2017-10-05 12:00 | カテゴリ:国体
※地元愛媛県が天皇杯・皇后杯共に初栄冠!
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【チームリーダー梶本和歌子を中心に両杯を勝ち取った愛媛県選手団の皆さん】※この記事全ての写真は愛媛県連より

愛媛県新居浜マリーナで開催されていた第72回国民体育大会(愛顔つなぐえひめ国体)は、2日目まで、心配された通りの非常に苦しいコンディションとなったが、大会3日目に一転、14時過ぎに待望の風に恵まれ、全60レース中45レースを消化し、閉幕した。

注目の天皇杯・皇后杯は地元愛媛県が、成年女子3種目オール優勝を始め、他3種目を加えた6種目でポイントを重ね、両杯共に初優勝の栄冠に輝いた。

※各種目の入賞チームは以下の通りである。




①【成年男子470級】 (※41艇)

※8年連続入賞は二度目の栄冠!
市野
【大激戦を制した市野/長谷川ペア(和歌山)】

①市野 直毅/長谷川 孝  (和歌山)  7点(2-(5)-2-2-1)
②磯崎 哲也/金子 壮太  (福岡)   9点((5)-2-1-3-3)
③岡田 奎樹/宮口 悠大  (佐賀)  10点(1-1-(7)-4-4)
④高山 大智/疋田 大晟  (大分)  13点((7)-6-4-1-2)
⑤今村 亮 /大嶋 龍介  (愛媛)  23点(4-4-(16)-6-9)
⑥高橋 洸志/杉浦 博之  (愛知)  31点(8-(DNF)-6-5-12)
⑦河合 龍太郎/中澤 太郎 (神奈川) 34点(3-(BFD)-13-12-6)
⑧神木 聖 /俣江 広敬  (兵庫)  36点(6-(RET)-5-4-11)

※予想通り、東京五輪を狙う上位グループによる激戦となる。序盤学生3勝を狙う岡田/宮口(佐賀)が連続トップフィニッシュで好スタートを切ったが、第3レース以降一昨年優勝の磯崎/金子(福岡)や、7年連続入賞の市野/長谷川も追い上げる。

磯崎が優勢かと思われたが、日没前に第5レースが実施され、市野/長谷川がトップフィニッシュで逆転、2010年千葉国体以来2度目の優勝ならびに、8年連続入賞の記録も更新した。

市野は関西学院大出身であり、近年同校の活躍は彼の存在があったのは間違いないところである。クルーの長谷川は福岡大出身であり、全日本学生個人戦スナイプ級で優勝している実力者である。現在と東京五輪出場を目指し、独自にスポンサーを募って活動中である。



②【成年男子レーザー級】 (※47艇)

※注目の若手が初栄冠!
瀬川
【得意の強風域で圧倒!初優勝した瀬川和正(鳥取)】

①瀬川 和正   (鳥取)     5点((15)-1-1-2-1)
②南里 研二   (三重)    10点(2-(5)-2-3-3)
③安田 真之助  (京都)    18点(3-4-(7)-6-5)
④永井 久規   (愛知)    21点(4-(8)-3-7-7)
⑤西尾 勇輝   (和歌山)   23点(5-6-8-(10)-4)
⑥北村 勇一朗  (静岡)    28点((30)-11-6-5-6)
⑦樋口 碧    (神奈川)   30点(22-(34)-5-1-2)
⑧斉藤 大輔   (秋田)    30点(13-(24)-4-4-9)

※初日に1レースのみ成立せず、連覇を狙う南里研二(三重)が好スタートを切ったかに思われたが、2日目はノーレースとなってしまう。ようやく3日目に強風域で4レース実施した中で第1レースで躓いた瀬川和正(鳥取)が圧巻のレースをみせる。1-1-2-1と文句なしの初優勝に輝いた。

優勝した瀬川は龍谷大入学後にヨットを始め、ここまでの選手になった異色の存在である。東京五輪へ向けて活動中であり、実績ある南里を破ったことで、代表争いも熾烈になると思われる。今後も要注目である。



③【成年男子国体ウインドサーフィン級】 (※36艇)

※若手のホープが初優勝!
倉持
【悲願の初優勝!倉持大也(福井)】

①倉持 大也   (福井)     3.3点(1-RDG-1-(2))
②板庇 雄馬   (滋賀)     5点((3)-1-3-1)
③工藤 輝    (愛媛)     8点(2-(DSQ)-2-4)
④広津 秀治   (鹿児島)   13点(4-(UFD)-6-3)
⑤福村 拓也   (愛知)    14点(7-2-(11)-5)
⑥尾川 潤    (和歌山)   17点((21)-6-4-7)
⑦山﨑 大輔   (神奈川)   21点((12)-8-5-8)
⑧由里 亮太   (京都)    22点(5-5-(12)-12)

※国体史上10勝目を狙う予定であった富澤 慎(新潟)は、今大会後に開催されるワールドカップ出場の為に欠場と残念であったが、これで全ての選手に初優勝のチャンスが巡ってきたことになった。レースは倉持大也(福井)と板庇雄馬(滋賀)の若手によるライバル争いとなり、倉持が悲願の初優勝を飾った。

彼は東京国体では地元強化選手として3位入賞した後、福井県へ移籍。来年の地元国体で連覇を飾れるのか?に注目である。



④【成年女子セーリングスピリッツ級】 (※29艇)

※双子姉妹が初栄冠!
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【終始安定したスコアで優勝した仲山姉妹(愛媛)】

①仲山 好 /仲山 景   (愛媛)  10点(3-1-3-(8)-3)
②長堀 友香/武井 裕子  (東京)  13点(4-(12)-2-1-6)
③山口 祥世/松下 結   (長崎)  15点(2-3-(14)-9-1)
④山本 佑莉/木村 沙耶佳 (鳥取)  17点(1-6-8-(UFD)-2)
⑤中山 由佳/宮﨑 歩美  (佐賀)  18点((UFD)-5-1-7-5)
⑥藤井 あゆ美/大熊 典子 (福井)  25点(10-9-(12)-2-4)
⑦高橋 友里/田村 愛子  (広島)  25点((7)-7-6-5-7)
⑧若林 友世/深沢 瑛里  (神奈川) 26点(6-4-(11)-6-10)

※昨年の岩手大会は学連で活躍した上位選手がことごとく撃沈したが、今年は意地を見せるも、レースが幾度となく中止になってしまうなど、別の意味で選手に試練を与える。その中で仲山 好/仲山 景(愛媛)が安定したレースを見せる。長堀/武井(東京)、山口/松下(長崎)、山本/木村(鳥取)の女子インカレで活躍したチームを破り、初優勝を飾った。

優勝した二人は双子姉妹であり、山口・光高校時代には2012七尾インターハイFJ級ソロで準優勝し、揃って鹿屋体育大でも活躍。
今大会は精神力も要求された中での初優勝は喜びもひとしおだろう。



⑤【成年女子レーザーラジアル級】 (※36艇)

※貫禄の優勝!
梶本
【経験値はまるで違う優勝した梶本和歌子(愛媛)】

①梶本 和歌子  (愛媛)     7点(4-1-(6)-1-1)
②杉浦 智香   (千葉)    11点((8-)2-3-2-4)
③河原 由佳   (三重)    20点((10)-3-2-7-8)
④小屋 英美里  (山梨)    21点(2-10-5-4-(13))
⑤濱田 華帆   (広島)    24点(1-5-12-(15)-6)
⑥池田 紅葉   (神奈川)   28点((UFD)-14-1-8-5)
⑦松永 貴美   (岐阜)    31点(3-(16)-9-16-3)
⑧矢田 友美   (石川)    33点(9-4-10-(11)-10)

※オープニングレースから大量UFDと有力選手は苦しいスタートとなった中で、優勝候補筆頭の梶本和歌子(愛媛)のみが冷静なレースを展開。三度のトップフィニッシュで快勝した。

彼女は2012ロンドン五輪女子470級代表であり、ジュニア時代から活躍。福岡第一高時代にはインターハイ・国体でFJ級二冠。
成年になってからは意外にも初優勝となった。東京五輪ではナクラ17で代表を狙っている。



⑥【成年女子国体ウインドサーフィン級】 (※24艇)

※2度目の三連覇&6勝目の最多勝記録樹立!
小嶺2
【きっちり最多勝記録樹立!小嶺恵美(愛媛)】

①小嶺 恵美   (愛媛)     4点(2-1-1)
②須長 由季   (東京)     8点(1-4-3)
③原 百花    (兵庫)    11点(5-2-4)
④渡邊 純菜   (山口)    15点(6-3-6)
⑤松永 麻祐   (京都)    16点(4-5-7)
⑥小島 真理子  (和歌山)   22点(8-9-5)
⑦堀川 智江   (神奈川)   23点(7-7-9)
⑧山辺 美希   (福岡)    28点(12-8-8)

※3レース成立と唯一カットが入らなかった同クラスであるが、小嶺恵美(愛媛)が見事2度目の三連覇を飾った。以前は岐阜国体の強化選手として三連覇、そして愛媛に移籍しまさに優勝請負人である。現在東京五輪へ向けて活動中であり、先日の江の島RS-Xワールドでも活躍と今後にも期待がかかる。
 


⑦【少年男子420級】 (※39艇)

※2017年度高校三冠達成!
蜂須賀
【強力なライバル達に競り勝つ!蜂須賀/狩野ペア(茨城)】

①蜂須賀 晋之介/狩野 弁慶 (茨城)   5点(1-(UFD)-1-3)
②尾道 佳諭/三浦 匠    (山口)   5点((13)-2-2-1)
③西村 宗至朗/平井 徳輝  (大阪)  11点(2-1-8-(9))
④谷  望 /松島 広輔   (千葉)  12点((DNF)-7-3-2)
⑤谷口 龍帆/伊藤 百矢   (三重)  12点(5-3-4-(8))
⑥杉浦 涼斗/山田 大夢   (愛知)  15点((DNF)-5-6-4)
⑦小柳 倫太郎/倉地 紘平  (福岡)  20点(7-(8)-7-6)
⑧河崎 聖 /永田 魁    (石川)  24点((10)-9-5-10)

※インターハイでも激戦だったこのクラスは、予想通り三強の争いとなった。優勝候補筆頭・三冠を狙う蜂須賀/狩野(茨城)は、第②レースでリコールとなってしまい、苦しい戦いとなる。最大のライバル西村/平井(大阪)や、インターハイでは最大の屈辱を味わった尾道/三浦(山口)が蜂須賀に迫る。4レース成立し、蜂須賀・尾道が同点となり、トップ2回を獲った蜂須賀/狩野に軍配が上がる。

同ペアは、今年JOCジュニアオリンピックカップ・インターハイに続き、三冠達成(全日本は不出場)の大記録を達成した。この後もユースワールドや420ワールドにも出場予定であり、是非とも頑張ってもらいたいものである。

しかし今年の3年生の争いは特に熾烈ではなかったのか?まさに記憶に残る世代だったのではないだろうか。




⑧【少年男子レーザーラジアル級】 (※40艇)

※パーフェクトで三連覇達成!
鈴木
【もはや敵なし!三連覇を達成した鈴木義弘(山口)】

①鈴木 義弘   (山口)     3点((1)-1-1-1)
②西尾 拓大   (和歌山)   11点(2-7-(15)-2)
③桐井 航汰   (東京)    14点(6-(8)-3-5)    
④上山 竜誠   (三重)    15点(4-4-7-(20))
⑤守屋 晴喜   (岐阜)    20点(3-(18)-11-6)
⑥金城 朋輝   (沖縄)    22点(5-12-5-(26))
⑦猪狩 祐樹   (山形)    23点((UFD)-14-2-7)
⑧廣瀬 翔大   (神奈川)   25点(9-13-(20)-3)

※一昨年の和歌山大会で史上初となる中学生優勝となった鈴木義弘(山口)は、さらにパワーアップし、他を寄せ付けないパーフェクトで同クラス3連覇を飾った。少年三連覇は、南里研二以来2人目の快挙となった。鈴木は今年のレーザーラジアルユースワールドで日本人初の6位入賞を果たしており、もはやレベルが違う。来年はインターハイでも採用されることから、タイトルを総なめにすることは間違いないところであろう。福井国体では少年種目前人未到の4連覇を目指す。



⑨【少年女子420級】 (※31艇)

※2年生がインターハイチャンピオンを破る!
中山
【九州勢女子復活!中山/鶴田ペア(佐賀)】

①中山 由菜/鶴田 希生   (佐賀)   9点(4-(6)-3-1-1)  
②長岡 叶子/森 七海    (香川)  10点((6)-5-1-2-2)
③加藤 凡尋/北林 風花   (岐阜)  21点(5-(10)-6-7-3)
④杉浦 春香/稲吉 風生   (愛知)  22点(1-4-(DNF)-5-12)
⑤門川 亜朱茄/鈴木 杏依子 (宮崎)  24点(3-1-(DNF)-15-5)
⑥日野 ひより/福田 ゆい  (鳥取)  29点(2-3-(DNF)-8-16)
⑦川口 莉子/今村 瑠菜   (長崎)  39点(11-21-(DNF)-3-4)
⑧鴻上 ひかる/政岡 愛優  (愛媛)  40点(10-12-5-(19)-13)

※序盤から難しいレースとなり、どのチームが優勝するのかわからないほど混戦であった同クラスは、第③レースの大量DNFで大きく流れが変わる。優勝争いとなったのはインターハイチャンピオン長岡/森(香川)と同5位の中山/鶴田(佐賀)の一騎打ちとなった。最終日の2レースで中山ペアが連続トップフィニッシュで決着、2年生スキッパーが優勝する結果となった。

優勝した中山は、監督でもありスナイプ級ワールドに出場した経験がある中山英弘氏の四女であり、姉3人も高校時代活躍した凄い家族なのである。昨年から見ていて走りには何ら問題ないのだが、リコール・失格が多く、その辺りが課題であった。そしてこの優勝は九州女子復活したのでは?と思われるほど、価値ある勝利ではなかったのか?このペアはユースワールド・420ワールドにも出場する。是非期待したい。



⑩【少年女子レーザーラジアル級】 (※31艇)

※昨年の雪辱を果たす!
赤松
【最強のライバル菅沼に競り勝った赤松里彩(和歌山)】

①赤松 里彩   (和歌山)    8点(1-3-(7)-2-2)
②菅沼 汐音   (千葉)     9点((4)-4-3-1-1)
③須田 英実子  (滋賀)    14点(2-5-(21)-3-4)
④勝部 しずく  (北海道)   23点(9-2-1-(24)-11)
⑤新田 そら   (三重)    23点(5-(11)-9-4-5)
⑥三浦 凪砂   (静岡)    24点(6-6-(15)-9-3)
⑦蓮 千鶴    (茨城)    25点((10)-1-8-7-9)
⑧抜井 理紗   (兵庫)    26点(3-8-(20)-8-7)

予想通り、二度目の優勝を狙う菅沼汐音(千葉)と、レーザーラジアルユースワールド代表・赤松里彩との一騎打ちになった同クラスは、菅沼が追い上げたものの赤松が振り切り、昨年同点で涙を呑んだ雪辱を果たした。

赤松は一昨年地元国体から活躍、スーパースター軍団に混じり、全種目入賞を目指す。しかし彼女だけが入賞できないピンチとなるも最終レースで入賞できた素晴らしい経験がここまで成長させたと思われる。見事な初優勝であった。



※【今大会を振り返る】

地元愛媛県が両杯共に初制覇となったが、国体では昔から「開催県は勝って当たり前」という風潮がある中で、わがセーリング競技では様々な要素があり、なかなか難しい。直近10年をみても地元が優勝したのは2011年の山口県と2015年の和歌山県の僅か2度しかなかった。この2県は伝統ある県なので獲ってもなんら不思議ではなかったが、今年優勝した愛媛県は失礼ながらどちらかというとセーリング空白地帯であり、私自身は皇后杯は獲れても天皇杯までは難しいのではないかと思っていた。

成年男女は優秀な選手を集めれば済むことであるが、マイナー競技に地元企業が理解させることはなかなか難しく、普通ならうまくいかないのが現状だ。しかしながらその問題点を解消し、成年は優秀な選手を集めることに成功。少年種目においても新居浜東高にヨット部を創設し、一丸となって強化をしたものと思われる。

残念ながら少年種目は苦戦してしまったが、成年女子3種目全てで優勝する快挙を成し遂げ、インターハイ出場できなっかった少年女子420で入賞できたことが、栄冠に繋がったといえるのではないだろうか?

さらには今回愛媛県連は特設HPを開設し、公式掲示板に掲示される文書全てをスピーディーに発信していたのが印象的であり、フェイスブックでも1上回航とフィニッシュ速報を発信していたなど、努力されていたのが印象に残った。

「この大会を必ず成功させる」そのような一丸となった姿勢があったからこそ、めったに吹かない強風を神様が与えてくれたのだろうと、私は思ったのであった。初の天皇杯・皇后杯獲得おめでとう!

国体が終わっても高校生を強化し、是非ともインターハイなどの常連になるよう今後も期待したい。


※今年の国体も無事終了し、来年の73回大会は福井県・若狭和田マリーナで開催される。是非とも来年も成功することを祈っている。


以上

※えひめ国体セーリング特設HP