田勢も優勝争いに絡んでくるか?彼らにとっては、最低でも全日本インカレを睨んで上位進出は必須の使命だろう。

それでは、まとめに入る。

ズバリ、小栗艇(関学)VS横田艇(明治)の「一騎打ち」と見た。
その他の有力校エース艇が割って入るスキはあるか?

◎・・・・横田/黒澤組(明治大)
○・・・・小栗/浅原組(関西学院大)
▲・・・・山田/石川組(同志社大)
△・・・・舟木/難波組(関西学院大)
△・・・・垣野/柳林組(同志社大)
△・・・・鈴木/薄田組(鹿屋体大)
△・・・・井嶋/大井組(日本大)
△・・・・持田/稲垣組(日本大)
△・・・・島本/花田組(早稲田大)
△・・・・橿原/佐野組(関西学院大)
△・・・・平川/三ツ木組(早稲田大)
△・・・・久保/宮本組(鹿屋体大)
特注・・・村上/出口組(九州大)


以上、参加各選手の健闘と幸運を祈る。


合掌


外道無量院



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